温熱性能が決め手に!調査結果から考える理想の在宅ワーク環境

コロナ禍を契機に、一気に加速した在宅ワーク。「令和5年度テレワーク人口実態調査-調査結果(概要)-令和6年3月」(国土交通省)によると、新型コロナ流行前の2019年、自宅その他の場所で働くテレワーカーの割合は首都圏で19.1%でしたが、2021年には42.3%まで上昇しました。その後、コロナ禍が収束に向かうにつれて割合は低下し、2023年には38.1%となりましたが、それでも新型コロナ流行前に比べると高い水準を保っています。

また、2024年の夏には第11波が発生し、在宅ワークを改めて推奨する企業も。感染症流行に備えて、あるいは働き方改革を視野に入れて、自宅で快適に仕事ができる環境づくりを意識しておくことは、やはり大切だと言えそうです。この記事では、2020年~2021年に旭化成建材株式会社 快適空間研究所が実施した調査結果などをもとに、理想の在宅ワーク環境について考えます。

出典:令和5年度テレワーク人口実態調査-調査結果(概要)-(国土交通省調べ)

1.理想の在宅ワーク場所は「個室派」「共有スペース派」に分かれる

「自宅でもオフィスと同等の成果を上げたい」と、多くの在宅ワーカーは考えているかと思いますが、実際、家のどこで仕事をしているのでしょうか。合わせて、家の中のどんなスペースが仕事場として理想であるかも聞きました。

1)実際の仕事場所、男女とも最多は「リビング・ダイニング」

まずは、家のどこで仕事をしているかという質問に対して、最も多かった回答はリビング・ダイニングで54.1%、次に個室の書斎が27.4%でした。

この結果を男女で分けてみると、リビング・ダイニングで仕事をしている男性は46.4%、個室の書斎が32.0%。一方女性はリビング・ダイニングの割合が跳ね上がって75.7%、逆に個室の書斎は減って14.6%となりました。ほぼ4分の3の女性がリビング・ダイニングで仕事をしている背景としては、並行して家事をしやすい、リビング・ダイニングの窓が大きく、日中明るいなどが推測できます。

出典:上記2点とも「在宅勤務経験者の住まいと暮らしの意識・実態」調査結果について【調査報告書】より(2021年6月30日 旭化成建材株式会社)

2)理想の仕事場所は、男性「個室の書斎」女性「リビング・ダイニング」

次に、理想の在宅ワーク場所についても調査。答えは個室の書斎が49.7%、リビング・ダイニングが43.8%となり、「個室スペース派」と「共有スペース派」にほぼ二分されることが分かりました。

男女別に見てみると、男性の54.3%が個室の書斎を理想としているのに対し、女性の59.6%はリビング・ダイニングが理想的と答えています。男性は現実と理想が異なりますが、女性は理想と近い人が多いと言えそうです。

出典:「在宅勤務経験者の住まいと暮らしの意識・実態」調査結果について【調査報告書】より(2021年6月30日 旭化成建材株式会社)

2.「いかにオフィスに近づけるか」が快適な在宅ワークのカギに

在宅ワークの場所に続き、今度は、仕事がはかどると感じる条件や、重視しているポイントを調査しました。

1)仕事がしやすい条件のTOP3は「温度」「明るさ」「湿度」

2020年9月に行った調査によると、在宅ワーク場所の環境で最も大切にしていたの1位は「温度」で63.3%でした。仕事をスムーズに進め、自分のスキルを最大限に発揮するためには、快適な室温に保たれた場所が必要だと考える人が多いようです。2位は「昼間の明るさ」で40.7%。適切な明度が維持されているオフィスに対し、自宅の採光や照明がやや暗いと感じる人が一定数いると考えられます。3番目は「湿度」で33.2%。これらは、仕事を快適に、かつ効率良く進めるための基本的な条件と言えそうです。

出典:「“共働き夫婦 在宅勤務経験者”の住まいと暮らしの意識・実態」調査結果より(2021年6月30日 旭化成建材株式会社)

2)重視するポイントは「集中」「リラックス」「落ち着き」「効率性」

次は働く人のマインドに着目。在宅ワークで重視しているポイントを尋ねたところ、1位が「したいことに集中できる」で41.3%、2位が「リラックスできる」で33.8%、3位が「落ち着きがある」で32.4%、4位が「したいことが効率的・スムーズにできること」で29.6%となりました。いずれも、ビジネスパーソンがオフィスに求める要素であり、自宅においてもできるだけこうした環境を実現したいという考えがうかがえます。

出典:「“共働き夫婦 在宅勤務経験者”の住まいと暮らしの意識・実態」調査結果より(2021年6月30日 旭化成建材株式会社)

3.在宅ワーク環境、満足度アップのカギは「温熱性能」

仕事の場所や働く人のマインドの観点など、さまざまな角度から在宅ワーク環境を検証してきました。ここでは自宅での仕事環境に対する満足度、さらに、その満足度を引き上げるための方法を探ります。

1)在宅ワーク環境はまだ改善の余地あり

ここまでの記事で、在宅ワーク環境に対して、多様な考え方や意見があることを見てきました、では、そもそもどのくらいの割合の人が自宅の仕事環境に満足しているのでしょうか。「効率的に仕事ができる環境」「仕事に集中できる環境」「仕事中にリラックスできる環境」「仕事中にリフレッシュできる環境」などについて聞いたところ、「大変満足」と「満足」を合わせた割合は40%前後となりました。ただし、すべての項目で「大変満足」が10%未満であり、満足度が高いとは言えない状況です。

さらに、すべての項目で「どちらかといえば満足」「不満」「大変不満」と回答した人の割合は合わせて60%前後に達しています。こうした結果から、より満足度の高い在宅ワーク環境をつくるためには、まだ改善の余地があることが推測できます。

出典:「在宅勤務経験者の住まいと暮らしの意識・実態」調査結果について【調査報告書】より(2021年6月30日 旭化成建材株式会社)

2)マイホームの温熱性能の高さが在宅ワークの満足度を引き上げる

さて、ここでもうひとつ興味深い調査結果があります。戸建住宅の住まいの温熱性能別に、在宅ワーク環境に対する満足(「大変満足」「満足」)の割合を比較したところ、温熱性能の高い住まいに住んでいる人の方が、在宅ワーク環境により満足しており、その割合は約60%となりました。温熱性能の高さは、先述した仕事がしやすい条件のTOP3に含まれている「温度」「湿度」に直結するだけに、この調査結果も納得です。エアコンや暖房器具を適切に併用することで、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる温熱性能の高い家なら、在宅ワーク環境の満足度も高いことが分かります。

出典:「在宅勤務経験者の住まいと暮らしの意識・実態」調査結果について【調査報告書】より(2021年6月30日 旭化成建材株式会社)

まとめ

2021年3月、共働き夫婦の在宅ワーク経験者を対象にした調査で、コロナ収束後も週の半分以上を在宅ワークにしたいと答えた割合は76.4%。2020年9月調査時の65.6%を10.8%上回りました。これからのマイホームづくりでは「満足できる在宅ワーク環境」を備えていることも重要な条件と言えそうです。

そこで注目いただきたいのが、前述した在宅ワークの満足度を引き上げる「温熱性能」です。Asu-hausの体験棟では、建物の見学はもちろん、各部屋の快適な温度・湿度などを実際に体験することで、高い温熱性能の重要性と必要性を理解することができます。Asu-hausの性能やデザインによって実現できるしあわせな空間を、ぜひご自身の五感で感じてみてください。

下記から体験棟の詳細をご覧いただけます。

本記事で、温熱性能の高さが快適な在宅ワーク環境をつくる上でも大切な役割を果たすことを学びました。では、高い温熱性能を実現するために必要な条件は何なのでしょうか。以下の関連記事で、温熱性能の高い家を建てる前に知っておくべき情報をチェックしましょう。

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