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2020.7.17

旭化成ホームズ株式会社
HEBELHAUS

二世帯住宅研究所による調査報告書を発刊
「家族の多様化で進む二世帯シェア」
~食事は一緒・くつろぎは別々の自立したくらし~

旭化成ホームズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川畑 文俊)二世帯住宅研究所(所長:松本 吉彦)は、二世帯の家族構成の変化や娘夫婦同居の増加などを背景に、二世帯住宅で増えつつあるキッチン1つを二世帯でシェアするくらし方についての調査報告書を発刊しましたのでお知らせします。

■調査結果トピックス

  • 1.二世帯同居の家族構成で近年増加傾向なのは「娘夫婦同居」「親ひとり」「子世帯ひとり親」
  • 2.食事を一緒にする理由は「コミュニケーション」、別々にする理由は「時間のずれ」
  • 3.キッチン1つの調理スタイルは「協力分担・子集約」、2つでは「差入れ・持寄りあり」が主流
  • 4.LDKが共用の場合は「個室でのくつろぎ」を重視
  • 5.同居の意識はキッチン1つでも「日常は互いに自立し、いざという時に助けあう」

■背景

当社が二世帯住宅を初めて発売した1975年当時は、息子夫婦同居を背景とした嫁姑問題の解決を目的としてキッチンを2つ設け、世帯の空間を分けることに重きをおいていました。
   近年、親世帯は両親から親ひとりへ、また息子夫婦同居より娘夫婦同居が上昇傾向であるなど、この家族構成に大きな変化が見られます。同居することの価値もコミュニケーション重視・協力分担志向へとシフトが起きており、それが今後のトレンドになると推測されます。また保育所問題の鎮静化と、親世帯母の就業増により、共働きの子世帯を在宅の親が支えるという枠組みが変化し、さらに同居のほかに近居がそれぞれの世帯のくらしを分ける選択肢として定着したこともあり、改めて同居のメリットをもう一度探求する必要があると考えられます。それを受け当社は、これまで二世帯住宅の調査対象としてきた「キッチン2つ」に加え、「キッチン1つ」でシェア志向の高い方を調査対象とし、主に調理・食事・くつろぎの3つの行為と、L・D・K・個室の機能分担について明らかにすることとしました。

■調査の概要

  • 1.調査の目的:「キッチン1つ」の二世帯同居メリットを探る
  • 2.調査方法:WEBによるアンケート
  • 3.分析データの対象期間:2018年3月、及び2019年3~4月
  • 4.調査対象数(有効回答数):下記表のとおり / キッチン数分布:下記グラフのとおり

■主な調査結果
1.二世帯同居の家族構成で近年増加傾向なのは「娘夫婦同居」「親ひとり」「子世帯ひとり親」

二世帯住宅居住の家族構成が近年変化しています。妻側の親と同居する「娘夫婦同居」の割合が2000年の29%から2019年の39%へと増加しています。一方で2000年に4割を超えていた「両親+子世帯夫妻+孫」は2019年には3割近くにまで減少。「親ひとり+子世帯夫婦+孫」は、一時減少傾向でしたが近年再び上昇し、2019年には3割を超えました。更に「子世帯ひとり親(シングルマザー・ファザー)も近年増加傾向にあります。増加傾向にある「娘夫婦同居」「親ひとり」「子世帯ひとり親」では、いずれもキッチン1つ※の比率が5割以上と高く、多様化する家族構成の中でキッチン1つでの二世帯住宅のつくり方が重要になってくると考えられます。
※キッチン1つには「キッチン1つ+ミニキッチン」も含む


2.食事を一緒にする理由は「コミュニケーション」、別々にする理由は「時間のずれ」

二世帯同居における食事の仕方を、親世帯と子世帯が「一緒」に食べるスタイルと、「別々」に食べるスタイルに分類しました。それぞれのスタイル別にその理由を分析したところ、一緒に食事をする理由は「コミュニケーション」に関連する回答が多く、別々に食事をする理由は「食事の時間が異なる」ものが多いことが分かりました。

3.キッチン1つの調理スタイルは「協力分担・子集約」、2つでは「差入れ・持寄りあり」が主流

親世帯・子世帯がキッチンをどのように使っているか分類し、調理実態を把握しました。「キッチン1つ」の場合、平日夕食では「協力分担」と、両世帯分を子がまとめて作る「子集約」が共に4割近くと多く「時間ずれ」は少ないですが、平日朝食では「時間ずれ」が4割近くに増え最多となります。「キッチン2つ」の場合でも、平日夕食でのキッチンの共用(シェア)は約2割おり、「世帯別」に調理する人のうち、平日夕食では6割以上が「差入れ・持寄り」をしています。このことから、世帯ごとにキッチンをもっている二世帯同居でも、多くの場合キッチンや料理を「シェア」していることが分かりました。

4.LDKが共用の場合は「個室でのくつろぎ」を重視

どのような場所でくつろいでいるか聞いたところ、「キッチン1つ」の場合は、個室でくつろいでいる割合が多くみられました。これはLDが共用で1つになると他の世帯と離れて個室に移動してくつろぐためと解釈できます。このことから、「キッチン1つ」の場合は、個室にリビングの機能であるくつろぎを想定した設えの必要性が高いと言えます。また、子世帯より親世帯の方が、個室でくつろぐ傾向が強く見られます。

5.同居のスタイルは「日常の協力」から「日常は互いに自立し、いざという時に助けあう」に変化

同居の理由は、両世帯ともに「何かあった時に助け合える」が「育児や家事の協力を考えて」よりも上位であることから、「日常的な育児・家事の協力」よりも「非常時に備えて安心感を得ること」を重視して同居を選択しているといえます。また、同居生活に対する意識では、「経済的に自立」「自分たちのスペースでくつろぐ」「自分たちの生活リズム、価値観で暮らしている」という人が、「キッチン2つ」では8割以上で、「キッチン1つ」でも7割前後となっています。共働きの子世帯を在宅の親世帯が支える、老親を子世帯が扶養するといった既存の同居スタイルではなく、たとえキッチンが1つで食事の場を一緒にしていても、昭和のべったり同居時代とも異なり、それぞれの世帯が自立して暮らし、いざという時にも備える新たな同居スタイルがある事が分かりました。


以上

<本件に関するお問い合わせ先>
〒101‐8101 東京都千代田区神田神保町一丁目105番地
旭化成ホームズ株式会社 広報室
(電話)03-6899-3010 (FAX)03-6899-3400 (メール)j-koho@om.asahi-kasei.co.jp