低複屈折性

旭化成のAZP™はガラスと同等の低複屈折性を有しています。応力がかかった状態やレンズ形状にしても複屈折が極めて小さく、より鮮明な結像を可能にします。

低複屈折性

複屈折を限りなくゼロに

旭化成の光学樹脂「AZP™」は、樹脂の成形に起因して発生する複屈折である「配向複屈折」および、応力に起因して発生する複屈折 である「応力複屈折」が非常に低いという特長があります。 AZP™を採用することで、従来の光学部品で起こっていた、複屈折による問題を解消することができます。

ガラスと同等の低複屈折性

AZP™はガラスに匹敵する低い複屈折性を持つ「樹脂」です。従来の光学樹脂と比較すると、AZP™のこの特性は明らかに際立っており、複屈折が問題になりがちな部品において「ガラス代替樹脂」としての活用が可能です。

AZP™を含む4種類の光学樹脂を板状に射出成形し、その複屈折を板状のガラスと比較しました。 その結果AZP™は、ガラスと同様に複屈折がほとんど観察されませんでした。一方で従来の光学樹脂は、著しい複屈折が確認されました。

このようなAZP™の特性は、射出成形時に発生する「配向複屈折」が非常に低いことによるものです。 AZP™を光学部品のガラス代替樹脂として利用することで、従来の光学樹脂で悩まされていた複屈折による問題が解消できます。

AZP™、メタクリル樹脂 (PMMA)、シクロオレフィンポリマー (COP)、ポリカーボネート (PC)を板状に射出成形し、板状ガラスと複屈折を比較。AZP™は複屈折がほとんどなく、合成石英ガラスと同程度であることがわかる。

AZP™を含む4種類の光学樹脂を板状に射出成形し、その複屈折を板状のガラスと比較

応力がかかった状態でも低複屈折性を維持

従来のガラスを使用した光学部品では、製品組み立て時にかかる応力により、複屈折が発生することがあります。一方でAZP™は、応力がかかった状態でも複屈折が発生しないという特長を有しています。

応力の影響を確認するために、10 Nの負荷をかけた際の、AZP™と合成石英ガラスの複屈折を比較しました (下図)。その結果、合成石英ガラスは負荷ありの条件で複屈折が確認されたのに対し、AZP™では、複屈折が観察されませんでした。

このようなAZP™の特性は、応力に起因して発生する「応力複屈折」が非常に低いという特長によるものです。 AZP™を採用することで、応力起因の複屈折による視認性の問題を解消することができます。

AZP™ (左図)と合成石英ガラス(右図)の圧縮 (10 N)時に生じる応力複屈折の比較。合成石英ガラスは負荷ありの条件で複屈折が確認されたのに対し、AZP™では、複屈折がほとんど発生していない。

AZP™と合成石英ガラスの圧縮時に生じる応力複屈折の比較

AZP™製レンズが可能にする、より鮮明な結像

従来の光学樹脂製レンズは、複屈折が避けられず、パンケーキレンズのような偏光を利用した光学系において、ゴーストやフレアが発生する問題がありました。AZP™は、その顕著に低い複屈折性により、このような樹脂製レンズの問題を解決します。

AZP™を含む4種類の光学樹脂で射出成形レンズを作製し、複屈折を観察しました (下図)。その結果、AZP™製レンズは複屈折がほとんど観察されませんでした。一方で従来の光学樹脂製レンズは、著しい複屈折が確認されました。

このようなAZP™の特性は、射出成形時に発生する「配向複屈折」および、成形後の残留応力による「応力複屈折」が非常に低いことによるものです。 AZP製レンズは、他の光学樹脂製レンズと比較し複屈折が極めて小さいため、にじみや歪みのない鮮明でクリアな結像が可能です。

偏光板をクロスニコルの状態で間に3.2 mmtレンズを設置し、下から光を当てた時の各樹脂製レンズの複屈折比較。AZP™製レンズは光漏れがほとんどなく、複屈折が極めて低いことがわかる。

AZP™を含む4種類の光学樹脂で射出成形レンズを作製し、複屈折を比較

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