第45回全日本実業個人選手権大会

66kg級 前野 講道館杯出場権獲得
81kg級 海老 圧倒的強さを見せ、2連覇達成!!
90kg級 垣田 準決勝で敗れ 3位!
100kg超級 西潟 準決勝で敗れ 3位!
100kg超級 土屋 講道館杯出場権獲得

8月29日(土)・30日(日)に『第45回全日本実業柔道個人選手権大会』が兵庫県尼崎市/ベイコム総合体育館において開催されました。
なお、今大会の上位4人には11月に開催される『講道館杯全日本体重別選手権大会』への出場権が付与されます。

結果の詳細については下記の通りです。

66kg級

1回戦

前野 ○ 不戦勝 内田
(瀬田柔道)

2回戦

前野 ○ 一本
(小外掛)
塩野
(日本エースサポート)

3回戦

前野 ○ GS・有効
(小外掛)
宮崎
(日本通運)

4回戦

前野 ○ 僅差
(指導3)
前川
(乳山道場)

5回戦

前野 一本 ○
(大外刈)
六郷
(了徳寺学園)

講道館杯出場資格決定戦

前野 ○ 僅差
(指導1)
福岡
(ALSOK)

講道館杯出場決定戦にまわった前野(右組)の対戦相手は、2013年世界選手権大会で銅メダルを獲得している福岡選手(右組)との対戦となった。
両者とも東海大学出身でお互い手の内は知り尽くしている。予想通り開始より組手での攻防が展開される。十分に組み合えない中で前野は「大外刈」や「払腰」を仕掛けチャンスをうかがう。なおも「小内刈」「大内刈」を掛けて攻め続ける。そして、開始2分が経過したところで受けに徹した相手に対し【指導1】が宣告。その後も前野は釣手(右手)を持つと肘を左右に振って相手の重心をくずし、的を絞らせない軽快な動きを見せる。そして、5分間の試合が終了し、【指導】1つの差で強敵に勝利し講道館杯への出場権を獲得した。

81kg級

2回戦

海老 ○ 一本
(背負投)
高野
(千葉市消防局)

3回戦

海老 ○ 僅差
(指導2)
池田
(日本中央競馬会)

4回戦

海老 ○ 一本
(背負投)
黒澤
(東レ)

5回戦

海老 ○ 一本
(背負投)
武田
(新日鐵住金)

準々決勝戦

海老 ○ 一本
(背負投)
春山
(自衛隊体育学校)

海老(左組)の準決勝戦の対戦相手は、国際大会でも優勝経験のある春山選手(右組)となった。
ケンカ四つの組手となる両者は、開始より釣手(海老:左手、相手:右手)を持ち合う。海老は相手の釣手の下から胸付近を拳で突きながら距離を取り、続けて引手(右手)をつかみにいく。積極的に組みにいく姿勢を見せる海老に対し、相手は組み合うことを嫌う。開始30秒、組まない相手に対し【指導1】が宣告。1分15秒には、両者に対し釣手で間合いを取って攻防をしないということで【指導】が宣告。その後、海老は引手を積極的につかみにいく。ここでも組もうとしない相手に対し3つ目の【指導】。このままでは反則負けとなってしまう相手は展開を変えようと前に出て距離を詰めてくる。開始2分5秒、海老は冷静に相手の動きを読み、強引に前に出てくる瞬間に低くしゃがみ「背負投」を仕掛け【技有】を奪う。そして、3分35秒には先程と同じような展開で相手が前に出てきたところに低い「背負投」を掛ければ、海老の背中を相手が飛び越えるようにして回転し見事に【一本】。連覇に向け弾みをつける勝利となった。

決勝戦

海老 ○ 一本
(裏投)
川上
(國學院大學職員)

連覇がかかった海老(左組)の対戦相手は、グランドスラム東京大会などを制した経験がある強豪の川上選手(左組)となった。
決勝戦の開始線で両者顔を合わせ試合がスタートする。開始より相手は距離を縮めようと接近してくる。海老はまず引手(右手)で相手の左側の襟をつかみ前に出てくる相手の動きを封じ、自分の間合いを取る。相手は「大内刈」や「払巻込」を掛けるが、海老は冷静にさばく。相手は海老の「背負投」を警戒しスタンスを広く構える中、開始1分30秒、引手で襟を持った海老は右方向へ横移動しながら一度「一本背負投」に浅く入ると、相手は腰を落として受ける。この反応を感じ、再度同じモーションを見せ後ろに重心が掛かる瞬間に右の「小内刈」に変化すると相手はたまらずお尻から崩れ落ち【技有】となる。その直後、相手は引手(右手)で襟をつかみ、釣手(左手)は海老の左肩越し奥襟をつかみ強引に「払巻込」を狙う。海老は慌てることなく相手が技を仕掛けた瞬間に右手をスッと相手の腰に回し、相手の左体側に密着すると、そのまま右後方へひねりながら「裏投」を掛ければ、速い回転で相手は畳に落下し見事に【一本】を奪う。
昨年の海老より強さを感じる圧巻の2連覇となった。

90kg級

1回戦

垣田 ○ 一本
(横四方固)
佐藤
(東日本旅客鉄道)
西田 ○ 不戦勝 南岡
(松前柔道クラブ)

2回戦

垣田 ○ 一本
(巴投)
相樂
(十全会・聖明病院)
西田 有効 ○
(小内刈)
佐藤
(つくばユナイテッド)
穴井 GS・一本 ○
(大外刈)
山本
(日本中央競馬会)

3回戦

垣田 ○ 反則
(指導4)
谷井
(新日鐵住金)

4回戦

垣田 ○ 一本
(内股)
花本
(京葉ガス)

5回戦

垣田 ○ GS・僅差
(指導1)
菅原
(パーク24)

準決勝戦

垣田 一本 ○
(大外刈)
釘丸
(センコー)

準決勝戦まで勝ち進んだ垣田(左組)の対戦相手は、若手で実力を付けていている釘丸選手(左組)となった。
垣田は得意の「背負投」で攻め、対する相手は「大外刈」を軸に攻めてくる。相四つの組手になる両者はお互いに引手(右手)で釣手(左手)を下方向へ落とし十分に技を掛けさせまいとする。しかし、相手は不十分ながら「大内刈」「大外刈」と掛けてくる。そして開始1分55秒、技数が少ない垣田に対し【指導1】が宣告。その後、垣田はギアを上げ先に組みにいき、相手は組手を嫌い場外へ後退。開始2分55秒、不用意に場外に出た相手に対し【指導1】が宣告。直後、引手(右手)で襟をつかみ「一本背負投」を仕掛けそのまま「大外刈」へと変化する。しかし、仕掛けた「大外刈」を相手に「大外刈」で打ち返され背中から畳に落ち、まさかの【一本】負けとなった。

100kg級

2回戦

増渕 ○ 一本
(縦四方固)
森田
(建装工業)
田中 ○ 僅差
(指導2)
山本
(セントラル警備保障)
野田 ○ 一本
(合技)
岩井
(セントラル警備保障)

3回戦

増渕 ○ 一本
(大外刈)
中村
(アイシン精機)
田中 ○ 一本
(合技)
田村
(東レ)
野田 一本 ○
(支釣込足)
石本
(センコー)

4回戦

増渕 一本 ○
(浮落)
乙津
(東芝)
田中 ○ 一本
(腕拉十字固)
寺島
(京葉ガス)

5回戦

田中 GS・有効 ○
(払腰)
藤井
(パーク24)

講道館杯出場資格決定戦 1回戦

田中 一本 ○
(縦四方固)
乙津
(東芝)

100kg超級

1回戦

土屋 ○ 一本
(袈裟固)
山崎
(十全会・回生病院)

2回戦

西潟 ○ 一本
(合技)
タック
(関西学院柔道クラブ)
百瀬 ○ 技有
(大内刈)
谷本
(ダイコロ)
土屋 ○ 有効
(小内刈)
河井
(東レ)
○ 一本
(横四方固)
西原
(十全会・回生病院)
上杉 ○ 一本
(上四方固)
澤石
(三菱化学物流)

3回戦

西潟 ○ 一本
(払腰)
篠田
(日本通運)
百瀬 僅差 ○
(指導2)
上川
(京葉ガス)
土屋 ○ 一本
(払腰)
中田
(ALSOK群馬)
○ 一本
(内股)
出本
(三菱レイヨン・大竹)
上杉 ○ 僅差
(指導2)
井上
(ALSOK)

4回戦

西潟 ○ 一本
(合技)
小野
(新日鐵住金)
土屋 ○ 一本
(縦四方固)
鈴木
(ALSOK)
GS・一本 ○
(内股透)
赤迫
(新日鐵住金)
上杉 有効 ○
(内股)
豊田
(東レ)

5回戦

西潟 ○ 一本
(合技)

(VILLAGE)
土屋 一本 ○
(内股)
上川
(京葉ガス)

準決勝戦

西潟 一本 ○
(大外刈)
上川
(京葉ガス)

ここまで圧倒的な強さをみせ勝ち上がった西潟(左組)の対戦相手は、ロンドン五輪100kg超級代表の上川選手(右組)となった。
ケンカ四つの組手になる両者は釣手(西潟:左手、相手は右手)を持ち合う。西潟はすぐに引手(右手)で襟をつかみ相手を引き寄せる。緊迫した間合いの取り合いが続くが攻防がない両者に対し、開始1分5秒に【指導1】が宣告。その30秒後にまさかの決着が訪れる。西潟が両方の襟をつかんで技を仕掛けようとした瞬間に先に相手が「大内刈」を掛ける。西潟はこらえて態勢を立て直そうとするが、「大外刈」を掛けられ、背中から真後ろへなぎ倒されて【一本】負けとなる。まさかの決着に会場全体がどよめいた。

講道館杯出場資格決定戦

土屋 ○ 僅差
(指導2)

(VILLAGE)

初の講道館杯出場が掛かった土屋(左組)の対戦相手は、旭化成OBの泉選手(左組)となった。在籍当時のような勝負強さと雰囲気はいまだ健在である。
開始より受けて立つといった様子の泉選手に対し、土屋は引手(右手)からもち、続けて釣手(左手)で首元をつかんで間合いを取る。中途半端な技を掛けてしまうと試合巧者の泉選手にチャンスを与えることになるので慎重に攻める。まず土屋は遠い間合いから「大外刈」を掛ける。続けて「支釣込足」。しかし、相手は崩れず。お互いに攻めが少なく開始2分25秒に【指導1】が宣告。徐々に体力消耗し始めた泉選手。土屋は「支釣込足」「足払」などの足技を中心にペースをつかみはじめる。そして、開始3分40秒に消極的な泉選手に対し2つ目の【指導】が宣告。その後も流れを変えずに試合を運び、試合終了のブザーが鳴り僅差での勝利となったが土屋自身にとっては価値ある勝利となった。

最終結果

60kg級

優勝 山本 浩史(ALSOK)
2位 椿 龍堂(ALSOK新潟)
3位 宮本 拓実(自衛隊体育学校))
3位 川端 龍(了徳寺学園)

66kg級

優勝 平岡 拓晃(了徳寺学園)
2位 石黒 亮太(自衛隊体育学校)
3位 青木 勇介(パーク24)
3位 六郷 雄平(了徳寺学園)

73kg級

優勝 橋本 壮一(パーク24)
2位 太田 慶一(了徳寺学園)
3位 下山 徳大(了徳寺学園)
3位 田村 和也(パーク24)

81kg級

優勝 海老 泰博(旭化成)*2連覇
2位 川上 智弘(國學院大学教員)
3位 春山 友紀(自衛隊体育学校)
3位 山邉 雄己(自衛隊体育学校)

90kg級

優勝 西山 将士(新日鐵住金)
2位 釘丸 太一(センコー)
3位 垣田 恭兵(旭化成)
3位 山本 宜秀(日本中央競馬会)

100kg級

優勝 熊代 佑輔(ALSOK)
2位 下和田 翔平(京葉ガス)
3位 藤井 岳(パーク24)
3位 穴井 亮平(松前柔道クラブ)

100kg超級

優勝 上川 大樹(京葉ガス)
2位 赤迫 健太(新日鐵住金)
3位 西潟 健太(旭化成)
3位 豊田 竜太(東レ)

旭化成 陸上部