サ高住は年金だけで足りる?費用の詳細を紹介

サ高住への入居を検討している方の中には、サ高住の入居にかかる費用を年金で補えるか気になっている方も多いと思います。足りない場合は計画を見直す必要があるため、いくら費用がかかるのか事前に把握しておくことが大切です。
この記事では、サ高住は年金だけで足りるのか、サ高住にかかる費用、費用が厳しい場合の対処法などについて解説します。
サ高住は年金だけでは足りない
受け取れる年金は人によって異なるため、一概に年金だけでサ高住の入居費用を補えるか言い切れません。
しかし、年金の平均値から考えると、ほとんどの方はサ高住の入居費用を年金だけで補うのは厳しいのが現状です。
どのくらい年金が不足するか、厚生年金と年金の場合、国民年金のみの場合の2パターンで見ていきましょう。
厚生年金と国民年金の場合
国土交通省年金局が令和4年12月に公表している「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和3年度の平均受給額は145,665円です。
サ高住に入居する際の月額費用は、自立から要支援の方を対象とする一般型のサ高住でも10万円以上かかります。月額費用が年金受給額の範囲内であれば年金だけで補えますが、近くにそのような施設があるとは限りません。
また、設定の低い施設は入居希望者が多く、入居できない可能性が高いです。
介護が必要な介護型サ高住は、一般型のサ高住よりも月額費用が高く設定されているため、年金だけでは月額費用を補うことがほぼ不可能と言えるでしょう。
国民年金のみの場合
国土交通省年金局が令和4年12月に公表している「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和3年度の平均受給額は56,479円です。
会社員や公務員などは、厚生年金と国民年金の両方を受給できます。
しかし、個人事業主や厚生年金を納めたことがない方は、国民年金のみの受給となるため、両方を受給できる方と比べて受給額は少なくなります。
厚生年金と国民年金の両方を受給できる方の場合、一般型であれば年金のみで月額費用を補える可能性がありましたが、国民年金のみではほぼ不可能です。サ高住に入居するには、貯蓄や家族のサポートが必須と言えるでしょう。
サ高住にかかる費用の詳細
サ高住の入居の際にかかる費用は、施設や人によって異なります。そのため、資金が不足して困らないようにするためにも、サ高住の入居の際にどのような費用が発生するのか事前に把握しておくことが大切です。
サ高住にかかる費用の詳細には、以下の4つが挙げられます。
・初期費用
・月額費用
・介護サービス費用
・その他費用
初期費用
初期費用とは、入居時にかかる敷金や入居一時金などです。敷金は一般的な賃貸住宅と同様、保証金の意味合いを持ちます。一般型・介護型どちらに入居する場合でも、敷金は基本的に発生します。敷金は賃料の2~3か月分が相場で、おおよその相場は以下の通りです。
・一般型:15~30万円程度
・介護型:15~50万円程度
入居一時金とは、終身利用する権利を取得するためにかかる費用です。入居一時金の一部を月額費用として償却し、実際に支払う月額費用を抑えます。介護型の一部の施設で発生し、相場は数十万円~数千万円と幅があります。
月額費用
月額費用とは、サ高住に入居した場合に毎月かかる費用です。月額費用には、以下のような費用が含まれます。
・賃料
・管理費
・共益費
・水道光熱費
・生活支援サービス費
・レクリエーション費
月額費用のおおよその相場は以下の通りです。
・一般型:10~25万円程度
・介護型:15~40万円程度
上記はあくまでもおおよその相場です。各施設で生活支援サービスやレクリエーションの内容が異なるため、事前にどのくらいの費用がかかるか確認しておきましょう。
介護サービス費用
介護サービス利用料とは、介護サービスを受ける場合に発生する費用です。介護サービスの利用料は、介護度と負担割合によって異なります。おおよその介護サービス利用料の相場は以下の通りです。
介護度 |
利用限度額 |
自己負担額(1割の場合) |
要支援1 |
50,320円 |
5,032円 |
要支援2 |
105,310円 |
10,531円 |
要介護1 |
167,650円 |
16,765円 |
要介護2 |
197,050円 |
19,705円 |
要介護3 |
270,480円 |
27,048円 |
要介護4 |
309,380円 |
30,938円 |
要介護5 |
362,170円 |
36,217円 |
出典:厚生労働省「介護保険の解説 サービスにかかる利用料」
一定額以上の所得がある場合は、負担割合が2または3割になります。
その他費用
その他費用として、食費や日用品の購入費などがあります。ほとんどのサ高住では、食事の提供が行われているため、サ高住に入居する際はほとんど発生する費用です。
日用品には、個人で消費・消耗するもののほか、おむつなどの介護用品などが挙げられます。人によってかかる費用は異なります。
費用が厳しい場合の対処法
サ高住の入居費用を年金だけで補うのは厳しく、サ高住への入居を諦めている方も多いと思います。
しかし、以下のいずれかの対処法を選択すれば、費用が厳しい場合でもサ高住に入居できる可能性があります。
・利用料の安いサ高住を選択する
・生活保護を申請する
・介護保険を申請する
利用料の安いサ高住を選択する
サ高住の月額費用は施設によって異なります。都市部のサ高住は運営にかかる費用が高く、郊外のサ高住と比べて月額費用が高めに設定されているのが一般的です。そのため、費用を抑えたいのであれば、都市部よりも郊外の施設を選択したほうが良いでしょう。
また、駅から近く、築年数の新しい施設であるほど、月額費用が高く設定されていることが多いです。そのため、費用を抑えたい場合には、駅から少し遠く、築年数の経過した施設を探してみるのも選択肢の1つと言えるでしょう。
介護保険を申請する
65歳以上で介護保険を申請して、要支援または要介護の認定を受けている方は、費用負担を軽減できます。介護保険を利用するには、まずは介護認定を受けなくてはなりません。
介護認定のレベルと所得によって、自己負担の割合が変わります。介護認定のレベルが高く、所得が少ない方は、自己負担を大幅に抑えながらサ高住に入居できるでしょう。
訪問介護を選択する
上記3つはサ高住に入居するための対処法でしたが、サ高住にこだわりがないのであれば訪問介護も選択肢の1つです。
訪問介護とは、本人や家族のサポートだけでは日常生活が困難になった場合、介護福祉士やホームヘルパーなどにサポートしてもらうサービスです。
サ高住に入居する場合は、月額費用に部屋の賃料が含まれるので高額になります。
しかし、訪問介護であれば賃料分の費用を省けます。そのため、費用を抑えながら必要なサービスを受けられるでしょう。
まとめ
加齢とともに老後の生活に不安を抱き、サ高住への入居を検討している方も増えています。サ高住に入居する場合に注意しなくてはならないのが月額費用です。
老後は主な収入源が年金収入だけになる方が多く、年金だけでは月額費用を補うのはほぼ不可能です。
十分な貯蓄がある場合は問題ありませんが、家族のサポートが必要になる場合もあるため、費用がいくらかかるのか把握してから入居を決めましょう。
ヘーベルVillageはシニア向け安心賃貸住宅を提供しています。駆けつけサービス、健康や暮らしをサポートする相談サービス、看護師による健康相談、医療機関の紹介サービスなどサポートが充実しています。
自立しながら安心した老後を暮らしたいという方は、旭化成ホームズのヘーベルVillageにご相談ください。