耐油性に優れるESCR HIPSを実現する新グレード

旭化成は、スチレン溶液粘度 (SV)を高くした新グレードを開発しました。これにより、ゴムの粒子径を大きくし、耐油性に優れるESCR HIPSを製造可能にします。

耐油性に優れるESCR HIPSを実現する新グレード

新グレードで耐油性に優れるESCR HIPSの製造を実現

旭化成の合成ゴムは、スチレン溶液粘度 (SV)を高くした新グレードで、ゴムの粒子径を大きくし、耐油性に優れるESCR HIPSの製造を実現しました。溶液重合によって製造しており、高品質で不純物を抑えています。また、熱安定性向上やゲル化抑制を実現しております。

ESCR HIPS専用のスチレン溶液粘度の高い新グレード

従来のHIPSは耐油性が低く、冷蔵庫の内装(壁面や底面)といった油(バターやマーガリン、サラダ油等)に曝される環境下で使用すると劣化してしまいます。劣化した場合、強度が低下してひび割れや破損が生じてしまう可能性があります。

そこで旭化成は、スチレン溶液粘度を高くした新グレードを開発しました。HIPS中のゴムの粒子径を大きくすることで、耐油性の高いESCR HIPSの製造を実現します。

不純物やゲルが非常に少ない高品質な製品をご提供

一般的に、合成ゴムの品質は不純物やゲルの有無によって左右されます。不純物があると、予期せぬ反応が起こり、物性が安定しなかったり、着色が生じたりします。また、ゲルがあると、狙い通りの物性が得られず、外観が悪くなるなどの問題が発生します。

ESCR HIPS用途で使用される旭化成の低シスポリブタジエンゴムは、溶液重合によって製造されています。そのため、無色で不純物が少なく、スチレンに不溶なゲルが非常に少ない高品質な製品となっており、物性や外観などの問題の発生を抑制することができます。

また、耐コールドフロー性にも優れ、ベールの形状を長期間維持することが可能です。

「熱安定性向上・ゲル化抑制」を実現し、生産性を改善

一般的に合成ゴムは熱に弱く、保管時や輸送時、切断時など熱が長時間加わる場合に、色調の変化やゲル化が生じてしまう可能性があります。

ESCR HIPSに活用される新グレードは、ポリマー設計や製造プロセスを調整し、熱安定性の向上とゲル化の抑制を実現します。これにより、お客様の製品製造における歩留まりを改善して、生産性向上に貢献します。

熱安定性試験 160℃1時間加熱後の色調を比較

熱安定性試験 160℃1時間加熱後の色調を比較

ゲル化試験 150℃1.5時間加熱後、トルエンに溶解・ろ過し、ゲルを染色

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