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2024.4.24

旭化成不動産レジデンス株式会社

第10回ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2024
『マンション建替え研究所』が「最優秀賞」を受賞
豊富な実例に基づく研究成果を活かし高経年マンション再生を支援

旭化成不動産レジデンス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:高橋 謙治)は、一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会主催の「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2024」において、『マンション建替え研究所』が、「最優秀賞」を受賞しました。ここに同研究所の研究成果およびマンション建替え支援の実績についてお知らせいたします。

迅速な合意形成支援により熊本地震の被災から5年3か月で建替えを実現 アトラス上熊本
(ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2021「最優秀賞」受賞)


「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靱化大賞)」は、一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会(所在地:東京都千代田区、会長:広瀬 道明)により、次世代に向けたレジリエンス社会を構築するために全国各地で展開されている“強靱化(レジリエンス)”に関する先進的な活動を発掘・評価し、表彰する制度です。

一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会は、国土強靭化担当大臣私的諮問機関「ナショナル・レジリエンス懇談会」の結果を踏まえ、「国土強靭化基本計画」が円滑に達成されるよう、産、学、官、民のオールジャパンでその叡智を結集し、非常時のみならず平時での戦略的活用の方策を創造することにより、公共投資、民間投資が最大限に相乗効果を発揮し、レジリエンス立国を構築していくことを目的として設立されました。

■マンション建替え研究所の活動

1970年代から供給が本格化したマンションは、全国に約700万戸存在し、そのうち耐震性に不安のあるものも含め築40年を超えるマンションは125万戸にのぼります。今後、高経年マンションは年々増加が見込まれ、再生の促進を期待されていますが、課題も多く、建替えの実現数は全国でわずか282件(2023年3月時点)です。そのような中で、当研究所は着工ベースで48件の建替えに参画し、実現に寄与しています。

※出典:国土交通省 マンションに関する統計・データ等
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000058.html

旭化成不動産レジデンスは、これまで多くのマンション建替えに参画し都市の再生を支援する中で、高経年マンションの再生に係る知見が世の中で不足していることを痛感し、業界に先駆けて2011年に「マンション建替え研究所」を設立。現在、マンション建替えに関するあらゆる情報を収集・分析し発信するシンクタンク機能を果たすとともに、多くの実績の中で蓄積した経験を生かして、特に検討初期段階にあるマンション管理組合の相談対応などで合意形成を支援しています。また、マンション建替え実践講座を定期開催し、マンション建替えに関する最新情報や事例を交えながら、マンション建替えについて分かりやすく解説しています。これまでに、延べ約970組2,200名の管理組合・管理会社の皆様にご参加いただいています。こうした活動を通じて様々なケースのマンション建替えをサポートしています。

・マンション建替え研究所の主な目的は、
① 建替えにかかる「情報の分析と課題の抽出」をもとに、「有益な情報発信と啓蒙活動」を行う。
② 老朽化、耐震性能不足などの課題を抱えるマンションの再生を通じて地域の持続可能なまちづくりを支援。
③ 高経年マンションの建替え支援に係る幅広い関係者と連携し、再生促進の環境整備に貢献する。
としており、社会的課題である高経年マンションの再生を支援いたしております。

■最近の主な研究成果の中から、建替えにかかる情報の紹介

・調査報告書より「事例従前マンションの竣工時期別の分類について」
当社が支援した全47件(調査当時)の建替えマンションにおいて建替え決議時点の築年数は平均45.6年という調査結果となりました。1980年以降に竣工した従前マンションが8棟ありましたが、内訳は1980年築が3棟、1981年築が3棟、1987年築が2棟。このうち、1981年築までの5棟は旧耐震マンションでした。また、1987年築のうち1棟は熊本地震で大規模一部滅失をした被災マンションで、それを除けば、建て替えられたほとんどが旧耐震マンションでした。なお、1950年以前の1棟は、当初は賃貸用として建てられ、戦後賃借人に払い下げられて区分所有建物となった「同潤会アパート」の建替えでした。


・調査報告書より「事例従前マンション 最終的な合意状況について」
建替え決議の結果では、「当初は全員賛成とならなかったマンションにおいても催告を行うことで結果的に全員同意に至った」というケースが25件と半数以上を占めます。
事例47件(調査当時)の中で、建替え等決議を経ずに区分所有者全員の同意により建て替えたものが9件。残る建替え等決議をした38件のなかで、建替え等決議時点で全員が賛成をした事例は2件でした。決議可決後の催告の結果、全ての区分所有者が建替え等に参加することとなった事例は25件であるため、全体の約4分の3(36件/47件)は区分所有者全員が参加した建替え等となっています。なお、建替え等不参加者に対して売渡請求権を行使した11件の事例のなかで、売渡請求権被行使者が任意で明渡しに応じたものは4件。そのため、明渡し請求訴訟の対象となった事例は7件でした。


これまで公表した研究成果「調査報告書」

Ⅰ.当社マンション建替え事業における区分所有者様の実態調査2011年
Ⅱ.当社マンション建替え事業に関する実態調査2013年
Ⅲ.高経年マンションにおける区分所有者とコミュニティの高齢化について    2015年
Ⅳ.マンション建替え~選択とその理由~2019年
Ⅴ.マンション建替え経験者のホンネ~建替えの前と後~2021年
Ⅵ.従前マンションの概要と建替え等決議の状況分析2023年
Ⅶ.借地権マンションについて2023年

マンション建替え研究所では、実際の建替え事例を対象に各種調査を実施し、これまでにいくつもの「調査報告書」を発行してまいりました。詳細はこちらよりダウンロードいただけます。
https://afr-bs.jp/tatekae-lab/investigation-report/resilience

■老朽化、耐震性能不足などの課題を抱えるマンションの再生を通じて地域の持続可能なまちづくりを支援。マンション建替え研究所が合意形成支援を行った代表事例の紹介

・熊本地震被災から5年3か月で建替えを実現 上熊本ハイツ(アトラス上熊本)
(冒頭にて画像掲載)
2016年4月14日熊本地震ののち、私たち旭化成不動産レジデンスは迅速に現地入りし5月3日の理事会に参加。「復興特別委員会」から、アドバイザーとして参画依頼を受け、上熊本ハイツは地震からわずか1年半で建替え決議を成立させました。5年3か月後の2020年7月には新マンション「アトラス上熊本」が竣工。熊本地震の被災マンション建替え第1号となりました。

・「日本初の分譲マンション」宮益坂ビルディング
1953年に東京都により分譲された「日本初の分譲マンション」宮益坂ビルディングは、渋谷駅に近い立地を生かして地下1階と1階が店舗、2~4階が事務所、5~11階が住居の複合用途型のマンション。老朽化とともに設備や間取りの面で現在の水準からかけ離れた状態になっていたことで、賃貸化や事務所化が進み、建替え決議時点では区分所有者本人が居住する区画は極めて少数になっていました。コンサルタントや不動産鑑定士等の専門家の協力の下、説明会や個別面談を通じて各区分所有者の合意を得ることで、2012年には建替え決議が成立、2020年竣工。

宮益坂ビルディング
「日本初分譲マンション」の建替え

・30年来頓挫を繰り返していた同潤会江戸川アパートを建替え
戦後復興を支えた「同潤会」によって建築された共同住宅「同潤会アパート」。飯田橋駅徒歩10分に位置する築60年を超えた建物は構造・設備ともに著しく老朽化が進行。建替えの検討開始から30年以上が経過した2001年に当社が事業協力者として参画しました。当社では、区分所有者全員との個別面談や専任の高齢者サポート担当の配置等の活動を進め、2003年に等価交換方式にて建替え決議。翌2004年に着工しました。

同潤会江戸川アパートメント
(アトラス江戸川アパートメント)

そのほか、マンション建替円滑化法適用第一号である新宿区諏訪町住宅の建替え、都市計画法一団地の廃止と公道の移設を実現した調布富士見町住宅の建替え、1956年竣工の「日本初の民間分譲マンション」四谷コーポラスの建替えなど、先進的な建替えの実績を積んできました。

諏訪町住宅(アトラス諏訪町レジデンス)円滑化法 組合施行第一号

調布富士見町住宅(アトラス調布)道路を付替え、容積緩和を実現

四谷コーポラス(アトラス四谷本塩町)「日本初の民間分譲マンション」の建替え

■高経年マンションの建替え支援に係る幅広い関係者と連携し、再生促進の環境整備に貢献。公的機関の検討会等に実務者として招致されマンション再生の環境整備に貢献(活動の一部を紹介)

2003年度国土交通省 宅地市場の活性化方策に関する検討会
2008~09年度国土交通省 マンション建替えに関する検討会
2018年度~国土交通大学校/まちづくり行政のプログラムで「マンション再生の取組み」を講義
2020年度団地敷地分割マニュアル作成にかかるワーキンググループに参加
2021~22年度マンション建替えマニュアル、団地再生マニュアルの改正にかかるワーキンググループ
2023年度セミナー講演会23回実施 講演依頼(東京、宮城、名古屋、大阪、兵庫、福岡、熊本など)

【参考】マンション建替え研究所のHPはこちら
マンション建替え研究所とは
https://www.afr-web.co.jp/tatekae-lab/about/index.html/
マンション建替え実績 多様な実例をご紹介
https://www.afr-web.co.jp/tatekae-lab/example/index.html/
マンション再生 役立つ情報を随時公開
https://www.afr-web.co.jp/tatekae-lab/column/index.html/


以上

<本件に関するお問い合わせ先>
〒101-8101 東京都千代田区神田神保町一丁目105番地
旭化成ホームズ株式会社 広報室
(電話)03-6899-3010 (FAX)03-6899-3400
(メール)j-koho@om.asahi-kasei.co.jp