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2020.11.5

旭化成ホームズ株式会社
HEBELHAUS

ウィズコロナの夏季家庭用電力消費傾向をHEMSデータから解析
8月の電力消費量は2割増。日中の増加が顕著に
~アンケート結果から「映画・TV鑑賞」「ネットショッピング」の増加など行動の変化も~

旭化成ホームズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川畑 文俊)は、過去に当社より提供したヘーベルハウスに設置した独自のHEMS端末「HEBEL HEMS」を介し、ウィズコロナの夏季におけるオーナー様宅(戸建住宅約2,000棟)の電力消費量傾向を解析しましたのでお知らせします。

■調査結果トピックス

  • 1.2月以降の月間電力消費量が前年比で最も増加したのは8月(前年同月比19%増)

  • 2.PV所有宅における8月の購入電力量は非所有宅に比べ47%(約¥7,600相当)抑えられた

  • 3.4月は前年比で電力消費量が減少する時間帯もあったが、8月は24時間を通して大幅に増加

  • 4.8月の電力消費量の大幅増加は、日中から夜間のエアコン(特に日中のLDK)に起因

  • 5.今春以降に増えた行動1位は男女共に「映画・TV鑑賞」(スマートフォンなども含む)。年代別分析では50・60代で、男性は「散歩・ランニング」、女性は「ネットショッピング」が上位にランクイン

■背景

新型コロナウィルスの感染拡大防止対策としての外出自粛を受けて、家族全員が自宅で過ごす巣篭り生活の発生や在宅ワークの普及が進んだことを受け、それに対する生活の変化を探る目的で、当社はHEMSデータの解析を用いて本年2月~5月の入居宅約1,000棟での電力消費傾向を探り、6月にその結果を公表しました。 その後も世界的な感染拡大傾向が収まらず、わが国でもコロナ感染への脅威を極力避けながら経済活動を営む、いわゆるウィズコロナの時代へと移行しています。今後も社会情勢がどのように変化していくかを予想することは困難な状況です。そのような背景を受け、引き続き当社は電力消費量が増加する夏季についてHEMSデータを解析することで、ウィズコロナの生活動態の一端を浮き彫りにすることを目指しました。調査に当たっては、データには表れない行動の変化をつまびらかにする目的で、アンケート調査も実施しており、年代別、性別など、より細かい属性の行動変化を捉えることに挑戦しています。

■調査の概要

1.調査の目的: コロナ禍での巣篭り生活時における電力消費傾向と生活の変化を探る
2.調査方法:①HEBEL HEMSにより収集された邸毎の電力消費量※1の分析
②HEBEL HEMSが設置された邸のアンケート調査
※1:グリッドからの買電量、売電量、発電量、分岐回路別の電力消費量(30分単位データ)
3.①電力消費量の分析概要・分析データの対象期間:2019/2/1~8/31及び2020/2/1~8/31
・調査(分析)対象数:9都府県(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県、福岡県)に存在するPV搭載のヘーベルハウスのうち、2,064棟
4.②アンケート調査概要・アンケート期間:2020/09/02~2020/09/06
・調査方法:WEBアンケート調査
・調査対象:ヘーベルハウスオーナー計500名

■主な調査結果

1.2月以降の月間電力消費量が前年比で最も増加したのは8月(前年同月比19%増)

2月から8月にかけての月ごとの電力消費量を昨年と比較すると、8月の電力消費量が前年比19%増と最も増えている(図1)ことが分かります。昨年との気温差の影響を排除しても、今年の8月の増加量が最も多く(図2)なっています。在宅勤務の定着や長期休暇期間中の外出自粛などで、自宅の滞在時間が延び、エアコンをはじめとする各種電気機器の利用が増えるといった行動変化が伺えます。

2.PV所有宅における8月の購入電力量は非所有宅に比べ47%(約¥7,600相当)抑えられた

8月のPV所有宅における購入電力量を、PVが設置されていなかった非所有宅と比較してみると、平均で282.6kWh、金額にすると約¥7,600と、約47%の削減効果があったことが分かりました。夏季は特にエアコンの使用量が増え、さらに今年は在宅時間が増加したことから8月の電力消費量が最大となっており、それに伴ってPVによる購入電力量削減の効果が大きく表れたことが推察されます。

3.4月は前年比で電力消費量が減少する時間帯もあったが、8月は24時間を通して大幅に増加

時刻ごとに特徴を見てみると、外出自粛が本格化した4月には、朝に前年より電力消費量が減った時間が現れた後、急激に増加に転じています。通勤時間が不要になったことに起因する起床時間の遅れと在宅人数の増加の表れと考えられます。電力消費量が最大となった8月は24時間を通して前年同月よりも消費量が増加しており、特に午後から夜にかけて大幅に増加していることが分かりました。

※2020年電力消費量の気温による自然増加分を差し引いた増加量
(重回帰分析結果:説明変数=平均気温、2019/2020年)


図4

4.8月の電力消費量の大幅増加は日中から夜間のエアコン(特に日中のLDK)に起因

昨年比で電力消費量が最も増えた8月に関して、エアコンとそれ以外の機器の電力消費量を分離して、時刻ごとの推移を見てみました(図5)。昨年と比較すると、エアコンの電力消費量は日中から夜間にかけて大幅に増加していることが分かりました。
   さらにエアコンの電力消費量をLDKと個室に分けた時刻ごとの推移を見ています(図6)。昨年と比較すると、LDKエアコンにおいては日中の電力消費量が大幅に増加、個室エアコンではすべての時間帯で電力消費量が増加しました。アンケート調査の自由記述には、「日中の気温が高い時間帯には効率を考えLDKに集まる」などの回答があった一方、「在宅勤務開始時の春頃には書斎などで仕事をしていたものの、気温が上がったことによりエアコンのある個室に移った」などの回答もありました。各家庭でLDKや個室全体のエアコン電力消費量が上がったことにつながる行動があったことが推察されます。

◇エアコン利用に関する自由記述

  • ・冷房を本格的に使用するようになり、電気代節約のためLDKに集まり作業するようになった。(40代男性)
  • ・在宅ワーク当初は書斎で作業していたが、作業が長時間・長期間に渡ること、暑さに我慢できないため、7月以降は冷房がついており、PCのディスプレイ代わりに大型TVが使えるLDKで作業した。(40代男性)
  • ・暑くなるまでは書斎にいたが、書斎にエアコンが無い為、未使用の子供部屋に移った。(30代男性)
  • ・趣味の部屋を在宅ワーク用の仕事部屋にした。その際通信機器や冷房機器を買い足した。(40代女性)
  • ・在宅勤務開始から現在まで、仕事に集中するため、業務中は別々の部屋で過ごしている。(30代男性)

5.今春以降に増えた行動1位は男女共に「映画・TV鑑賞」(スマートフォンなども含む)。年代別分析では50・60代で、男性は「散歩・ランニング」、女性は「ネットショッピング」が上位にランクイン

春以降の日中に増えた行動をアンケート調査より検証すると、男女共に「映画・TV鑑賞」が上位にランクインしました。特に休日は男女共にすべての年代で1位であり、平日もすべての年代の男女で上位3位にランクインするなど、外出を控えたことによる娯楽として自宅での映画・TV鑑賞を選んでいる姿が浮かび上がりました。 一方で50代以上では平日の上位5位に、男性は「散歩・ランニング」、女性は「ネットショッピング」が入るなど、これまでなかった新しい行動変化も分かりました。

■今後について

今回の調査では、前回に引き続き、芝浦工業大学建築学部建築学科教授秋元孝之氏にご指導を頂き、コロナ禍で在宅勤務が一定数定着する中で、例年電力消費量が増大する夏季についてどのような電力消費傾向が表れるかの一端を解き明かすことが出来ました。夏季同様に、暖房としてエアコンの電力消費量が多くなる冬季の分析を進めることで、ニューノーマル時代の年間を通した電力消費傾向を探ることが可能であると当社は考えております。

当社は人びとの「いのち・くらし・人生」全般を支え続けるLONGLIFEな商品・サービスの提供をめざしており、本取り組みを通じて今後もお客様のライフスタイルに合わせた適切なエネルギー利用の形を提案することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。


以上

<本件に関するお問い合わせ先>
〒101‐8101 東京都千代田区神田神保町一丁目105番地
旭化成ホームズ株式会社 広報室
(電話)03-6899-3010 (FAX)03-6899-3400 (メール)j-koho@om.asahi-kasei.co.jp