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News Letter
2020年6月12日
旭化成ホームズ株式会社
HEBELHAUS

コロナ禍での巣篭り電力消費傾向をHEMSデータから解析
増えた自宅の電力消費。太陽光発電の活用がより重要に
~邸別のHEMSデータ解析で、起床時間や夕食調理時間など詳細な生活の変化も明らかに~

旭化成ホームズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川畑 文俊)は、過去に提供したヘーベルハウスに設置した独自のHEMS端末「HEBEL HEMS」を介し、コロナ禍を受けた緊急事態宣言下で在宅が基本となったオーナー様宅(戸建住宅約1,000棟)の電力消費量傾向を解析しましたのでお知らせします。


■調査結果トピックス

1.コロナ禍で緊急事態宣言が発令された4月の電力消費量は全体で前年同月比14.2%増加
2.若い世代・フルタイム共働き世帯の消費電力増加が特に顕著
3.PVの所有宅は非所有宅と比べ4月の購入電力量が40.5%(4,900円相当)抑えられた
4.邸別の解析では起床時間・在宅時間・食事(調理)時間の変化や日中電力消費の増加が明らかに


■背景

 本年発生した新型コロナウィルスの感染拡大対策としての外出自粛を受けて、家族全員が自宅で過ごす いわゆる「巣篭り」の生活が4月から5月にかけて続きました。5月末に緊急事態宣言は解除されたものの、新しい生活様式にしたがって一定の割合で在宅ワークが普及することなども予想されます。そうした社会背景を受け、今回、自宅での電力消費量を巣篭り前と巣篭り後で比較分析し、電力消費傾向に現れる生活の変化を探ることとしました。解析に当たっては、電力消費量の詳細分析が期待できるHEMSデータを活用することによって、生活に伴う電力消費量の変化をつまびらかにすることを目指しています。一方で太陽光発電(以後PV)については、固定価格買取制度(FIT制度)の契約が終了するオーナー様が昨年から発生しており、発電電力の利活用をどうするかは社会的課題となっています。そのため、在宅時間が増えたことによる電力消費の変化を分析することで、適切なPV電力の自家消費バランスを探ることも大きな目的の一つとしています。
※PV:photovoltaicsの略語


■調査の概要

1.調査の目的:コロナ禍での巣篭り生活時における電力消費傾向と生活の変化を探る
2.調査方法:HEBEL HEMSにより収集された邸毎の電力消費量※1の分析
3.分析データの対象期間:2019/2/1~5/7及び2020/2/1~5/7※2
4.調査(分析)対象数:緊急事態宣言発令下の9都府県(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県、福岡県)に存在するPV搭載のヘーベルハウスのうち、1,050件
※1:グリッドからの買電量、売電量、発電量(30分単位)。但し個別の邸に焦点を当てた邸別調査では、電力消費用途を探るために分岐回路別の電力消費量を調査(30分単位)
※2:邸別調査では、4月平日の生活実態を探るため土日のデータを除外

■主な調査結果

1.巣篭り前より電力消費量は増加。4月単月では14.2%増に

   2月上旬から5月上旬にかけての電力消費量を昨年と比較すると、今年の電力消費量が増えていることが分かります。昨年と比較し同時期の気温が高い期間と低い期間が混在し、暖房の使用に差があることが予想されたため、平均気温と電力消費量の関係を調べたところ(図1)、気温差を加味しても今年の方が多いことが分かりました。さらに4月単月の電力消費量を、平均気温差の影響を除いて比較したところ(図2)、昨年の392.3kWhから今年の448.1kWhへ14.2%増えていることが分かりました。また、その差55.8kWhから、気温差による自然増加を差し引いても39.4kWh増えており、コロナ禍の緊急事態宣言下での巣篭り生活によって行動の変容が起きたことを伺わせます。





2.電力消費量の昨年比増加割合は30代、フルタイム共働きを中心に特に高くなった

   対前年の行動変容要因による電力消費量を、2月以降で比較したところ、月を追うごとにその差が大きくなりました。また、年代別、妻の就業形態別による比較を見ると、年代別では「30代を中心とする若い世代の電力消費量が特に増えており、妻の就業形態別では特にフルタイム共働きで差が見られました。こうした層においては、巣篭り前は日中に通勤先の職場で働いて自宅は留守だったところから、夫婦共に在宅ワークで自宅にいる、また休日も外出自粛をしているという行動変容が顕著だったと予想されます。





3.PV設置宅は、非設置宅に比べ、購入電力量が大幅ダウン。電気料金は月間4,900円もの差に

   PVの設置宅と非設置宅における、今年の4月の電力購入量を比較ました。PV非設置宅の場合を試算すると、購入電力量平均は448.1kWhでしたが、PV設置宅のそれは266.5kWhと、およそ40%少ない結果となりました。これを電気料金に換算すると、約4,900円となり、大幅に少ないことが分かります。
   今後のウィズコロナ、アフターコロナ時代では在宅ワークが定着していき、日中の 在宅割合が増えることで家庭の電力消費量が以前より増えることが予想されます。電力買取単価が漸減していくことを勘案すると、その分をPVの電力で賄う事は、売電量の減少よりもむしろ、自家消費で購入電力が抑えられることのメリットの割合が高くなっていくと考えられます。





4.邸別の時間別の電力消費量及び電力使用用途の解析によって巣篭りで生活での行動変容が明らかに

   A邸の平日の消費電力データを用途別に解析したところ、昨年4月は朝5時台に電力消費量が上がり始めていることから、この時間帯に起床していたと思われますが、本年4月では6時台に消費量が上がるなど、起床時間が遅くなっている実態が浮かび上がりました。更に9時~18時の日中消費電力は、昨年より今年の消費量が多く、日中在宅している影響も伺われました。また、夕方の調理器具(IHヒーター)の使用時間帯も昨年に比べ今年の方が一時間程度早いという結果もみられ、在宅で通勤不要な分、起床時間が遅くなり、夕食を早くとるなど、データ分析から、巣篭り生活に伴う生活行動の変容が浮かび上がりました。




   一方で同じA邸におけるPVの発電量を分析したところ、巣篭りによって増えた日中の消費電力を上回る十分な発電がおこなわれており、在宅ワークの普及により日中の電力消費量が増えたとしても、PVを設置することで、居住者の光熱費負担が軽減される可能性が伺われます。




■今後について

   
  今回、コロナ禍という世界的危機を受けて急激に普及した在宅ワークは、今後のウィズコロナ、アフターコロナの時代においても一定数定着をし、働き方の変化を促していくと考えられます。また、在宅ワークの際の光熱費の増加についても関心が高いと思われます。今回のように照明やエアコン、コンセントなど、電力消費量とその用途が詳細に分析できるHEMSデータを解析することで、そのような社会環境の変化を受けた生活や電力消費の変化をリアルにとらえられると当社は考えており、引き続き今後さらに蓄積されるHEMSから得られるビッグデータの解析を継続することで、電力消費に対するPVの自家消費バランスや設備選択の最適解を探る研究を継続していきたいと考えております。なお、電力消費には冷暖房負荷などを含めて建物の断熱性能が大きく影響いたします。当社はこの分野を専門に研究され、経済産業省ZEHロードマップ検討委員会委員長を務められるなど、ZEH普及に貢献をされてきた芝浦工業大学建築学部建築学科 教授 秋元孝之氏にご指導を頂き、共同で同分野の研究を進めてまいります。
   当社は人びとの「いのち・くらし・人生」全般を支え続けるLONGLIFEな商品・サービスの提供をめざしており、本取り組みを通じて今後もお客様のライフスタイルに合わせた適切なエネルギー利用の形を提案することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。


<本件に関するお問い合わせ先>
〒101‐8101 東京都千代田区神田神保町一丁目105番地
旭化成ホームズ株式会社 広報室
(電話)03-6899-3010 (FAX)03-6899-3400 (メール)j-koho@om.asahi-kasei.co.jp

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