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ニュースリリース

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2020.6.5

旭化成ホームズ株式会社
HEBELHAUS

在宅ワークに関するくらしの変化についての調査結果
「家族との時間」が増え、夕食も早まるなど、くらしが変化
~目的やシーンに合わせた空間の設定が、在宅ワークのくらしを豊かに~

旭化成ホームズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川畑 文俊)くらしノベーション研究所は、新型コロナウィルス感染拡大防止に向けた緊急事態宣言発令に伴い急速に普及した、在宅ワークにおけるくらしの現状について調査を行いましたので報告致します。

本調査は、家で仕事をするすべての行為を在宅ワークと定義することで、主なオフィス以外の場所や移動中を含めPCなどを使って仕事するテレワークに限らず、「家で仕事をする」という行為が、住まい方に与える変化や影響を調査したことが特徴です。さらに性別や年代、戸建持ち家か集合賃貸、子がいる世帯か夫婦のみ、親同居など、複数の要素を組み合わせることで、より在宅ワークの実態を浮き彫りにした調査となっています。
   調査の結果、昨年時点では就業者の中で月1回以上在宅ワークをしている方が約3割だったものが、調査時点(4/3-8)では約4割に増加しその頻度も大幅に増加していることが分かりました。調査時点が4/7の7都府県の非常事態宣言の前であることを考えると、この傾向は、より強まったと推測されます。

■調査トピックス

  • ・在宅ワークで増えたのは「子供や家族とのコミュニケーション時間」「自分の自由な時間」「睡眠」
  • ・在宅ワークによる生活時間の変化は、夕食時間が1時間近く早まる。一方で就寝時間に大きな差はなし
  • ・在宅ワークを行う場所は、戸建では個室派5割強、賃貸および戸建で子がいる女性はLD派7割強
  • ・在宅ワークで行う行為は「PC」「電話」「手書き」が上位3位。次いで「資料を広げる」「WEB会議」
     →在宅ワークでも仕事内容により「個人作業」「(人と関わる)会議・電話」に分かれる
  • ・在宅ワークに求めるのは「集中できる環境」「静かな環境」「机周りの広さ」。個室派よりもLD派で多い項目は「家族の気配が分かる」「見守りながら仕事ができる環境」
  • ・在宅ワークの困りごとは「日常生活との切り替えがしにくい」。特に女性では7割にのぼる

これらの実態から、在宅ワークに求められるのは、家族の見守りや、WEB会議等で集中したいときの隔離など、ライフステージや仕事のシーン・目的に応じて多様なスペースが必要であると予想されるため、当社では現在、住まい手のライフスタイルやワークシーンに応じた3タイプの在宅ワーク(SOHO)スペースを提案しています。アフターコロナの時代は、住まいの中で働く選択肢ができ、家事・育児を含めた暮らし方に大きな影響を及ぼす可能性があります。今回の調査では、その暮らしの一端を垣間見ることができましたが、今後も家で働くことと、暮らし・家族の関係に着目・研究をしていくことで、お客様の「いのち・くらし・人生」を支えるLONGLIFEな商品・サービスの提供に努めてまいります。

■調査の背景と目的

我が国におけるくらし方のモデルは、時代と共に変化してきました。戦後昭和の核家族が増えた時代では、夫は日中を職場で過ごし、帰宅後くつろぐ生活を、妻は終日自宅で育児と家事をこなすという専業主婦モデルが主流でした。平成に入り、共働き世帯が専業主婦世帯の割合を超えると、夫婦は共に日中を職場で過ごし、帰宅後の忙しい時間帯をやりくりしながら家事育児を協力してこなす一方で、自宅は日中不在となるために未就学児は保育園に預ける、という平成共働きモデルの割合が急増しました。令和の現在、ワークライフバランスの重要性が認知されるようになったことに加え、本年発生した新型コロナウィルスの世界的感染拡大への対策として、在宅ワークが急速に普及したことにより、これまで通勤先の職場で行っていた仕事を自宅でこなす、いわゆる「職住融合」の暮らし方へと一気に変化を遂げつつあり、家族間の関係や、夜間の過ごし方がどうなっていくかの過渡期にあるといえます。

くらしノベーション研究所はこれまで、二世帯住宅や共働き家族、シニアの暮らしなど、人びとの暮らし方そのものに注目・調査を行うことで、時代のニーズに合った提案をいちはやく提案してまいりました。今回、コロナ禍という世界的危機を受けて急激に普及した在宅ワークという働き方は、コロナ禍終息後も一定数定着が見られると考えられるため、そうした社会環境の変化に対する暮らし方の変化をとらえ、ニーズに合った提案を行うために本調査を実施することと致しました。

■調査の概要

1.調査の目的在宅ワークスペースの現状とくらしの在り方を探る
2.調査時期スクリーニング調査 2020年4月3日~4月8日
本調査4月10日~4月13日(左記に加え4月22日~27日一部設問追加)
3.調査方法WEBアンケート調査
4.調査対象【スクリーニング調査】全国の週7時間以上働いている男女 20歳~69歳 計35,816名
【本調査】上記、在宅ワーク実施者・希望者のうち、回答した計3,808名
持家戸建住宅 1,971名(全国)、賃貸集合住宅 1,837名(※エリア家賃限定)

■主な調査結果

1.増えたのは「家族とのコミュニケーション」「自由な時間」「睡眠」。さらに家事の効率化や防犯・防災上のメリットも。一方で「仕事の時間」が増えたケースも

削減した通勤時間を家族との時間や睡眠に充て、心身共にメリットを感じている様子が伺えます。さらに在宅ワークのメリットを質問したところ、子供や家族と過ごす時間などの「家族時間増」や、仕事合間の好きなタイミングで家事をこなせる「家事並行」のほか、地震・火災時への即時対応・空き巣等のリスクが減るといった「防災防犯」の側面をメリットを感じている実態も浮かび上がりました。一方で仕事については「増えた」「減った」同程度あることから、削減された通勤時間を仕事に充てている実態も伺えます。

2.早くなった夕食時間。一方で就寝時間に大きな差はなし

在宅ワークの普及で大きな変化が伺われたことの一つは夕食(開始)の時間です。共働き家族の割合が増えた平成以降は、終業帰宅後に夕食準備を行う事で夕食時間の開始は遅くなる傾向にありましたが、調査の結果、小学生以下の子がいる世帯では、平均で19時19分と、在宅普及前平均である20時33分より74分も早まっています。

一方で就寝時間については、在宅開始後に若干は早まっているものの、ほぼ変わらないという結果が出ています。そのことから、食事終了後から就寝までに増えた時間を家族とのコミュニケーションに充てたり、個人の自由時間をすごす、あるいは再度仕事を行うなど様々な使い方をしていると推察されます。

3.在宅ワークをする場所は戸建持ち家では「個室派」が5割強。一方で集合賃貸では「LD派」が7割

在宅ワーク場所の調査では、戸建の54%が個室でLD派の41%を上回る一方で、集合賃貸ではLD派が71%と個室派の27%を大幅に上回りました。賃貸は個室数が少ないほどLD派が多く、居住人数や採光条件の影響が考えられます。戸建は4LDK以下では個室数によらずLD派が5割程度おり、子がいる女性に限定すると72%がLD派と、家族のいる空間で仕事をしたい層の存在が分かりました。
   フリーアンサーからは、個室派では生活空間と切り分けた静かな環境や、こもり感など就業環境の充実を満足点とする一方、仕事空間としての整備が不十分な点を不満点としています。LD派は家族とのコミュニケーションや、家事育児との両立、開放的な空間に対して満足を感じている一方、家族に対する影響への心配や、WEB会議が制限されることを不満点として挙げています。


フリーアンサー:在宅ワーク「仕事をする場所として満足に感じていること」

【個室派】 ・仕事場と家族との生活空間が分かれている(女:69歳)
・こもり感が有り、仕事に没頭できる(女:64歳)
・会社と違い静かな環境のため集中して仕事ができる(男:60歳)
【LD派】 ・子供が遊んでる姿を見守りながら仕事出来るので育児と両立できる(女・37歳)
・キッチン、浴室と近いので家事と両立しやすい(女:40歳)
・広々としていて気持ちよく仕事ができる(男:49歳)

フリーアンサー:在宅ワーク「仕事をする場所として不満足と感じていること」

【個室派】 ・子供が昔使っていた部屋で、机にものが色々置いてありスペースが狭く使いにくい(男:66歳)
・WEB会議で部屋の中を見られたくない(男:56歳)
【LD派】 ・家族が休みの時に部屋を占領してしまう罪悪感(男:47歳)
・リビングの一角なので、こどもの在宅時はWEB会議は不可(女:40歳)

4.在宅ワーク空間での行為は個人作業と会議電話の2種類に分けられ、「快適に仕事に集中できる空間」とともに「家族の気配・見守り」も重視される

在宅ワーク空間での行為を分析してみると、個人で行う作業と人と関わる会議電話に大別することができました。共通で使用されるPCの利用は約9割、手書きや資料を広げるなど机が必要な行為も共通して多く見られました。WEB会議は主な職場がオフィスである自宅テレワークに特徴的にみられ、一方で撮影や来客は自宅が職場である自宅メインの居住者に多いという結果となりました。


在宅ワークのシーンで重視するポイントは仕事に集中でき且つ作業スペースが充実していることという結果で、個室派の方がこの傾向が強く見られました。一方で小学生以下の子がいる世帯の半数が家族の気配や見守りも重視しており、LD派の方がその傾向が強かったことから、オフィスとしての充実を図りたい個室派と、家族コミュニケーションを合わせて重視するLD派の2つの志向があると考えられます。
   このような異なる志向に加え、個人作業と会議電話ではワークスペースに求められるものが異なり、多様なワークスペースの提案が求められていることから、ライフステージにより異なる子供の勉強空間ニーズと合わせ、住宅の中で空間を確保していくことが望まれます。

5.在宅ワークを実施しての困りごとは「日常生活との混在」。特に女性では7割にものぼる

職場への通勤生活とくらべ、仕事とプライベートのON-OFFの切り替えが難しいことに比べ、ワークスペースに置いた仕事道具などが日常の生活から見えるなど、急造の在宅スペースで苦労をしたことなども伺え、特に女性の方が日常との切り替えに苦労しているようです。

■在宅ワークスペースの当社提案例

急激に増えつつある在宅ワーク。働く人のライフステージや仕事のシーンによって、求められる在宅ワー クスペースの在り方は多様に変化します。当社は様々な働き方のシーンに合わせ、仕事とプライベートの境界線を自在に変えられる3つのワークスペースのスタイルを提案しています。

Ⅰ.【Private Style】

仕事とプライベートを空間できっちり分け、メリハリのあるくらしを実現するスタイル。書斎のほか、寝室へSOHOコーナーを設けるなど、一部屋丸ごと使わずに集中できるワークスペースを確保

Ⅱ.【Semi Open Style】

忙しい時は集中して、時々家族ともコミュニケーションをとることを意図し、リビングやダイニングの近くにつくる、ゆるやかに仕切るこもり感のある空間を提案

Ⅲ.【Open Style】

広々としたリビングの一角で家族と会話をしたり、気分転換にベランダや屋上でひと息ついて、リラックスしながら仕事に向かう空間を提案



≪ご参考:商品WEBサイト≫
https://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/lp/soho-workspace/index.html/

<本件に関するお問い合わせ先>
〒101‐8101 東京都千代田区神田神保町一丁目105番地
旭化成ホームズ株式会社 広報室
(電話)03-6899-3010 (FAX)03-6899-3400 (メール)j-koho@om.asahi-kasei.co.jp