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二世帯住宅がもたらすメリットとは?
快適に住むために知っておくべき3つの間取りスタイル

お互いのプライベートタイムを充実させつつ、家族の交流を深めて助け合えるメリットを持つ二世帯住宅。かつては“完全同居”が一般的だった二世帯住宅のスタイルは、生活空間を上手くセパレートしながら現代の価値観やライフスタイルに合ったスタイルへと変化しています。

親世帯・子世帯がともに「一緒に暮らして良かった」と思えるように、二世帯住宅の間取りのスタイルや費用相場などをおさえておきましょう。

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親世帯・子世帯ともにメリット|二世帯住宅入居者の実際の声

“同居”という言葉のイメージが先行して、かつては敬遠されがちだった二世帯住宅。
最近では、お互いの生活スタイルを尊重し合えるような間取りなどの工夫により、“現代ならでは”の暮らし方ができると注目度の高い家づくりになっています。
そこで、実際に二世帯住宅で暮らした人の声もふまえつつ、メリットをいくつか紹介しますのでご覧ください。

親世帯が感じるメリット

子供が独立して実家から巣立った後、「夫婦だけ」、もしくは「ひとり暮らし」という暮らし方をする親御さんも多いものですよね。子育てが終わってのんびり自分の時間を楽しめるという考えもできるものの、「静かな空間に寂しさや不安を感じる」という方は多いです。

特に、ひとり暮らしの場合は、「誰とも会話をしない日がある」「料理を作る気力がなくなった」「生活に張り合いがない」というケースもあるかもしれません。

二世帯住宅で暮らしたところ、
・家族が増えて会話が増えた
・やることが増えて、体を動かすようになった
・孫との関わりが生きがいになった
などと、お話くださる方がたくさんいらっしゃいました。

子供夫婦と同居するだけで会話は増えますが、孫が生まると一層賑やかに…。お家のなかは常に家族の気配に包まれ、会話も弾み、皆が笑顔になる暮らしができます。“人と話す・体を動かす”が日常的ですから、認知症予防にもつながるのかもしれませんね。

「子供を預かって」という頼まれごとや、「一緒に買い物に行こう」などと誘われると、忙しいなかにも充実した気持ちが生まれることでしょう。人生が豊かになる暮らし方です。

子世帯が感じるメリット

子育て世帯にとって、家事や育児をサポートしてくれる親の存在はとてもありがたいことです。

・保育園や幼稚園のお迎えを頼める
・安心して子供を任せられる存在がいて良かった
・親からアドバイスをもらえるのも助かる
という子世帯の声も多いです。

特に、子育て世帯の場合、基本的には自分たちで頑張ろうと思いつつも、仕事や家事に追われて心身ともに余裕がなくなることもあるかもしれません。

頑張り過ぎはストレスのもと。そんな気持ちを理解してくれる親の存在があると、安心ですよね。二世帯住宅なら、ときには子供をちょっと預けて自分たちの時間を持つこともできるでしょう。「家族みんなで子供の成長を見守っていける」ことは、大家族だからこそのメリットではないでしょうか。

また、子供たちにとっても、パパやママのほか、おじいちゃん・おばあちゃんまでいる賑やかなお家なら、寂しい気持ちになることがありません。

学校から帰宅したときも、お家で誰かが「おかえり」と待ってくれているのも安心ですね。

適度な距離感を保つことが大事

二世帯住宅は、親世帯・子世帯ともにさまざまなメリットがあります。完全に一緒に暮らす“同居”、近くに暮らす“近居”の中間の暮らし方で、ちょうどよい距離感で暮らせます。

ただ、あくまでも「世帯は別」であることを意識しなければ、せっかくのメリットがデメリットにさえ感じてしまいます。

同じ建物で暮らす家族とは言え、ライフスタイルの異なった人同士の共同生活です。お互いのプライバシーを大事に考えること、干渉し過ぎないことが「快適」につながります。

頼られたときには全力で助け合い、それ以外は自分の時間を楽しむというように、適度な距離感を保ちましょう。

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家族みんなで検討したい、二世帯住宅の”3つのスタイル”

二世帯住宅は、完全に生活スペースを切り離せるスタイルから、完全に同じスペースを共用するスタイルまでさまざまです。それぞれの特徴を比較しながら、一緒に暮らすみんなで検討しましょう。

世帯ごとに完全に分離させた暮らし方「独立二世帯」

独立二世帯は玄関から別々で、完全に別で暮らせるスタイルです。「1階・2階」、もしくは「建物の左側・右側」で、それぞれを「親世帯・子世帯」に分けることができます。リビングやキッチン、浴室などの水回りも各世帯に設置できるので、プライバシーが保たれます。

完全に分けた場合のメリットは、干渉しにくい生活ができるという点でしょう。玄関は別ですから、お互いに来客があったときでも気兼ねなく過ごせます。それに、将来的に使わなくなった住戸部分は賃貸にもできます。

ただ、2世帯分の設備をそれぞれ準備するため、建築費用は高額になりやすいのがデメリットかもしれません。

また、玄関を分けているため、用事があるときに面倒に感じることも。わざわざ玄関に出なくても済むように、屋内側の扉の設置により行き来できるようにするのもおすすめです。

共用部分を設けながらプライベート空間を充実「共用二世帯」

共用二世帯は、「共用する部分」を設けたスタイルです。

玄関だけを共用部分とし、「1階を親世帯・2階を子世帯」というように、完全に世帯ごとにプライベート空間を設けるスタイルも多いです。また、玄関のほか、浴室を1階に設けて共用するスタイルもあります。

玄関を共用にすることで、お互いに顔を合わせやすく、孫も行き来しやすいメリットがあります。

水回りを一緒にすると気を遣うことも多いので、お互いの気配を感じつつも、「プライベート空間は大事にしたい」という考えのときにおすすめの間取りです。

融合しながらサブの空間を設けた「融合二世帯」

二世帯住宅のスタイルのなかでも、完全同居に近い感覚になるのが融合二世帯の間取りです。玄関はもちろん、リビングや水回り、すべてを共用します。

共働き世帯において、「育児の協力をしてもらいたい」というときには向いているスタイルです。それに、共用部分が多いため、建築コストをおさえるメリットもあります。

ただ、常に顔を合わせて生活しなければなりません。キッチンや水回りを共同で使うため、「気を遣って使いにくい」などの不満が出ないように注意も必要です。これについては、プラン次第とも言えます。

親世帯・子世帯のどちらかに、ミニキッチンやミニリビングを設けて“サブ”の空間を作ることで、デメリットに感じる点をカバーすることもできるでしょう。

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二世帯住宅の間取りは家族みんなで慎重に考える

二世帯住宅を実際に建てた人の満足度は、間取り次第と言っても過言ではありません。

先ほどお伝えした3つのスタイルがありますが、家族が多い分、どれを選んでも一般的な住宅よりも広い家になります。家族にとって必要な部分、そうでない部分を明確にしながら、家族みんなが「二世帯にしてよかった」と感じられるように、間取りは慎重に考えましょう。

ポイント1.玄関はどうするか?

まず、考えたいのが玄関です。

玄関を分けた場合、それぞれに玄関や階段、廊下などが設けられるため、それなりにスペースは必要。それに、二世帯住宅とはいえ分離された生活となるでしょう。集合住宅のようなイメージになりますから、お互いに積極的に行き来しなければドライな関係のままです。

玄関を分けずに一緒にすれば空間の節約にもなります。ただ、靴棚も共用となり、大人数分のものを選ばなければ、使い勝手が悪くなるかもしれません。

また、玄関をひとつにしたとき、来客者の対応も考えどころです。「インターホンを1つにするか、その場合どちらの世帯に配置するか」、あるいは「インターホンの子機を用意して両方で対応できるようにするか」なども話し合った方がいいでしょう。

インターネットで買い物する時代ですから、玄関がひとつになることで宅配便が来たときに受け取りやすいのもメリットと言えそうです。

親世帯・子世帯の生活リズムも踏まえつつ、玄関をどうするか考えてみましょう。

ポイント2.水回りの共用はどこまで

玄関を共用した場合は、水回りをどうするかを考えましょう。すべてを2つずつ設ければ、建築コストはかかるかもしれません。ただ、それぞれが好きなタイミングで使えるメリットはあります。

部分共用でお風呂が1つになれば、光熱費が節約できるのはメリットです。しかし、よく耳にするのは「好きな時間にお風呂に入りづらい」という声。家族が増えるほど、お風呂を時間制にしなければならないこともあり、どちらかの生活リズムに影響する可能性もあります。

共用二世帯にする場合は、家族みんなの希望も聞きながら慎重に決めましょう。

ポイント3.月々の支払い・光熱費に関することは事前に明確にしておく

住宅ローンの月々の支払いや光熱費については、費用分担を事前にイメージしておきましょう。

住宅ローンの組み方は、子供だけの収入だけで契約する場合もありますが、借入額によっては親の収入を合算した方が審査に通りやすい場合もあります。いずれにしても、住宅ローンの契約者が“子供”の名前なら、お互いに月々の負担を明確にし、お金のやり取りの方法も考えておくことが必要です。

そのほか、ペアローンやリレーローンなどの住宅ローンの組み方もあります。

光熱費の負担も家づくりの前に考えておきたいことです。

たとえば、玄関を2つにした「独立二世帯」なら、メーターを2つに分けてそれぞれの光熱費を支払うと管理がしやすくなります。

一方、玄関を1つで「共用二世帯」にした場合、メーターを分けずにいると、光熱費の負担が曖昧になるでしょう。

それを避けるには、建築時に「水道・電気」はメーターをそれぞれの世帯に分けてつくることですが、設置費用は2つずつかかってしまいます。

メーターの設置をひとつにするなら、「何対何で光熱費を負担するか」は明らかにしておくべき。「住んでから相談」と光熱費の問題を後回しにすると、言いたいことが言いづらくなるケースもあるでしょう。世帯ごとの「家族の人数」「電気・水回りの使い方」によって使用量が異なるため、不公平感のないようにしたいものです。

また、住んでみてから「メーターを別にすればよかった…」という失敗もあるようです。しかし、後からメーターを分離するのは、手間がかかる上、かなり高額になるので建築時にしっかりと話し合っておくことをおすすめします。

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やっぱり高い!?二世帯住宅の費用はどのくらい?

二世帯住宅と聞いたとき、単純に「2軒分の費用が必要なのでは?」と考える人も多いのではないでしょうか。確かに、家族が多い分、個室も増えて面積も広く、一世帯だけの住宅よりは建築費用はかかります。

暮らす家族の希望によって、
・玄関を共用
・玄関を別々にする
・水回りをそれぞれ2つ付ける
・階段を1つにする
・アウトドアリビングを作る
・エレベーターを作って3階建てに
・ルーフバルコニーを作る
・中間に中庭を設ける
など、間取りのバリエーションはたくさんあるでしょう。

選ぶ間取りによって、二世帯住宅の費用はだいぶ変わります。

しかし、設備を2つずつ設ける場合は、それぞれの設備のグレードを調整することで費用をおさえることもできます。面積や選ぶ設備など、予算に合わせながらのプランも可能です。

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【まとめ】

単独世帯の家づくりと比べると、そもそも広い二世帯住宅が高額と捉えられるのは当然のことかもしれません。

しかし、「単独世帯の家を2軒建てること」と比べれば、二世帯住宅は費用面や手間の面でもメリットがたくさんある方法です。家族みんなの収入を合算しながら家づくりができ、「みんなで建てた家」として一人一人の手間も負担も減らせます。

何より、親世帯と子世帯の交流が深まり、お互いをより大切に思えるようになるメリットがあります。ライフスタイルが多様化した現代では、二世帯で暮らすことの価値を再確認している人も増えています。

二世帯住宅という選択肢を選ぶなら、「一緒に暮らす家族みんなが豊かな人生を送れること」を大事にしたいものですよね。家族で一緒に話し合い、最適な間取りを考えていくのがコツです。

ただ、二世帯住宅は工夫すべき点も多く、依頼する施工会社によっては自分たちの希望が反映できないケースもあります。

二世帯住宅のパイオニアでもあるヘーベルハウスでは、これまでに手掛けた二世帯住宅のお客様の実際の声をもとに新しい提案へとつなげ、それぞれのご家族にあったプランを提案しています。

二世帯住宅の在り方の正解はありません。生活空間を分けたことで繋がることもあれば、共有し合いながら関係を維持できることもあるでしょう。

どんな二世帯住宅をイメージするかは、家族みんなの話し合いから生まれます。ぜひ、未来の住まいに向けて、一緒に語り合ってみてくださいね。

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