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高齢者の転倒はリスクが大きい!予防すべき理由とは

高齢者の転倒はリスクが大きい!予防すべき理由とは

高齢者は些細なことが大きなケガにつながりやすく、若いころに比べて注意しなければなりません。万が一転倒した場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。今回は高齢者が転倒するリスクと、予防すべき理由についてご紹介します。

高齢者は実際に転倒が多い?

高齢になると、思いがけないタイミングで転倒することが増えます。その理由やリスクとは、一体どんなものなのでしょうか。

高齢者の転倒は多い

転倒や転落の事故で救急搬送されている人数は、年齢があがるにつれて増加傾向です。高齢者は、筋力の低下や服薬、認知症などが原因で転倒しやすくなります。

特に転倒が多い場所

高齢者の転倒事故が発生しやすい場所として、特に気を付ける必要があるのは自宅と言われています。居間や寝室、玄関、廊下、浴室といった、普段何気なく生活している場所にこそ、転倒の危険は潜んでいるのです。家の中でも、横になっている状態から起き上がる「寝室」や、頻繁に立ったり座ったりする「居間」が多く、転倒の報告が後を絶ちません。

転倒を甘く見てはいけない!転倒のリスクとは

高齢者は運動能力の低下によって転倒時に受け身が取れないため、転倒によって骨折するケースも少なくありません。また、加齢により骨が弱くなっていることも、転倒して骨折してしまう原因の一つと言われています。大腿骨(だいたいこつ)などの大きな骨を骨折してしまうと動くことができなくなるので、運動不足からさらに筋力が落ちてしまい、そのまま寝たきりになる可能性もあります。

出典:東京消防庁

救急搬送データからみる高齢者の事故

出典:厚生労働者

たった一度の転倒で寝たきりになることも。転倒事故の起こりやすい箇所は?

高齢者の転倒の原因になるもの

自宅の中で転倒事故が発生する原因となるものについて、紹介します。

キッチンや洗面所、浴室、玄関などの床は水で濡れることが多くて滑りやすいので、高齢者にとって危険な場所と言えるでしょう。また、カーペットやラグがズレていたり端がめくれていたりすると、足が引っかかって転んでしまう可能性があります。床に敷物を敷く場合には、滑り止めを使用して簡単にズレないように工夫をしましょう。

荷物

床や廊下などに荷物が置いてあることも、転倒の原因です。転倒を少なくするためには、生活動線はいつでもすっきりと片付けておきましょう。また、コンセントから伸びるコードなども足を引っかけやすいため、高齢者にとっては危険な障害物です。壁にはわせるか、もしくは箱などにまとめて収納して行動の邪魔にならないようにしましょう。

履物

室内で履いているスリッパが簡単に脱げてしまったり、靴下の裏が滑りやすかったりすると、転倒の原因になるでしょう。足元が不安定だと、ちょっとした段差やつまずきで転倒してしまうので、脱げにくくて滑らないルームシューズなどを履くのがおすすめです。

身体的な問題

加齢による運動能力の低下や筋力の低下などに加えて、高齢になると病気や薬の服用が転倒の原因になることがあります。薬の副作用でめまいや立ちくらみを起こしやすいと、住み慣れた自宅の中でも転倒してしまう恐れがあるので、注意が必要です。

転倒を繰り返す人の原因や特徴

転倒を繰り返す人には、以下の原因や特徴があると考えられます。

  • ・内的要因
  • ・外的要因

以下のサイトを参考にしながら転倒を繰り返す人の原因や特徴を探ってみましょう。

参照:MSD「高齢者の転倒

参照:国立長寿医療研究センター「転びやすくなる原因は?

参照:政府広報オンライン「たった一度の転倒で寝たきりになることも。転倒事故の起こりやすい箇所は?

参照:消費者庁「10月10日は「転倒予防の日」、高齢者の転倒事故に注意しましょう!-転倒事故の約半数が住み慣れた自宅で発生しています-

内的要因

内的要因とは、個人の要因のことです。加齢変化、身体要因、薬物の3つに分類されます。それぞれの詳細は以下の通りです。

内的要因の種類 詳細
加齢変化 ● 筋力低下
● 姿勢の変化
● 運動速度の低下
● 姿勢反射の低下
● 平衡覚(バランス)の低下
● 深部感覚の低下
● 視覚低下
● 聴覚低下など
身体要因 ● 循環器系
・起立性低血圧
・不整脈
・心不全
・脳血管障害
● 神経系
・パーキンソン病(症候群)
・認知症
・末梢神経障害
・失調性疾患
・めまい
● 筋・骨格系
・骨粗鬆症
・変形性脊椎症
・変形性関節症(膝・股関節)
・骨折の既往
・ミオパチーなど
薬物 ● 鎮静睡眠薬
● 抗不安薬
● 抗ヒスタミン薬
● 抗精神病薬
● 抗うつ薬
● 抗てんかん薬
● 降圧薬など

身体の状態は、加齢そのもの、体力、病気、使用する薬による変化に大きく左右されます。環境などの外的要因よりも、身体の状態に影響を受ける内的要因の方が転倒時のリスクが高くなりやすいです。

身体の状態が悪い、身体に障害がある場合、転倒リスクを増加させるだけでなく、危険物や危険な状況に対する反応の仕方にも影響を及ぼすので注意してください。

外的要因

外的要因とは、環境が原因となることです。例えば、以下のような要因が外的要因に該当します。

  • ・段差
  • ・障害物
  • ・履物
  • ・滑りやすい場所
  • ・部屋の暗さ
  • ・階段
  • ・手すりの有無
  • ・坂など

生活環境における障害は、多くの転倒に関与しています。危険物に気付かない、気付いてもスムーズに反応できなかった場合に転倒します。

浴室や脱衣場、庭・駐車場、ベッド・布団、玄関・勝手口、階段などでの転倒が目立つため、転倒事故が多く発生する場所に何らかの対策をすることが事故の予防につながります。

内的要因による転倒を予防する方法

内的要因による転倒を予防する方法として、以下の6つが挙げられます。

  • ・定期的な運動
  • ・動作確認
  • ・頭部を動かす簡便な対処法を取得する
  • ・服用している薬を再検討する
  • ・定期的に視力検査を受ける
  • ・転倒リスクを軽減する方法を学ぶ

それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。

定期的な運動

転倒予防のためには、定期的な運動が重要です。特に、バランス感覚や筋力を鍛える運動を取り入れれば、転倒リスクを大幅に軽減できます。ウォーキングや軽い筋力トレーニング、ストレッチなどが効果的です。

また、ヨガや太極拳などの柔軟性とバランスを同時に鍛えられる運動も推奨されます。日常生活の動作が安定し、急な動きにも対応しやすくなるでしょう。運動は無理なく続けられるペースで行い、健康維持に努めることが転倒予防につながります。

動作確認

動作確認を意識することで転倒リスクを減らすことができます。例えば、立ち上がるときや歩行中に動作をゆっくり行い、バランスが取れているか確認する習慣を身につけることが重要です。

また、急な動作や方向転換をせずに、足元の安全を確保しながら動くことで、転倒の危険を避けることができます。日常生活において無意識に行っている動作を意識的に確認すれば、転倒のリスクを減少させ、より安全な行動をとれるでしょう。

頭部を動かす簡便な対処法を習得する

転倒リスクを軽減するには、頭部を動かす場合の簡便な対処法を取得することが重要です。例えば、急に頭を動かすとめまいやバランスの崩れを引き起こすことがあります。

そのため、頭部を動かす際は、ゆっくりとした動作を心がけることや視線を動かす前に首をしっかりと支えることが推奨されます。

また、頭を動かす練習を定期的に行い、めまいの予防やバランス感覚の維持に努めることが大切です。これにより、日常の動作での転倒リスクが大幅に減少するでしょう。

服用している薬を再検討する

服用している薬が転倒リスクに影響を与える場合があるので注意が必要です。特に、眠気やめまいを引き起こす薬、血圧を下げる薬はバランスを崩しやすくする可能性があります。

そのため、定期的に医師に相談し、現在の薬の服用が適切なのかどうかを再検討することが重要です。場合によっては、薬の種類や量を調整することで、転倒リスクを軽減できます。

また、薬の副作用や相互作用などについても確認し、安全な服用方法を選択することが転倒予防につながるでしょう。

定期的に視力検査を受ける

視力の低下は転倒リスクを高める要因となります。そのため、定期的に視力検査を受けて、視力の状態を把握することが大切です。

特に、遠近感や視界の広さに問題がある場合は、日常生活での転倒リスクが増大するため、早期の対応が必要です。眼鏡やコンタクトレンズの度数が適切なのか確認し、必要に応じて調整することで視覚的な障害を最小限に抑えられます。

また、眼疾患の早期発見も視力低下を防ぐために重要です。これにより、視力の維持と転倒予防が可能になるでしょう。

転倒リスクを軽減する方法を学ぶ

転倒リスクを軽減するには、具体的な方法を学ぶことが効果的です。バランス感覚を鍛える運動や、正しい歩行姿勢の習得、転倒しやすい状況を予測して避ける方法など、さまざまな対策があります。

これらの知識を身につければ、日常生活での行動がより安全になるでしょう。また、地域の健康教室や専門家によるセミナーに参加し、最新の転倒予防策を学ぶことも推奨されます。

自ら積極的に学び、リスクを低減する行動をとることによって、転倒を防ぎ、健康な生活を続けることができます。

場所ごとに必要な転倒の予防法とは

自宅での転倒事故を防ぐためにはどうすればよいのか、場所ごとにその原因と予防方法を解説していきます。

浴室や脱衣所

転倒事故が起きる原因 ● 床が濡れていて滑りやすい
● 段差でつまずく
● 着替える際や浴槽に出入りするときなど、片足立ちの状態になる
予防方法 ● 脱衣所に椅子を置く
● スロープやすのこを設置して段差を解消する
● なるべく滑りにくい床材にする
● 滑り止めマットを敷く
● 浴室に手すりをつける

浴室や脱衣所は、床が濡れていることも多いため、転倒しやすい場所です。足元が不安定になる場所で片足立ちになるのは危険なので、なるべく低い位置で服の脱ぎ着ができるように工夫をしましょう。また、お酒に酔った状態での入浴は足元がふらつきやすく、転倒しやすくなるため、入浴は避けましょう。

寝室

転倒事故が起きる原因 ● 段差がある
● 暗い
● 寝た状態から起き上がる際にふらつく
予防方法 ● 小さな段差もなるべくなくす
● ベッドは壁に面する場所に設置する
● ベッドガード(柵)を設置する
● めくれやすいラグやマットは撤去する
● スリッパは滑りにくく脱げにくいルームシューズに変える
● 常夜灯を点ける

高齢者は夜間にお手洗いに行くことが多く、暗い中で廊下に出ようとしてちょっとした段差でつまずいてしまうケースがあります。寝室内や出入り口はスロープなどを活用して、なるべく段差を作らないように工夫をしましょう。また、ベッドから転倒する可能性を考えて、高齢者の使うベッドは高さの低いものを選ぶのがおすすめです。

庭と駐車スペース

転倒事故が起きる原因 ● ガーデニングの作業
● 地面にある障害物でつまずく
● 狭い場所での車の乗り降り
● 暗い
予防方法
● 庭木は手入れが簡単なものにする
● 段差が少なく歩きやすい庭にする
● 照明を設置

ガーデニングを楽しむことは、運動不足の解消や認知症の予防に効果があると言われています。しかし、段差のある場所での作業や脚立を使った庭木の手入れは、転倒の危険性が伴うので注意しましょう。また、庭や駐車場は室内よりも照明が少なく、夜間は暗くなるので、人感センサーの照明を設置するなど、なるべく明るくすると安心です。

玄関や勝手口

転倒事故が起きる原因 ● 段差がある
● 靴の脱ぎ履きで片足立ちになる
● 雨などで濡れていることがある
予防方法 ● 手すりを設置
● 靴の脱ぎ履きをするための椅子を設置
● 滑りにくいマットを選ぶ

玄関や勝手口の転倒を予防するには、なるべく安定した体勢で靴の脱ぎ履きができるようにすることが大切です。玄関のたたきと玄関ホールの境目の「上がりかまち」が高い場合には、踏み台を設置して段差を少なくするとよいでしょう。

廊下

転倒事故が起きる原因 ● 床に置いてある荷物でつまずく
● 足元が暗い
● 滑る
予防方法 ● 廊下に荷物を置かない
● 足元を明るくする照明を設置
● スリッパや靴下は滑りにくいものを選ぶ
● 手すりを設置

高齢になると視界が狭くなるので、廊下に置いてある荷物に気付かずにつまずいて転倒してしまうことがあります。廊下にはなるべく荷物を置かず、靴の脱ぎ履きなどがしやすいように広さを確保します。また、足元がよく見えるように照明を活用し、高齢者の転倒を予防しましょう。

階段

転倒事故が起きる原因 ● 滑りやすい
● 足元が暗い
予防方法
● 手すりを設置
● 照明を設置
● 滑り止めを設置

階段の上り下りは膝腰への負担が大きく、高齢者にとって大変な運動です。足が思うように上がらなかったり、ふらついたりすることもあるので、転倒の危険性が高い場所と言えます。暗くて滑りやすい階段は転倒しやすいので、照明や滑り止めを設置して対策をしましょう。

まとめ

高齢者の転倒は、大きなケガや最悪の場合には寝たきりにつながるリスクがあります。転倒事故は住み慣れた自宅の中で発生しやすいので、事前に対策・予防しておきましょう。ご自宅での対策が難しければ、アクティブなシニア世代が安心して暮らせる住宅としておすすめなのが、60歳からの安心・安全な賃貸住宅ヘーベルVillage(ヴィレッジ)です。ヘーベルVillage(ヴィレッジ)には、高齢者の安全を第一に考えたバリアフリー設計と、日々の暮らしを支えるサポート体制が整っています。

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