【調査結果あり】住む前は「知らなかった」~後悔しない家づくりにつながる温熱性能

人生で最も大きな買い物の一つである「住宅」。皆さまも住んでから後悔しないために、下調べをして、検討を進めているのではないでしょうか。

家づくりで検討することは多岐に渡ります。分かりやすいインテリア、収納などの目に見える空間に意識が向きがちな一方で、家の基本性能については、意識が向かないこともあるのではないでしょうか。
しかし、建築後に簡単に変更することができない基本性能こそ、事前によく調べ、考慮する必要があります。
特に、基本性能の中でも、意外と見落としてしまうのが、室内の温度・湿度等に影響を与える、断熱・気密性能などに代表される「温熱性能」。この温熱性能は、毎日の生活に対する満足度への影響が大きく、建ててから後悔しない家づくりを実現するために不可欠です。

ここでは、温熱性能への知識と住んでからの満足度について、アンケート調査結果をもとに解説します。
後悔しない家づくりをするために、温熱性能と住まいの満足度について学んでいきましょう。

1. アンケート調査から見る温熱環境(暖かさ・涼しさ)と満足度

温熱性能について調べることは、家づくりにどのように寄与するのでしょうか。
アンケート調査をもとに温熱環境と家への満足度の関係を探ります。

1)温熱性能について調べた人は家の満足度が高い

実際に家づくりの時に温熱環境についてご自身で調べた人と調べていない人では、住んだ後の実際の環境に違いがあることが分かっています。
温熱環境について調べた度合いに応じて、「起床時の居間・食堂の室温」と「住まいの温熱環境の満足度」についての比較をご覧ください。

下記のグラフは、起床時の居間・食堂の室温を比較したものです。
調べなかった人に比べて、調べた人の居間・食堂の室温の平均値が約3°C高い結果となり、調べた人ほどあたたかい住まいに暮らしていることが分かりました。

※調べなかった人=「あまり調べなかった+調べなかった」の合計。調べた人=「かなり調べた+調べた」の合計

[冬の「居間・食堂」の起床時の室温]
※住まいを建築する際に温熱環境についてどれくらい調べたのかによる違い


出典:旭化成建材(株)快適空間研究所「住まいの温熱環境の実態と満足度」調査
(2016年1月/男女761名/1都3県/戸建・マンション居住者)の結果より

次に、住まいの温熱環境の満足度についても、住宅検討時に温熱環境について調べた人は、満足している割合が81.1%と高くなっている一方で、調べなかった人の満足度は38.4%となり、調べた人の方が満足する方の比率が高くなっています。

※満足している=「たいへん満足+やや満足」の合計。

[年間を通した家全体の温熱環境(あたたかさ、涼しさ)に対する満足度]
住まいを建築する際に温熱環境についてどれくらい調べたのかによる違い

出典:旭化成建材(株)快適空間研究所「住まいの温熱環境の実態と満足度」調査
(2018年3月/男女1229名/25都道府県/戸建住宅居住者)の結果より

2)温熱性能がいいと心身ともに豊かな生活ができる

家づくりの満足度には様々な要素がありますが、満足度を高めるための因子の1つが「快適な温熱環境」と私たちは考えています。

実際に、「住まいの温熱環境が良ければ家族の気持ちや身体に良い影響がある」に共感する人(当てはまる+やや当てはまる)が全体で68.2%に上り、特に女性では76.9%と高い割合でした。また、「温熱環境が良くなると行動量が増えると思う」も、女性が59.6%と高い割合となっていました。

[温熱環境がよくなると気持ちや体にいい影響がある]

出典:旭化成建材(株)快適空間研究所「住まいの温熱環境の実態と満足度」調査
(2017年3月/男女606名/15都道府県/戸建住宅居住者) の結果より


[住まいの温熱環境がよくなると行動量が増えると思うか]

出典:旭化成建材(株)快適空間研究所「住まいの温熱環境の実態と満足度」調査
(2017年3月/男女606名/15都道府県/戸建住宅居住者) の結果より

2.家づくりと満足度に関する実情

では、実際に満足度のいく家づくりができている方、温熱環境に満足している方はどの程度いるのでしょうか。

1)実際の温熱環境への満足度は低い

住まいの総合的な満足度と年間を通した家全体の温熱環境の満足度を見てみましょう。住まいに総合的に満足している方の割合は「大変満足」「やや満足」を合わせても52.7%と約半分となっております。さらに「温熱環境で「家全体の温熱環境(あたたかさ、涼しさ)」に満足している人の割合は32.6%と、住まいに総合的に満足している人の割合よりも、さらに約20%も低く、大変満足している人は1割にも満たないことがわかっています。

[住まいの総合的な満足度と年間を通した家全体の温熱環境 (あたたかさ、涼しさ)の満足度]

出典:旭化成建材(株)快適空間研究所「住まいの温熱環境の実態と満足度」調査
(2017年3月/男女606名/15都道府県/戸建住宅居住者)の結果より

2)温熱性能について調べた人は、1割だけ

では、なぜ温熱環境のいい家にすることができなかったのでしょうか。

温熱環境についてどの程度調べたかを調査したところ、「かなり調べた・調べた」と回答した人は全体の10.5%、一方で「あまり調べなかった・調べなかった」人は62.4%と大多数の方は温熱環境について調べないで家づくりをしているという結果になりました。
家を購入する時に、断熱・気密・換気などをはじめとする、温熱性能に関する情報をよく調べたという人は、まだ少ないようです。

【現在のお住まいを建築する際に、住宅の温熱環境についての知識・情報はどのくらい調べましたか】

出典:旭化成建材(株)快適空間研究所「住まいの温熱環境の実態と満足度」調査
(2017年3月/男女606名/15都道府県/戸建住宅居住者)の結果より

3)いい家にできなかった理由は「温熱性能を知らなかった」から

実際に住まいの温熱環境に満足していない人(「やや不満」「大変不満」「どちらとも言えない」回答者)に対して、温熱環境のいい家にできなかった、購入しなかった理由を聞きました。
そのうち、築10年以内の30%を超える方が、「温熱環境のいい家について知らなかったから」「重視していなかったから」を温熱環境のいい家にできなかった、購入しなかった理由として上げています。

[温熱環境のいい家にできなかった、 購入しなかった理由〈築年数別〉]

出典:旭化成建材(株)快適空間研究所「住まいの温熱環境の実態と満足度」調査
(2017年3月/男女606名/15都道府県/戸建住宅居住者)の結果より

4)「温熱性能を知らなかった」のは特に20-30代で多い

年代別に見ると、20代、30代でもその割合は比較的高く、「温熱環境のいい家について知らなかったから」がそれぞれ30%を超えています。
この理由としては、初めて家を購入する20~30代の方にとって、目に見えない性能である温熱性能はイメージしづらいためであると推測できます。特に、賃貸マンションに住んだ経験しかない一次取得者(初めて住宅を購入した方)は、温熱性能まで意識が回らないのかもしれません。

[温熱環境のいい家にできなかった理由]

出典:旭化成建材(株)快適空間研究所「住まいの温熱環境の実態と満足度」調査
(2017年3月/男女606名/15都道府県/戸建住宅居住者) の結果より

3.理想の家づくりには、「学習」と「体験」の時間を

温熱性能が高い家では、「暑さ・寒さ」のストレスを感じることなく、快適で健康な毎日を過ごせます。また、快適性と省エネを両立し、環境貢献にもつながります。

ただ、実際に体験してみないと実感が湧かない、イメージがつかないという方もいらっしゃると思います。
Asu-hausでは理想的な温熱環境と、その空間での暮らしを体験できる「体験棟」を2024年6月1日にオープンしました。
各部屋の温度・湿度を温湿度計で見たり、五感で体験したりすることで、高い温熱性能によって生まれたAsu-hausの価値を理解することができます。Asu-hausの性能やデザインによって実現できる快適な暮らしを、ぜひ実際にご体感ください。
下記から体験棟の詳細を確認することが可能です。

まとめ

「温熱環境」について学ぶことが、住んでからも後悔しない、満足度の高い家づくりにつながります。また、実際に体験することで、温熱環境がいい家での暮らしをよりイメージできるでしょう。
家を建てる時に、きちんとした知識や意識があれば、もっと多くの方が温熱環境の良い住まいを選ぶことができ、住まいの暑さや寒さに後悔する人が少なくなっていたのかもしれません。これから家を建てる方は、ぜひ温熱環境、温熱性能をチェック項目にして、優先順位を高くしてみてください。
快適がずっと続くくらしを叶えるために必要な温熱性能について、学んでいきませんか?

温熱環境が心と体の健康への満足や、住宅全般に対する満足度に影響を与えることがわかりました。その「快適な温熱環境」を作るために建物に必要な要素が、「温度」「湿度」「表面温度」「気流速」の4つです。この4つの要素をすべて考慮し適正な数値に近づけることで、快適な環境になるのです。

家づくりの基礎知識や暮らし方のコツなど、役立つ新着情報をメールでおしらせします。
住んでからも後悔しないしあわせが持続する家づくりのために、参考にしていただければ幸いです。

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