コラムCOLUMN

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が抱える問題点とは?対策についても紹介

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が抱える問題点とは?対策についても紹介

サービス付き高齢者向け住宅は、のびのびと安心して暮らせる施設として元気な高齢者に人気があります。その一方で、利用するにあたっての問題点も抱えているため、入居する際には注意が必要です。今回は、サービス付き高齢者向け住宅の問題点について紹介します。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の問題点とは

高齢者の暮らしを支える施設として需要のあるサービス付き高齢者向け住宅ですが、メリットだけでなく問題点も抱えています。

囲い込みの実施

囲い込みを行って、不当な請求をしているサービス付き高齢者向け住宅が問題視されています。サービス付き高齢者向け住宅での囲い込みとは、入居者が利用する必要がない介護サービスを過剰に契約させ、不当に介護報酬を得ていることです。

介護保険は介護度によって支給される金額に決まりがあります。そのため、限度額以上のサービス利用料は入居者負担となってしまいます。このことについて、行政も細かく把握できていないのが現状です。

必要のない介護サービスを契約させられたり、利用者が望まないのに押し付けられたりなど、過去に被害がないか、利用する前に確認しておきましょう。

利益重視の施設増加

サービス付き高齢者向け住宅情報提供システムのサイトによると、サービス付き高齢者向け住宅の登録状況を見ると、2011年には全国で3,448戸のみでしたが、2022年7月には277,091戸にまで増設されています。

一見、利用者の選択肢が増えたようにも感じますが、実際は補助金欲しさに施設を建築している業者もあり、中身がともなっていない施設が増えてしまっているのが現状です。

そこで利益重視の施設を抑制するために2016年1月から補助金を申請する際には、立地する市町村の同意を義務付ける取り組みを行う自治体も増えています。居住前には、安心して生活できるサービスが提供されているのか確認しておきましょう。

出典:一般社団法人 高齢者住宅協会 サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム「サービス付き高齢者向け住宅の登録状況(R4.9末時点)

認知症患者の増加

サービス付き高齢者向け住宅の入居者に、認知症の患者が増えているのも問題点の一つです。基本的にサービス付き高齢者向け住宅は、自立した高齢者の利用を目的としているため、介護サービスや認知症に関するケアサービスが備わっていません。あくまで生活相談と安否確認を行う施設です。

そのため、認知症患者は満足できるサービスが受けられず、不便な生活を強いられる可能性があるでしょう。

さらに、認知症患者と認知症ではない高齢者が共存しなければならず、トラブルにつながるリスクが高くなる点も課題です。

中には認知症患者に対応した施設もありますが、すべての施設が対応している訳ではありません。

必要なサービスが受けられるとは限らない

サービス付き高齢者向け住宅には一般型と介護型がありますが、一般型の場合は介護度が上がった人に必要な介護サービスの提供がされにくいです。入居時に健康でもその後介護度が上がってしまうと、サポート内容が不足し、日常生活が過ごしにくい、最悪の場合には事故につながる恐れもあるでしょう。

サービスの自由度の低さ

自由度の高さがサービス付き高齢者向け住宅の魅力の一つですが、中にはサービスの自由度が低い施設もあります。例えば、居室にトイレや風呂が付いていない施設では、共同設備を交代で利用しなければなりません。利用時間に制限がある場合もあり、実際には「思ったより自分のペースで暮らせない」という声もあります。

本来は個人に合わせた生活の提供が魅力の施設にもかかわらず、自由とはかけ離れた生活を強いられる点は問題と言えるでしょう。居室にトイレや風呂が付いていない施設の場合は、あらかじめ利用方法を聞いておくと安心です。

問題点を解決するための対策について

続いて、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の問題点を解決するためにできる対策を、入居前と入居後に分けてご紹介します。

サービス付き高齢者向け住宅に入居する前の対策

<グループホームを利用する>

認知症高齢者の場合は、サービス付き高齢者向け住宅への入居よりもグループホームの利用がおすすめです。

サービス付き高齢者向け住宅では基本的に介護サービスを提供していないので、予期せぬトラブルや事故が起きてしまう可能性もあります。一方、グループホームは認知症高齢者を対象にした少人数の介護施設なので、メンバーや介護スタッフとなじみの関係を築いて安全で充実した生活を送りやすいでしょう。

<行動規範遵守宣言確認書を取得している施設を選ぶ>

行動規範遵守宣言確認書とは、サービス付き高齢者向け住宅を運営する事業者が守るべき行動規範を、一般社団法人高齢者住宅協会が認めた際に発行される証明書です。

発行された行動規範遵守宣言確認書には、一部の不適切な運営を行う事業者などに改善を促していく目的があるため、取得している施設のほうが安心して入居できるでしょう。

<他の選択肢も視野に入れる>

入居後のことを想定して、サービス付き高齢者向け住宅以外の選択肢も考えておきましょう。生活を始めてみると合わなかったり、介護度が上がったりする可能性もあります。特に、介護度が上がったときに対応できるよう、必要なサービスが受けられる有料老人ホームやグループホームの検討がおすすめです。

サービス付き高齢者向け住宅に入居した後の対策

<他の介護サービスを組み合わせる>

サービス付き高齢者向け住宅に入居した後は、現在の状態に合わせて必要な介護サービスを組み合わせましょう。ある程度であればサービス付き高齢者向け住宅でも受けられるサービスはありますが、介護度が上がると不足する場合もあります。外部のデイケアや生活支援などの介護サービスを利用し、快適に暮らせる工夫を考えましょう。

<家族と協力する>

外部の介護サービスを頻繁に利用すると、その分費用はかかります。なるべく費用を抑えて快適に暮らすためには、家族の協力も必要でしょう。ただし、家族だけでサポートしようと思うと体力や精神的な負担が増えるので、外部の介護サービスを利用しながら、できる範囲でサポートすることが大切です。

行政による対策はある?

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が抱える問題には、行政も対策を講じています。

厚生労働省と国土交通省から通知された「高齢者居住安定確保計画」では、サービス付き高齢者向け住宅の登録を認める際の基準を以下のように示しています。

  • 入居者に必要な在宅介護のサービスを提供できる事業所が、施設の近隣にあること
  • 地域のサービス情報を網羅的に広く紹介し、事業所を限定しないこと

行政も監視を強化していますが、実際にサービスを利用する利用者と家族がしっかりと施設を確認し、見極める姿勢が大切です。

まとめ

近年人気のサービス付き高齢者向け住宅ですが、施設数が多くて入居がしやすいメリットがある一方で、さまざまな問題点も抱えています。入居する前には、提供されているサービスと利用者が必要としているサポート内容が合っているか、入居後の介護度が上がった場合の選択肢も考えるなどの対応をしておきましょう。

より豊かなシニアライフを送りたいと考えている人は、高齢者向け賃貸住宅の運営管理実績が15年以上ある「ヘーベルVillage(ヴィレッジ)」にご相談ください。

施設ではなく、自宅より安心・安全な住まい

へーベルVillageをもっと知る

関連記事

TOPへ戻る

お電話でのご質問・お問い合わせは(フリーダイヤル)

9:00~18:00 定休:水/日/祝日

旭化成ホームズ株式会社 シニア事業推進部
〒101-8101 東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング
国土交通大臣(12)第2739号
(公社)首都圏不動産公正取引協議会加盟 (一社)不動産流通経営協会会員

お電話でのご質問・
お問い合わせ


0120-998-9450120-998-945

9:00~18:00 定休:水/日/祝日

旭化成ホームズ株式会社 シニア事業推進部
〒101-8101 東京都千代田区神田神保町1-105
神保町三井ビルディング
国土交通大臣(12)第2739号
(公社)首都圏不動産公正取引協議会加盟
(一社)不動産流通経営協会会員

資料請求・お問い合わせ資料請求・お問い合わせ

その他のお問い合わせその他のお問い合わせ