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所長コラム
Director’s Column

LONGLIFE総合研究所の
“これまで”と“これから”

皆さんこんにちは、旭化成ホームズのLONGLIFE総合研究所・所長の河合慎一郎です。今後この所長コラムを通じて、私たちがLONGLIFEなくらしの実現を目指して行っている研究を伝えるために積極的に発信していきたいと思っています。読んでくださっている皆さんとご縁を得て、一緒に新しい価値を生み出せたらと期待もしています。どうぞ肩の力を抜いてお付き合いください。

まずは私個人のことを少しお話しさせていただきます。私のキャリアは、設計士としてスタートしました。お客様の夢をお聞きして、それを形にする仕事です。約450棟のすまいづくりに携わりました。やりがいのある毎日でした。

子どものころ、郵便ポストに入ってくるマンションや住宅のチラシを見るのが好きで、中でもお気に入りは、「間取り図」。チラシを眺めては、「様々なくらし」を想像して。そんな原風景を持ちながら大学は環境工学科に進んで、建築を専攻しました。周りには熱環境や水質、社会システムを勉強している人もいました。でも私は勉強よりも“映画三昧”の日々…。いま振り返ってみると、映画にも建築にも「構想を形にする」「ストーリーを紡ぐ」という共通点がある。そういうのが好きなタイプだと思います。

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くらしの研究に携わりはじめたのは、10数年程前からです。最初は「共働き研究」をしていました。その傍ら、自ら進んで取り組んでいたのが「ストック活用」の研究です。まだリノベーションという言葉もSDGsという言葉もあまり聞くことがありませんでしたが、「これからはモノを大切にして長持ちさせなくては」という使命感に駆られていたんです。この時の気持ちは、奇遇にも現在の「LONGLIFE」の考え方と一致しています。

そんな想いを実現するため、2024年4月に、社内の点在していたくらしに関する研究所を統合して「LONGLIFE総合研究所」を設立しました。HEBEL HAUSは「ALL for LONGLIFE」という概念を掲げています。LONGLIFEとは、単に「長持ちする住宅」という意味だけではなくて、すまう人たちに最高の人生を提供したいという想いが込められています。くらしに関する研究所も「LONGLIFE実現のための研究」とまとめたいと考えました。

世の中は常に変化しています。例えば、親子関係。昔は、長男が親と同居するのが当たり前でしたが、核家族化が潮流として現れました。今は土地価格が高騰などの背景から親子で同居というケースが増えてきています。このような変化がある一方で、変わらないものもあります。それは、「親が子を想う気持ち」だったり「子が親を想う気持ち」だと思うのです。我々は長い期間に渡って「人のくらし」を見つめてきたからこそ、変わるもの、変わらないもの双方の重みを理解して「その時代に本当に必要な価値」を見つけられるのだと信じています。

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もう一つ、私たちがずっと大切にしているのが、「生活現場主義」という考え方です。積極的に生活の現場に出向き観察するということを優先しています。へーベルハウスにお住まいの方はもちろんですが、そうでない方のお住まいにも伺って話も聞き、生活ぶりを拝見する。AIの台頭もあり、知りたい情報のほとんどが瞬時に入手できる時代になりました。だからこそ、生活の現場、「くらし」から聞こえる声を、社会課題を解くカギに変えていくことがますます重要だと考えています。

また、一つの会社、一人の人だけで世の中の課題を解決できる時代じゃない。さまざまなノウハウを持つ人が寄り集まって、知恵を出し合って、初めて世の中を良くしていける。「くらし」から聞こえる声を様々な人たちとLONGLIFEの実現を目指して新しい価値を生み出していく。そういう想いで所長コラムを始めました。

今後目指すのは「LONGLIFE」をもっと普及させて、「LONGLIFEと言えば、LONGLIFE研究所に聞きたいよね」と思ってもらえる存在に育てること。その一端が、小学校への出張授業の後に、児童が一人駆け寄ってきて「私がいま着ているTシャツ、イヤだなと思っていたけど、先生の話を聞いて世界一カッコいい服だと気づきました。これ、お姉ちゃんのおさがりなんです」と嬉しそうに話しに来てくれた時に垣間見えました。
良いものを大事に使って、メンテナンスして、継いでいく。そういうのもまさにLONGLIFE。LONGLIFEって、人の想いであり、モノの捉え方であり、世代を超えて繋がっていく、とっても素敵なものだと思います。

河合 慎一郎

PROFILE

旭化成ホームズ LONGLIFE 研究所長
河合 慎一郎

1972年生まれ、奈良県出身の一級建築士。
入社以来、戸建住宅・集合住宅を中心に約450棟の建築設計を手掛けてきた。現在は、生活者のくらしを調査・研究し、新しい価値と生活スタイルを提案している。また、様々な社会背景を考慮し、LONGLIFEに関する考え方や暮らし方を広める活動にも取り組んでいる。

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