住まいの防犯 調査研究報告書

私たちはこれまで、建物の開口部の強化の仕方はもちろん、それぞれの敷地に応じて、住まいをどのように設計するかという「防犯環境設計」の視点で研究を続けています。研究内容の一部をここにご紹介いたします。
ヘーベルハウスを建築いただく方はもちろん、広く研究内容を様々な分野の皆様にご活用いただければ幸いです。

最新の住まいの防犯 調査研究報告書


変化する侵入傾向への対策や、入居者への防犯意識啓発の重要性を確認

2021年「戸建て住宅侵入被害15年間調査 ―変化に対応した防犯対策へ―」
自社で提供した戸建住宅の開口部等の修理記録を元にした、過去15年間の侵入被害についての調査結果をまとめました。
調査では、関東圏や中部圏などで侵入経路傾向の差があること、防犯ガラスの普及によってガラス割りによる窓からの侵入の減少が確認された一方で、侵入の手口がガラス割りからサッシのこじ開けへと変化するなど、これまでの防犯提案の効果や、それに対する犯行手法の変化が確認できました。
さらに、居住者の防犯意識に基づいた行動への啓発が必要なことが分かり、近年の侵入被害に対する建物側での防犯対策設計を含めたヒントも得ることができました。


科学的根拠に基づいた犯罪予防~防犯環境設計について考える~

2016年「戸建住宅侵入被害 10年間調査から今後の防犯対策を考える」
戸建住宅の侵入被害を10年間調査し、被害の推移を分析したものです。当初多かった敷地奥の被害は、ゾーンディフェンス等の見通しを確保し侵入を抑止する外構設計等により減少して来ました。防犯ガラス、シャッター、面格子等の部品の効果も検証されました。一方で中部地方では玄関等の手前を中心に狙う犯罪集団が出現した時期がありましたが、カーポートへの車の侵入防止の工夫や照明を点灯して留守に見せない等の対策で、沈静化してきています。


他の居住者と緩やかに繋がる防犯マンションとは?

2014年「ひとり暮らしの安全・安心~匿名コミュニティによる低層賃貸住宅の防犯」
ストーカー犯罪の不安が高まる中で、一人暮らしの女性は安全上隣人との直接のコミュニケーションを避ける傾向があります。しかし他の居住者に無関心なのではなく、どのような人が住むマンションなのかは逆に関心を集めています。匿名コミュニティとは、直接話しかけたり、名前を知らせたりはせず、互いに挨拶をし、マナー良く暮らし、もしもの時は助け合おうという緩やかな関係の提案です。匿名コミュニティによって、安全・安心な都市生活が満喫できるはずです。
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