看護小規模多機能型居宅介護とは?特徴とメリット・デメリットを解説

介護サービスの利用を検討している方の中には、看護小規模多機能型居宅介護とはどんな介護サービスなのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
介護サービスは多種多様で、対象者やサービス内容などが大きく異なるため、事前に違いを把握しておくことが大切です。
この記事では、看護小規模多機能型居宅介護とは何か、メリット・デメリットなどについて解説します。ぜひ参考にしてください。
看護小規模多機能型居宅介護とは?
厚生労働省によると、看護小規模多機能型居宅介護とは、看護(訪問看護)と介護(小規模多機能型居宅介護)を一体的に提供しているサービスのことです。通い、泊まり、訪問(介護・看護)サービスを提供しています。
参照:厚生労働省「看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)について」
具体的に看護小規模多機能型居宅介護はどのような対象者が利用できるのか、利用条件やサービス、費用などを詳しく見ていきましょう。
対象者
看護小規模多機能型居宅介護の利用対象者は、以下の条件に該当する方です。
- ・要介護1~5の認定を受けている方
- ・原則、看護小規模多機能型居宅介護の事業所所在の市町村に居住している方
参照:日本看護協会「看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)」
利用条件
看護小規模多機能型居宅介護は、要介護1以上の方を対象としています。そのため、小規模多機能型居宅介護を利用できていた要支援1~2の方は対象外となるので注意してください。
具体的には、以下のような条件に該当する方であれば利用できます。
- ・退院直後で在宅生活に不安がある方
- ・看取り期または病状不安定期でありながら在宅生活を継続したい方
介護を受ける本人や介護にあたる家族などが、一時的に介護疲れをリフレッシュする目的で利用することも可能です。
サービス
看護小規模多機能型居宅介護で受けられるサービスは以下の4つです。
- ・通い
- ・泊まり
- ・訪問(介護・看護)
「通い」では、食事や入浴、レクリエーション、主治医の指示を受けながら医療ケアやリハビリなどを受けられます。
「泊まり」では、宿泊利用回数に上限はありませんが、1日の宿泊定員が9人以下で、空きがある場合しか利用できません。
訪問(介護)では、利用者の自宅を訪れて、食事や入浴の介助、調理や掃除といった生活支援を行います。訪問(看護)では、医療ケア(相談や指導、服薬管理)、最期を自宅で迎えたい方の看取りにも対応しています。
費用
看護小規模多機能型居宅介護を利用する際の費用は原則1割負担です。しかし、一定以上の所得がある方は、2割または3割負担となるので注意してください。
利用者が負担する1か月あたりの費用(1割負担)の目安は以下の通りです。
要介護度区分 | 同一建物以外に居住の場合 | 同一建物に居住の場合 |
要介護1 | 12,401円 | 11,173円 |
要介護2 | 17,352円 | 15,634円 |
要介護3 | 24,392円 | 21,977円 |
要介護4 | 27,665円 | 24,926円 |
要介護5 | 31,293円 | 28,195円 |
参照:長寿科学振興財団「看護小規模多機能型居宅介護とは」
上記の費用以外にも、食費や宿泊費、光熱費、おむつ代、理美容費などの日常生活費が別途必要です。また、利用する事業所によっては費用加算によって自己負担額が上記とは異なる可能性があるので注意してください。
看護小規模多機能型居宅介護のメリット
看護小規模多機能型居宅介護を利用するメリットとして、以下の4つが挙げられます。
- ・同じ施設のスタッフが対応してくれる
- ・初期費用を抑えられる
- ・少人数なので細かな対応が可能
- ・医療処置も受けられる
それぞれのメリットを詳しく解説していきます。
同じ施設のスタッフが対応してくれる
看護小規模多機能型居宅介護では、通い、泊まり、訪問(介護・看護)の4つのサービスを利用できますが、これらのサービスを提供しているのは1つの事業所です。
利用するサービス内容が変わっても、同じ事業所のスタッフが対応してくれます。そのため、サービス内容が変わっても別の事業所を探す必要がなく、スタッフが変わることに不安を抱かずに済むので安心です。
初期費用を抑えられる
介護サービスの中には高額な初期費用がかかる介護サービスも少なくありません。しかし、看護小規模多機能型居宅介護は月額費用の支払いだけなので、まとまった費用を準備する必要がありません。
また、基本料金にサービス加算費、日常生活費を合算した金額が月額費用となるため、毎月費用がどのくらいかかるのか明確で分かりやすい点もメリットです。
少人数なので細かな対応が可能
看護小規模多機能型居宅介護は利用できる人数が決まっています。登録定員は最大29人と少人数なので、職員の目が届きやすいので安心です。
万が一体調不良になっても利用者の変化に気付きやすく、利用するサービスが変わっても同じスタッフが対応してくれるので、薬の追加や変更、飲み忘れといったトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
医療処置も受けられる
看護小規模多機能型居宅介護では看護師の配置があるため、介護職員が必要に応じて医療処置を行ってくれます。
主治医との連携・指示を受けながらインスリン注射や吸引などを行ってくれるため、自宅で医療ケアを受けたいという希望を叶えることが可能です。
看取りにも対応しているので、最期を自宅で迎えたいという願いも叶えられるでしょう。
看護小規模多機能型居宅介護のデメリット
看護小規模多機能型居宅介護を利用するデメリットとして、以下の2つが挙げられます。
- ・利用可能な人数が制限されている
- ・人間関係を良好に保つ必要がある
それぞれのデメリットについて詳しく説明していきます。
利用可能な人数が制限されている
看護小規模多機能型居宅介護は登録人数だけでなく、利用人数にも制限があります。例えば、通いは1日18人、泊まりは1日9人などです。
通いや泊まりを希望しても、上限に達していて利用できない可能性があるので要注意です。また、看護小規模多機能型居宅介護を利用する際は、担当のケアマネージャーが変わるため、別の事業所の通いや泊まりを利用したいと思っても併用できない点にも注意してください。
人間関係を良好に保つ必要がある
利用人数の多い介護サービスの場合、同じ事業所内で利用者同士やスタッフとの関係に問題が生じた場合、利用時間をずらしたり、スタッフを変えることで問題を解消できる可能性があります。
しかし、利用者が少なく、限られたスタッフしかいない看護小規模多機能型居宅介護では、人間関係に問題が生じると利用の継続が困難になる可能性があるので注意が必要です。
人間関係を良好に保つように努力が求められる点もデメリットでしょう。
まとめ
看護小規模多機能型居宅介護では、通い、泊まり、訪問(介護・看護)の4つのサービスを利用できます。
初期費用を抑えながら充実したサポートを受けられる点が魅力ですが、利用人数に上限が設けられており、希望するサービスを受けられない可能性があるので注意が必要です。
自身の状況に合ったサービスを受けられるのかよく考えてから利用を検討しましょう。
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