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ミオイノシトールは食後あるいは糖負荷後の高血糖状態を反映して、尿中に排泄されます。
糖負荷後の尿中ミオイノシトールを測定することにより、耐糖能異常をスクリーニングすることができます。
血糖が正常な場合は、血液中の糖やミオイノシトールはほとんどが再吸収され血液中に戻ります。ところが血糖が高くなると、ミオイノシトールは尿細管において糖による再吸収阻害を受け、尿中に排泄されます。さらに高血糖になると、尿細管が再吸収し切れない糖が尿中に排泄されます(尿糖)。
血糖正常 |
高血糖 |
さらに高血糖 |
山縣 文夫ほか, 医学と薬学. 52(6):981-987, 2004
ミオイノシトール検査(ΔUMI)は、75gブドウ糖負荷前(0時間)と負荷2時間後に採尿を⾏い、尿中のミオイノシトールとクレアチニンを測定します。ミオイノシトールをクレアチニンで補正し、2時間値から0時間値を差引いた値(ΔUMI)を指標として⽤います。糖負荷検査(OGTT)のような採⾎が不要ですので⼀度に多くの⼈の検査が可能です。
糖負荷検査(OGTT)は、下記の図のように最大4回の採血が必要ですが、ミオイノシトール検査は糖負荷前後の 尿を試料としますので、採血による痛みはありません。
※正常型と耐糖能異常群を区別するためのΔUMIカットオフ値は10mg/gCrです。