スチレン系とオレフィン系樹脂の相容化に適したグレード

旭化成のタフテック®は、通常は混ざり合わないスチレン系樹脂とオレフィン系樹脂を相容化します。混合する樹脂の種類と配合比率に応じた最適なグレードをご用意しています。

スチレン系とオレフィン系樹脂の相容化に適したグレード

力学物性に優れた
ポリマーアロイを実現

タフテック®を相容化材として利用することで、PP/PS界面を補強し、力学物性に優れたポリマーアロイが可能になります。このページでは、スチレン量に応じた最適グレードと、タフテック®の優れた相容化の仕組みを説明しています。

「スチレン系樹脂 × オレフィン系樹脂」相容化に適したグレードの詳細


最適グレード

タフテック® はSEBS中のスチレン量に応じた最適なグレードを複数ご用意しています。

グレードマップ

タフテック®がスチレン系-オレフィン系樹脂の相容化に優れている理由

タフテック®はポリスチレンブロックと水添ポリブタジエン(エチレン-ブチレン)ブロックで構成されてます。ポリスチレンブロックはスチレン系樹脂と、水添ポリブタジエンブロックはオレフィン系樹脂との相性が良いため、スチレン系樹脂/オレフィン系樹脂アロイの相容化材として高い効果を示します。

タフテック®がスチレン系-オレフィン系樹脂の相容化に優れている理由のイラスト

タフテック®が可能にする、力学物性に優れたポリマーアロイ

ポリプロピレン(PP)とポリスチレン(PS)は互いに混ざり合わない樹脂であるため、相容化材を使用せずにアロイ化すると、二つの樹脂は分離しやすくなります。またPP/PSの界面の結合が弱いことで、耐衝撃性の低下を引き起こします。しかし、タフテック®を添加することで、PPとPSの間の相容化を促進し、界面の結合を強化することができます。その結果、力学物性が向上したポリマーアロイを得ることが可能になります。

左図:タフテック®なしのPP-HIPSのポリマーアロイの様子。均一に分散していない。
右図:タフテック®を添加したPP-HIPSのポリマーアロイの様子。均一に分散している。

左図:タフテック®なしのPP-HIPSのポリマーアロイの様子。均一に分散していない。右図:タフテック®を添加したPP-HIPSのポリマーアロイの様子。均一に分散している。

タフテック®による界面強度向上で、成形物のひび割れを抑制

タフテック®を相容化材として使用すると、PP/PSの界面強度が上がり、界面剥離を低減することが出来ます。そのため、成形物に対して疲労を与えた際のひび割れを抑制できます。

左図:タフテック®なしの成形物の屈曲性試験の様子。ひび割れが生じている。
右図:タフテック®を添加した成形物の屈曲性試験の様子。同じ強度の圧力でも、ひび割れが最小限に抑制されている。

タフテック®なしはひび割れ タフテック®添加で屈曲性改善

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