軽費老人ホームとは?サービス内容や費用、入居条件や流れについて詳しく解説
老人ホームを探していて軽費老人ホームという施設を見つけたものの、どのような施設か分からず気になっている方も多いのではないでしょうか。
老人ホームの種類は多く、施設ごとに対象の入居者や受けられるサービスなどが違うため、各施設の違いを事前に把握しておくことが大切です。
この記事では、軽費老人ホームとは何か、種類や今後、メリット・デメリットなどについて解説します。軽費老人ホームについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
軽費老人ホームの種類
全国老人福祉施設協議会の「第1回住まい支援の連携強化のための連絡協議会」によると、軽費老人ホームは「無料又は低額な料金で家庭環境、住宅事情等の理由により居宅において生活することが困難な老人を入所させ、食事の提供その他 日常生活上必要な便宜を供与する施設」とされています。
軽費老人ホームには以下の3つの種類があり、どの施設を利用するかによって受けられるサービスが異なるため、違いを把握しておくことが大切です。
・A型
・B型
・C型(ケアハウス)
それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。
A型
軽費老人ホームのA型は、自立した生活が困難な60歳以上の高齢者を対象とする施設です。施設では、食事提供、洗濯や掃除などの生活支援サービス、緊急時対応といったサービスを受けられます。
A型では介護サービスを提供していないため、要介護認定を受けた場合は基本的に施設から退去しなくてはなりません。入居の継続を認められた場合でも、外部の事業者と別途契約を締結して介護サービスを利用することになります。
軽費老人ホームA型の利用時にかかる主な費用は、以下のとおりです。
・初期費用:0円
・月額費用:約6~17万円
B型
軽費老人ホームのB型も自立した生活が困難な60歳以上の高齢者を対象としていますが、A型よりも自立した生活を送れなくてはなりません。その理由は、B型は洗濯や掃除などの生活支援サービス、緊急時対応といったサービスを受けられるものの、施設において食事の提供がないためです。
B型もA型と同様に、介護サービスを提供しておらず、要介護認定を受けた場合は基本的に施設から退去する必要があります。入居の継続を認められても、外部の事業者と別途契約を締結して介護サービスを利用することになるので注意してください。
軽費老人ホームB型の利用時にかかる主な費用は、以下のとおりです。
・初期費用:0円
・月額費用:約3~6万円
C型(ケアハウス)
軽費老人ホームのC型は、利用者の状況に応じて一般型と介護型の2つが用意されています。一般型は60歳以上の高齢者を対象としており、A型と同様、食事提供、洗濯や掃除などの生活支援サービス、緊急時対応といったサービスを受けられます。
介護型は、65歳以上の高齢者を対象とする特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設です。そのため、食事や入浴の介助などの介護サービスを24時間受けられます。ただし、誰でも利用できるわけではありません。要介護1以上の方に限定されています。
軽費老人ホームC型の利用時にかかる主な費用は、以下のとおりです。
・初期費用:0~数十万円(一般型)、数十万円~数百万円(介護型)
・月額費用:約6~15万円(一般型)、約6~20万円(介護型)
今後の軽費老人ホームはケアハウスのみになる
軽費老人ホームの種類の違いが分かったところで、C型ではなく、費用負担の小さいA型やB型を利用したいと考えた方も多いでしょう。
しかし、A型やB型は1990年以降新設されていません。その理由は、介護の需要の増加でC型が社会から必要とされているためです。
今後はC型への移行を進めることが予定されているため、A型やB型を利用することはほぼ不可能です。そのため、軽費老人ホームの利用を検討している方は、C型の一般型もしくは介護型のいずれかを選択することになるでしょう。
軽費老人ホームのメリット
軽費老人ホームが自分の目的に合った施設とは限りません。メリット・デメリットを確認し、自分の目的に合っているか事前に確認することが大切です。
軽費老人ホームのメリットとして、以下の4つが挙げられます。
- ・費用負担が少ない
- ・プライバシーを確保できる
- ・入居者同士の交流がある
- ・介護型の場合、介護度が上がっても問題なし
それぞれのメリットを詳しく説明していきます。
費用負担が少ない
軽費老人ホーム(ケアハウス)は公的な老人ホームです。行政機関が管轄しており、民間の老人ホームよりも月額料金が低く設定されています。
そのため、費用負担を抑えながら、必要なサービスを受けることが可能です。また所得が低い方は、事務費負担が減額されるため、老後の収入が少ない方でも安心して月額利用料を抑えながら生活できるでしょう。
プライバシーを確保できる
特別養護老人ホームや介護老人保健施設は、2~4人が一緒に暮らす相部屋になる可能性が高いです。
しかし軽費老人ホームは、1人1部屋提供してもらえるケースが多く、相部屋であっても間仕切り用の家具で仕切られているため、プライバシーが確保されています。
人の目を気にせず、自宅にいるような感覚で暮らせる点がメリットといえるでしょう。
入居者同士の交流がある
軽費老人ホームでは、クイズ大会やカラオケ大会といったイベントやレクリエーションが活発に行われています。
また、共有スペースが設けられている施設では入居者同士の交流が活発ですので、孤独を感じにくいでしょう。
介護型のケアハウスの場合、介護度が上がっても問題なし
軽費老人ホームは、利用者の介護度が上がった場合でも、安心して生活を続けられる環境を提供してもらえることが大きなメリットです。施設内には介護スタッフが常駐しており、日常生活の支援から身体介護まで、必要に応じたケアが受けられます。
これによって、住み慣れた環境を離れることなく、安心して生活を続けることが可能です。また、介護度に応じて柔軟にサービスが調整されるため、利用者一人ひとりの状態に合った適切なケアが提供されます。
さらに、医療機関との連携も行われているため、健康管理がしっかりとサポートされる点も家族にとっては大きな安心材料です。これによって、利用者自身も家族も、将来の介護への不安を軽減しながら安心して暮らし続けることができるでしょう。
軽費老人ホームのデメリット
軽費老人ホームのデメリットとして、以下の4つが挙げられます。
- ・種類によって対応が異なる
- ・入居までに時間がかかる可能性がある
- ・居室面積の狭いところが多い
- ・築年数が経過した施設が多い
それぞれのデメリットを詳しく見ていきましょう。
種類によって対応が異なる
契約した当初は介護が必要ではなかったものの、将来的に介護が必要になる方も多いでしょう。もし契約したのがC型の一般型だった場合は、多少の介護が必要になった程度であれば、外部の事業者の介護サービスを利用することで補うことが可能です。
しかし、介護度が上がって十分な介護を受けられなくなった場合は、介護が充実した施設に移らなくてはなりません。
最初から介護が必要な場合を除き、一般型の場合は将来的に施設を移らなくてはならない可能性が高いという点に注意が必要です。
入居までに時間がかかる可能性がある
軽費老人ホームは公的な老人ホームなので、民間の老人ホームよりも安価に利用できます。しかし、安価に利用できるということは、それだけ入居希望者が多いということです。
入居を希望したものの、入居待ちの状況で、入居まで時間がかかることも少なくありません。また入居待ちをしていても、緊急性の高い方が優先されるため、順番変更で入居がさらに遅れる可能性がある点に注意しましょう。
居室面積の狭いところが多い
軽費老人ホームには、居室面積が狭い施設が多いというデメリットが挙げられます。これは個々のプライバシーや快適性が制限されることがあるということです。
限られたスペース内における生活は、収納スペースの不足を招きやすく、日用品や個人的な持ち物を厳選する必要が生じることがあります。また、家族や友人が訪れた際には、十分なスペースが確保できず、窮屈さを感じることもあるでしょう。
さらに、居住空間が狭いため、リラックスできる場所や趣味を楽しむスペースが制限される可能性があり、居住者の生活の質に影響を及ぼすことがあります。
築年数が経過した施設が多い
軽費老人ホームには、築年数が経過した施設が多く見られるというデメリットもあります。古い建物の場合、設備やインフラが老朽化している可能性があり、快適な生活環境の維持に十分なメンテナンスが行われていないかもしれません。
例えば、エレベーターや空調設備が旧式だと、故障が頻繁に発生する可能性があり、生活に不便を感じることがあるでしょう。また、最新のバリアフリー設計が導入されていない場合、高齢者や体に不自由がある方は、移動や日常生活に支障をきたすかもしれません。
さらに、外観や内装が古びているため、住み心地や安心感に欠けると感じる方も少なくありません。これらの点から、築年数の経過した施設を選ぶ際は、設備やメンテナンス状況などを慎重に確認することが重要です。
軽費老人ホームの入居の流れ
軽費老人ホームにトラブルなくスムーズに入居するためには、以下の5つの流れを事前に把握しておくことが大切です。
① 軽費老人ホームを探す
② 施設を見学する
③ 入居の申し込みを行う
④ 入居の面談を受ける
⑤ 入居する
それぞれの流れについて詳しく解説していきます。
①軽費老人ホームを探す
軽費老人ホームの入居を検討する際は、インターネットや地域の福祉相談窓口を利用して、自分に合った施設を見つけましょう。施設の所在地、サービス内容、設備、費用などを比較し、希望条件に合ったホームをまとめます。
また、地域包括支援センターやケアマネジャーからの情報も活用し、自分の生活スタイルや介護ニーズに合う施設を探すことが大切です。
②施設を見学する
気になる施設が見つかった際は、実際に見学することをおすすめします。その理由は、施設の雰囲気や清潔さ、スタッフの対応などを直接現地で確認することによって、パンフレットやウェブサイトだけでは分からない実際の生活環境を把握できるためです。
また、他の入居者の様子や日常の活動内容などもチェックしつつ、自分がその場所で快適に過ごせるかどうかを判断する材料にします。見学時には、事前に質問事項を用意しておくとよいでしょう。
③入居の申し込みを行う
見学を経て入居を希望する施設が決まったら、入居の申し込みを行います。申し込みには、所定の申請書類の提出が必要です。多くの場合は、申請書には本人の情報や健康状態、介護度などを記載します。
必要書類には医師の診断書や収入に関する証明書などが含まれることもあるため、事前に確認しながら準備を進めましょう。書類の提出後は、施設側で審査が行われ、入居の可否が決定されます。
④入居の面談を受ける
入居の申し込み後、施設側との面談が行われます。この面談では、入居希望者の健康状態や生活習慣、介護の必要度などが確認され、施設が提供できるサービスと入居者との適合性が検討されます。
また、面談では施設のルールや入居後の生活などについて詳しい説明を受けることができ、入居者の疑問や不安を解消する場にもなります。面談の結果によっては、追加の情報提供や条件の確認が求められる場合があります。
⑤入居する
面談をクリアした後は、入居が正式に決定します。入居前に契約手続きを行い、施設の利用規約や入居に関する詳細な説明を受けた上で、必要書類に署名・押印を行います。その後、入居日が決まり、荷物の搬入や引っ越しの準備を進めます。
入居当日は、スタッフから生活に関するオリエンテーションが行われ、施設における新しい生活がスタート。初日は緊張することもありますが、スタッフのサポートを受けながら、徐々に新しい環境に慣れていくことが大切です。
まとめ
軽費老人ホームは、その名のとおり費用負担が少ないことが最大の特徴です。しかし、費用負担の少なさから入居倍率が高く、希望してすぐに入居できるわけではありません。また、居室面積が狭い施設や築年数が経過した施設が多く、充実した老後の生活を送るには懸念となるかもしれません。
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