高齢者は些細なケガでも注意が必要!多いケガや対処法は?
年齢を重ねるにつれて、以前に比べてうまく体が動かないことによって、ケガをしてしまうこともあるでしょう。そのため、ケガを防ぐことだけでなく、対処法を覚えておくことも大切です。
今回は、高齢者に多いケガと対処法についてご紹介します。今は問題がないと思っている方も、確認しておくことをおすすめします。
高齢者に多いケガとは
歳をとると、運動機能が衰えたり病気によって体の動きが鈍くなったりするため、ケガをする可能性が高くなります。高齢者はどのようなケガに注意をすべきなのか、見ていきましょう。
高齢者に多いケガの原因
高齢者が招くケガの原因で、大部分を占めるのが「転倒」です。令和元年に厚生労働省によって行われた国民生活基礎調査によると、高齢者が寝たきりや要介護になった原因に転倒・骨折が挙げられています。
高齢者が転倒をする原因
高齢者は加齢やさまざまな病気によって、身体機能や体力が低下しています。その結果、運動不足になって筋力が衰えてしまうことで、転倒しやすくなるのです。その他にも、飲んでいる薬の影響による眠気やふらつきなどで転倒することもあります。筋力や骨が弱っている高齢者の場合、このような転倒が大きなケガにつながってしまうことも少なくありません。
屋外だけでなく住宅内での注意が必要
高齢者が転倒する事故の多くは、普段暮らしている家の中で発生しています。畳のへりでつまずく、ソファにぶつかって転倒する、椅子に座ろうとして滑って落ちるなどのように、日常生活の中にケガの危険性が潜んでいるので、注意が必要です。
入浴中はヒートショックに注意
ヒートショックは、気温が低い脱衣所から熱いお湯に浸かるといった「温度差」の激しいときに発生します。これは血管の「寒いと収縮し暖かいと広がる」という性質によって起こる現象です。血管が広がり血圧が急激に下がると、脳に血液が運ばれなくなり、意識を失ってしまいます。入浴中にこの現象が起こると、顔までお湯に浸かってしまっても気付くことがなく、そのまま窒息してしまうこともあるため、特に注意が必要です。
出典:厚生労働者
「2019 年 国民生活基礎調査の概況」
万が一のケガに備えて予防をしておこう
日常生活を安心して送るための、ケガの予防策を8つご紹介します。
食事と生活習慣を見直す
筋力が低下すると、運動能力が下がったり姿勢が悪くなったりするため、転倒しやすくなってしまいます。普段の食事で積極的にタンパク質を摂取したり、適度な運動を行なったりして、健康的で筋肉量のある体を維持しましょう。
バリアフリー化をする
バリアフリーとは、物理的な障害や精神的な障壁を取り除くことを言います。住宅でのバリアフリーには、以下のようなものがあります。
- ● 玄関や階段、トイレ、お風呂などに手すりを設置する
- ● スロープなどを設置し、不要な段差をなくす
- ● 床を滑りにくい素材に変える
また、なるべく費用を抑えてバリアフリーリフォームをしたい場合には、事前に自治体からの補助金や減税制度を調べておきましょう。
生活スペースを見直す
つまずいて転ぶ危険性があるものを生活スペースから排除することで、日常生活の安全性が高まります。コンセントから伸びるコードを壁にはわせる、ラグやこたつ布団など足が引っかかりやすいものは片付けるなど、転倒のリスクをなるべく減らしましょう。
座れる場所を作る
片足で立つ動きは高齢者にとって負担が大きく、転倒してしまう可能性が高くなります。玄関で靴を脱ぎ履きしたり、脱衣所で着替えたりするのが難しい高齢者をサポートするために、腰をかけられる椅子を用意しておきましょう。また、踏み台を活用して段差を低くするのも転倒予防に有効です。
食事はゆっくりとる
高齢になると、食べものを噛む力や飲み込むための筋力が低下してしまい、本来では胃に送られるはずが気管や喉頭に入ってしまう「誤嚥(ごえん)」という事故が増える傾向にあります。誤嚥は肺炎や窒息の原因となるだけでなく、食事が苦痛になり栄養不足につながることもあるので、高齢者の体力や筋力低下の原因にもなります。食事の際は、慌てずゆっくりとよく噛んで食べるように心がけましょう。
近隣や家族と協力ができる関係を築く
家の中で転倒するなどケガをして動けなくなった場合に、助けを求めることができる人がいると安心です。普段から近隣の方々や家族との付き合いをして、お互いに困ったときには協力し合える人間関係を作っておくことを心がけましょう。
室内でも常に携帯電話を持ち歩く
万が一ケガをしてしまった際に連絡ができるように、携帯電話を持ち歩く習慣をつけましょう。多機能なスマートフォンだと操作が難しい場合には、通話機能のみの携帯電話がおすすめです。
床材や壁材を見直す
家の中での転倒を100%防ぐことは難しいですが、もし転倒をした場合でも大きなケガにならないようにすることは可能です。滑りにくい床材ややわらかい壁材などにリフォームして、転倒時に体に与えるダメージを抑えることで、ちょっとした転倒が重大なケガにつながることを防げます。
ケガをしてしまったときの対処法
転倒事故が発生して高齢者がケガをした場合でも、慌てずにきちんとした対応をすることが大切です。万が一ケガをしてしまったときの対処法をご紹介します。
まずは状況を確認する
<意識があるか確認>
高齢者が転倒しているのを発見したら、まずは本人に意識があるかを確認しましょう。転倒したことにショックを受けて動揺している場合もあるので、気持ちが落ち着くように声かけをします。
<慌てて起こさず状況を確認>
転倒した直後は、強くぶつけた場所の有無やケガの状態がまだわからないので、すぐに起こさずにそのままの体勢でいてもらうようにします。そして、何をしようとしていて転倒したのか、どの体勢から転んだのかなどを確認しましょう。
<痛みなど体の状態を確認>
痛みがある場所を確認した後、かかりつけの病院などに連絡をして指示を仰ぎ、必要であれば救急車を呼びます。自分で動けない、立ち上がれない場合は、無理に起き上がらせるとケガが悪化につながるほか、立ち上がるのを介助した人がケガをする可能性もあるので、そのままの体勢で救急車の到着を待ちましょう。
頭を打っている場合は48時間ほど注意が必要
転倒した際に頭を打っていた場合は、その場では特に症状が出ていなくても、早めに病院で検査を受ける必要があります。頭に衝撃を受けた影響はすぐに現れないこともあり、数日経過してから変化が出ることも考えられるためです。病院で検査を受けた後も、48時間は異常が現れることがないか注意して観察しましょう。
まとめ
高齢になると、なんてことはないと思うようなところで転倒したり、ケガをしたりするリスクが高まります。身近な高齢者の方が、リスクを感じずにいつでも元気に暮らせる場所で過ごせると安心でしょう。ヘーベルVillage(ヴィレッジ)は元気だけれど不安もある、そんなシニア世代のための賃貸住宅です。安全に暮らすために設計された住まいと、快適に暮らすためのサポート体制によって、健やかに日々を過ごすことができます。
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