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News Letter
2018年9月12日
旭化成ホームズ株式会社

フレイル期の自立高齢者へ生活サポートを試行した研究報告
「総合的な高齢者世帯向け生活支援サービスの意義と可能性」
本人だけでなく家族を含めたケアマネジメントを考える

旭化成ホームズ株式会社の「シニアライフ研究所(所在:東京都新宿区、所長:入澤敦子)」は、フレイル期を迎えた自立高齢者とその家族を対象に様々な生活支援サービスを行い、生活の質(からだ・心・交流)の変化を観察しました。その結果を、報告書「総合的な高齢者世帯向け生活支援サービスの意義と可能性」にまとめましたのでお知らせします。

   急速な高齢化を踏まえて導入された介護保険制度施行(2000年)以降、介護サービスを適切に利用できるよう「ケアマネージャー」がケアプランを立てるなど様々なケアマネジメントが実施されています。また各自治体では高齢者が要介護状態になっても住みなれた地域で自分らしく暮らせることを目指した「地域包括ケアシステム」の構築が進められ、地域住民の窓口となる「地域包括支援センター」も創設されました。
   しかし、介護保険制度の対象となる高齢者(要介護認定者)は一部です。圧倒的に多い「自立高齢者」のなかにも、心身機能に不安を抱え「要支援」に差し掛かろうとしている段階(フレイル)の方も多く、早くから専門的な情報提供や支援が必要といわれます。加えて、現状の介護保険制度によるサービスは介護者本人を対象とした支援です。親の介護のために退職を余儀なくされる「介護離職問題」や、障害を抱えた50代の子を80代の親が世話をするいわゆる「80・50問題」などを背景に、今後は介護保険制度(共助)だけでなく、自助(自己負担サービス)・互助(ボランティア)など多様な支援が一層必要になっていきます。

   今回行った調査は、持家に暮らす自立高齢者で、本人やその家族が何らかの健康不安を抱える60代後半~80代後半のモニター様と、そのご家族が対象者です。「アシストマネージャー」と名付けた相談員が、多岐に渡る情報提供と生活支援サービスの取次ぎを行い、健康状態だけでなく安心感や社会との交流意欲が向上されるかをモニタリングしました。結果、これらのサポート介入が、フレイル期を迎えた高齢者本人とその家族の「生活の質」を維持・向上させることを改めて確認しています。当社では引き続き試行研究を継続し、望まれる豊かなシニアライフの実現に向け住宅メーカーができる支援・事業の在り方を検討してまいります。

▽詳しくは調査報告書をご覧ください(PDFダウンロード)
https://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/kurashi/forum/20180912.pdf

Ⅰ.調査背景

1)健康寿命がテーマの今、「フレイル期」のステージは重要
  2025年には団塊の世代が一斉に後期高齢者となる超高齢社会にあって、「身体的な老化だけでなく、加齢とともに心・からだ・社会性が低下することを”フレイル“と呼ぶ」ことが日本老年医学会によって提唱(2014年)されました。現在75歳以上の高齢者の約7割が介護認定外(自立)です。厚生労働省の「中長期的視点に立った社会保障政策の展開」によると、「フレイル期=要介護状態へ移行する危険性が高くなる時期だが適切な専門的支援により予防や回復が可能な時期」と定義されています。この時期に、専門的な知識やサポートの介入も含めいかに介護予防をするか、その重要性は増しています。



2)高齢者世帯の実態・課題・ニーズを究明し、へーベルハウスオーナーへのサポート体制を検討する
   近年旭化成ホームズでは、自立期の高齢者に早い段階で戸建から住み替えていただくことを目指し、賃貸住宅「へーベルVillage(ヴィレッジ)」の供給に尽力しています。へーベルヴィレッジは、共用部・室内のバリアフリー化のほか、社会福祉士等の相談員による定期訪問サービス、緊急時の駆けつけサービスなどの生活支援サービスを提供していますが、入居者への調査研究から、高齢期を豊かに住まうためにはたとえ離れてくらしていても実子による支えが重要であることが明らかとなっていました。
   しかし、もちろんへーベルハウスに暮らすオーナー様の多くは「できれば元気にへーベルハウスで暮らし続けたい」と望んでおられます。今回の調査の目的は、高齢者の生活実態とニーズの究明と、建築時から「家族全員」の関係性や状況を把握している「住宅メーカー」という存在だからこそ叶えられるサポート・人・ノウハウ・コンテンツのヒントを探ることでした。

Ⅱ.調査概要


Ⅲ.調査結果

   10名の介入研究の結果、生活の質を「からだ」「心」「交流」の3つの視点で総合的にみると、6名で向上の変化が見られ4名で現状維持することができました。元気に見える自立期の高齢者でも、フレイル期に入れば専門家の助けや外部の手助けが必要となることや、家族を含めてくらしに寄り添い見守る「アシストマネージャー」の存在が評価されました。

   そして、家族形態・身体状態の違いによって、求められる生活サポートニーズに違いが見られました。例えば、若くて定期的なサービスの需要は低い「①自立型」の方は、早い段階で外部サービスの利用体験をすることや将来に備えた情報収集は効果が高く、夫が要介護状態の場合など「②夫婦フォロー型」の方には、妻の不安やストレスに寄り添い話し相手となることが望まれました。また、持病のある単身親御様のほかに単身お子様へもサポートがいるなど「④親子フォロー型」の方には、買い物同行サービスや行政の支援制度などを行うことで生活が回り出しました。このように、タイプ別の”生活支援の型“も見出されました。今後この4つのタイプをもとにしたサービスパッケージの可能性も考察できそうです。

   また課題としては、より総合的なのアシストができるサービスや人材育成のあり方を検討することや、要介護者の場合は行政のケアマネジャーなど専門職との連携の在り方などです。引き続き調査研究を進めてまいります。




<ご参考>
■ご参考くらしノベーション研究所HP
https://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/kurashi/index.html/

■シニア向け安心賃貸住宅「へーベルVillage(ヴィレッジ)」HP
http://www.asahi-kasei.co.jp/hebel-senior/index.html/

<本件に関するお問い合わせ先>

〒160-8345 東京都新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビル
旭化成ホームズ株式会社 広報室
(電話)03-3344-7115 (FAX)03-3344-7050 (メール)j-koho@om.asahi-kasei.co.jp

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