老人ホームの種類|高齢者の現状と各老人ホームの違いを解説

老人ホームの利用を検討している方の中には、種類が多く、どれを選ぶべきなのか分からず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
老後を安心して暮らすためには、各施設の違いを把握して、自分に合った施設を選ぶことが重要です。
この記事では、高齢者の住まいがどのような現状なのか、老人ホームの種類などについて解説します。老人ホームの種類について詳しく知りたい方は、是非参考にしてください。

高齢者の住まいの現状
高齢化の進行によって人口に占める高齢者の割合が増えていますが、実際にどのくらい増えているのか把握していない方も多いのではないでしょうか。
厚生労働省の「介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについてー住まいとサービスの関係性―」によると、高齢者数の現状は以下のようになっています。
2012年8月 | 2015年 | 2025年 | 2055年 | |
65歳以上高齢者人口(割合) | 3,058万人 (24.0%) |
3,395万人 (26.8%) |
3,657万人 (30.3%) |
3,626万人 (39.4%) |
75歳以上高齢者人口(割合) | 1,511万人 (11.8%) |
1,646万人 (13.0%) |
2,179万人 (18.1%) |
2,401万人 (26.1%) |
65歳以上の高齢者人口は2025年に3,657万人となり、2042年にはピークの3,878万人を迎えると予想されています。また、75歳以上の高齢者人口は年々増加しており、2055年に全人口の25%を超える見込みとなっています。
また、高齢者の住まいの現状としては、9割以上は在宅、要介護の高齢者も約8割が在宅となっています。
しかし、在宅で受けられる介護には限界があるため、今後は老人ホームの利用希望者が増加するでしょう。
老人ホームの選び方とチェックポイント
老人ホームを選ぶ際に重要なのは、費用や立地などの表面的な条件だけではありません。自分の健康状態や生活スタイル、将来的な変化も見据えた検討が必要です。また、施設の雰囲気やスタッフの対応、提供されるサービス内容の質も重要な判断材料となります。
ここからは、自分に合った施設を選ぶために考慮すべき基準や見学時のチェックポイント、契約前に必ず確認しておくべき事項などを解説します。
自分に合った施設を選ぶための基準
老人ホーム選びにおいてまず重視すべきは、自身の「現在の状態」と「将来への備え」のバランスです。身体状況や介護の必要度によって適した施設は異なります。
たとえば、介護が必要な方には「介護付き有料老人ホーム」や「特別養護老人ホーム」が適し、自立した生活が可能な方には「サービス付き高齢者向け住宅」などが選ばれます。有料老人ホームの種類には以下のようなものがあります。
- ・介護付き有料老人ホーム(一般型特定施設入居者生活介護)
- ・介護付き有料老人ホーム(外部サービス利用型特定施設入居者生活介護)
- ・住宅型有料老人ホーム
- ・健康型有料老人ホーム
参照:有料老人ホームの類型
また、日常生活の自由度や趣味活動の充実度なども、生活の満足度に大きく関わります。将来的に要介護度が高まる可能性も見越しつつ、長期的に安心して暮らせるような施設を選びましょう。
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見学時に確認すべきポイント
施設を見学する際には、単に設備や建物の清潔感だけでなく、スタッフの対応や入居者の表情にも注目しましょう。食事の様子やレクリエーション活動の雰囲気などを見学できる施設の場合は、ぜひ参加してみてください。
また、介護職員の配置状況や夜間対応の体制、医療との連携体制といったような安全面や健康管理に関連する情報も欠かせません。パンフレットだけでは分からない「空気感」や「居心地」を体感することが後悔のない施設選びにつながるでしょう。
実際に現場の雰囲気を肌で感じれば、入居後の暮らしをより具体的にイメージできます。納得がいくまで何度も見学し、質問しましょう。
契約前に確認すべき重要事項
契約を締結する際は、契約前に入居契約書の内容を丁寧に読み、費用面や解約条件などを明確にしておかなくてはなりません。特に、初期費用の返還規定や月額費用の内訳、追加費用が発生する可能性があるサービスについては詳細に確認しましょう。
また、入居後の生活に関わる重要事項説明書も併せて確認し、不明点がある場合には必ず質問することが大切です。契約書の内容が複雑で理解できない場合には、家族や専門家と一緒にチェックすると安心でしょう。
不明瞭な点をそのままにしてはいけません。少しでも心配や疑問があれば、その場で確認しましょう。事前にしっかり納得してから契約することがトラブル回避につながります。
【民間】老人ホームの種類

老人ホームは、民間の老人ホームと公的な老人ホームの大きく2つに分類されます。民間の老人ホームは、公的な老人ホームよりも費用負担が大きくなる傾向にあるものの、利用者の幅広いニーズに応えられるように、施設ごとにさまざまなサービスが提供されているのが特徴です。
民間の老人ホームには、以下の4つの種類があります。
- ・介護付き有料老人ホーム
- ・住宅型有料老人ホーム
- ・サービス付き高齢者向け住宅
- ・グループホーム
それぞれの違いについて、詳しく説明していきます。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームとは、必要に応じて介護サービスを提供している老人ホームです。利用者の状況に応じて、以下の3つに分類されます。
- ・介護型
- ・混合型
- ・自立型
介護型は要介護者のみが利用可能で、混合型は自立の方・要介護の方どちらも利用可能です。入居時に自立した生活を送ることができている方を入居対象とする自立型もありますが、他の2つと比較すると施設の数は多くありません。
身体介護や生活援助などの介護保険サービスが定額であるため、予算を立てやすいというメリットが挙げられます。利用時にかかる主な費用は以下の通りです。
- ・入居時にかかる費用:0~1,380万円
- ・月額相場:5~8万円
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームとは、自立生活を送ることができる方から介護を必要とする方まで幅広い利用者を対象としている老人ホームです。
認知機能の低下防止につながる、充実した生活を送ることができるように、各施設でさまざまなイベントやレクリエーションが実施されています。
利用した介護サービスの分だけ費用が上乗せされる仕組みであるため、月々の費用負担を抑えられるでしょう。利用時にかかる主な費用は以下の通りです。
- ・入居時にかかる費用:0~数百万円
- ・月額相場:15~30万円
サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅とは、高齢者が安心して暮らせるようなサポートが充実した高齢者向け住宅です。外出や外泊などが認められているケースが多く、自由度の高い生活を送れるという点が特徴です。
例えば、食事の提供や生活相談、見守り、安否確認といった高齢者が抱える不安を解消するサービスの提供を受けられます。
一般型と介護型の2種類があり、一般型は自立した生活を送ることができる方が対象ですが、介護が必要になった際は外部の事業者が提供する介護サービスを利用できます。介護型は、施設内で担当の介護職員による介護サービスを受けることが可能です。
利用時にかかる主な費用は以下の通りです。
- ・入居時にかかる費用:0~数十万円
- ・月額相場:10~30万円
グループホーム
グループホームとは、認知機能の低下が進んでいる方が専門職員のサポートを受けながら共同生活を送る施設です。認知症の進行を防止するために、入居者同士で洗濯や料理などの役割を分担しながら生活します。
グループホームは、地域密着型の老人ホームです。所在地の住民票を有している方であれば利用できます。利用時にかかる主な費用は以下の通りです。
- ・入居時にかかる費用:0~数十万円
- ・月額相場:15~30万円
【公的】老人ホームの種類

行政機関が管轄する公的な老人ホームは民間の老人ホームよりも費用を抑えられるため、公的な老人ホームの利用を希望する方も多いでしょう。
しかし、公的な老人ホームでは、要介護度の高い方や所得の低い方などを優先する傾向があるため、必ず希望が通るとは限らない点に注意してください。
公的な老人ホームには、以下の4つの種類があります。
- ・ケアハウス
- ・特別養護老人ホーム
- ・介護老人保健施設
- ・介護医療院
それぞれの違いを詳しく解説していきます。
ケアハウス
ケアハウスとは、一人で暮らすことに不安を抱いている方や家族の支援を受けられない方を対象とした高齢者向け住宅です。
ケアハウスは一般型と介護型の2つがあり、一般型は家事や洗濯などの生活支援に関するサービスが受けられます。介護型は生活支援に加えて、介護サービスを受けることが可能です。
入居対象者が60歳以上と幅広く、利用料の安さから入居待ちが多いため、入居できるまで時間を要する可能性が高い点に注意してください。
利用時にかかる主な費用は以下の通りです。
- ・入居時にかかる費用:0~数十万円
- ・月額相場:6~15万円
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームとは、要介護3以上の高齢者を対象とする施設です。要介護度1~2の高齢者の場合でも、自治体の許可があれば入居が認められる可能性があります。
介護保険を利用できるので費用負担を抑えられ、看取りに対応しているので終身利用が可能です。待機者が多く、利用者の緊急性を踏まえて優先順位を決めるため、待っていても他の人が優先される可能性がある点に注意が必要です。
利用時にかかる主な費用は以下の通りです。
- ・入居時にかかる費用:0円
- ・月額相場:10~15万円
介護老人保健施設
介護老人保健施設とは、何らかの原因で入院していた高齢者が退院後すぐ自宅での生活に復帰できない場合に利用できる施設です。
あくまでも自宅での生活に復帰することを目的としているため、入所期間が短く、リハビリメインの高齢者向け住宅です。介護・看護などのサポートに加えて、医師によるサポートを受けられるのが特徴です。
利用時にかかる主な費用は以下の通りです。
- ・入居時にかかる費用:0円
- ・月額相場:9~20万円
介護医療院
介護医療院とは、介護だけでなく、医療の提供が必要な高齢者を対象としている施設です。医師の配置が義務付けられている施設で、他の施設では受け入れが困難とされる喀痰吸引(かくたんきゅういん)・経管栄養(けいかんえいよう)などが必要な方も受け入れています。
看取りにも対応しており、重度の介護が必要な方も十分な医療ケアを受けながら安心した老後の生活を送れるでしょう。
利用時にかかる主な費用は以下の通りです。
- ・入居時にかかる費用:0円
- ・月額相場:8~15万円

老人ホーム入居までの流れ

老人ホームへの入居には、想像以上に多くのステップと準備が必要です。施設によっては入居待ちが発生することもあり、早めの情報収集と行動が必要不可欠です。入居候補の比較・検討から、見学、申し込み、契約、そして入居当日までの流れを把握しておくことで、スムーズかつ安心した入居が実現できるでしょう。
ここでは、各段階で必要となる対応や書類、注意すべき点などを具体的に紹介します。
入居申込みから契約までのステップ
老人ホームへの入居を希望する場合には、まず希望する施設に問い合わせを行い、資料請求や見学を行うのが一般的な流れです。見学後、入居を希望する際は「入居申込書」を提出します。
人気の施設では待機期間が発生することもあるため、複数の施設に並行して申し込む方も少なくありません。入居が決定すると、健康診断書の提出や面談などを経て正式に契約を結びます。
この契約段階で、事前に施設側と十分に話し合い、生活や費用について納得できるまで確認することが大切です。また、契約内容には解約時の対応や返金規定も含まれるため、慎重に確認する必要があります。
必要な書類と手続き
入居手続きでは複数の書類提出が求められます。一般的に、本人確認書類(住民票や健康保険証など)、健康診断書、介護保険証、収入に関する証明書、そして連帯保証人の情報が必要です。
施設によっては、診療情報提供書や医師の意見書などが必要な場合もあります。これらは準備に時間がかかることもあるため、早めに必要書類を確認しておくと安心です。
また、手続きでは家族や福祉専門職の支援を受けながら進めることで、スムーズな進行が可能になります。場合によっては、行政の支援制度や補助金の申請も視野に入れておくと良いでしょう。
入居前の準備と注意点
入居前には、持ち込み可能な家具や私物の確認、引っ越しの準備が必要です。特に、生活必需品や医療用品、服薬スケジュールの管理は事前に施設と相談しておきましょう。
また、家族との連絡手段や面会のルール、緊急時の対応方針なども把握しておくことで、安心して新生活を始められます。
本人の精神的な不安を軽減するために、入居前から施設スタッフとの交流など環境になじむ機会を作ることも重要です。可能であれば入居前に一度短期滞在や体験入居を行い、実際の暮らしを体感しておくことが入居者本人にとって一番理想的です。
老人ホームの費用とその内訳

老人ホームの費用は高いと感じる方も少なくありませんが、内訳を理解することで適切な施設選びがしやすくなります。費用には入居時に必要な初期費用、日々の生活を維持する月額費用があり、それぞれの負担感は施設の種類やサービス内容によって違います。
さらに、追加の費用が発生するケースもあるため、事前に費用構成を把握しておくことが重要です。以下では、費用の種類や含まれるサービス、追加費用の注意点について詳しく解説します。
初期費用と月額費用の違い
老人ホームにかかる費用は大きく分けて初期費用と月額費用に分かれます。
初期費用とは、入居時に一括で支払う費用であり、敷金や入居一時金、施設整備費などが含まれることがあります。0円の施設もありますが、高額な施設では数百万円以上になるケースもあるのでしっかり確認しておきましょう。
一方、月額費用は毎月支払うもので、家賃・食費・共益費・介護費用などが含まれます。入居後も継続して必要なので、無理のない金額かどうかを長期的な視点で検討することが大切です。
費用に含まれるサービス内容
月額費用の中には、住居費・水道光熱費・食費・日常生活支援などの基本的なサービスが含まれていることが多いです。施設によっては、レクリエーション活動や季節行事、健康相談、安否確認などのサービスも標準で提供されています。
介護付きの施設では、身体介護や夜間の見守り、緊急時対応なども含まれるため、内容の充実度によって費用に差が生じます。
施設ごとに提供されるサービス内容は異なるため、どこまでが基本サービスでどこからが有料オプションなのかをしっかり確認しておきましょう。
追加費用が発生するケース
一見リーズナブルに思える施設でも、利用者の状況によって追加費用が発生するケースは珍しくありません。たとえば、オムツ代や理美容代、個別対応の介護サービス、通院時の付き添いや送迎費などは、基本料金に含まれていないことが多く、その都度請求されます。
また、医療機関との連携が必要なケースでは、介護度が進行した場合に必要なサービスが増えることで、費用が想定以上に膨らむこともあります。契約前に追加費用の発生条件や料金表を必ず確認し、予算計画に余裕を持たせることが安心につながるでしょう。
老人ホームの生活と日常
老人ホームの生活は単なる介護の場ではなく、安心と生きがいを感じながら日々を過ごす「もうひとつの住まい」です。入居者が自分らしい生活を送るために、各施設では多彩なプログラムやサポート体制が整えられています。
ここでは老人ホームの1日の流れや活動内容、健康維持の取り組み、家族とのつながりの持ち方などを解説します。
日々のスケジュールと活動内容
一般的に老人ホームでは、入居者の生活リズムを整えるために、朝の起床から就寝までのスケジュールがある程度定められています。朝食・昼食・夕食の時間が決められており、食後には軽い体操やリハビリ、入浴、趣味活動などが組み込まれています。
また、書道、園芸、音楽、手工芸などのレクリエーション活動も用意されており、心身の活性化を図る工夫が豊富です。日中の活動が充実することで、生活にメリハリが生まれ、認知症の予防や精神的な安定につながるでしょう。
食事や健康管理の体制
施設では、栄養バランスと味の両立を図った食事が用意されており、高齢者の嚥下機能やアレルギーなどに配慮されています。管理栄養士が常駐し、季節の食材などを取り入れた行事食も提供されていることが多いです。
また、医師や看護師による定期的な健康チェック、服薬管理、必要に応じた医療機関との連携が行われ、日常的な健康維持が支えられています。体調の変化にいち早く気づけるよう、スタッフによるこまめな見守りも重要な役割を果たしています。
家族との連絡や面会について
家族との連絡や面会などは、入居者にとって大きな安心と心の支えとなります。電話やオンライン面会に対応している施設も多く、離れていてもこまめにコミュニケーションを取ることが可能です。
面会時間や頻度などは施設ごとに異なりますが、感染症対策を講じたうえでの直接面会も再開されつつあります。誕生日や季節行事などに家族が参加できるイベントもあり、絆を深める良い機会となるでしょう。面会の方法やルールなどは施設によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
老人ホームのトラブルと対処法

老人ホームは多くの人が共同で生活するため、入居後に思わぬトラブルが発生することも少なくありません。施設選びでは、サービスの質やスタッフの対応だけでなく、万が一の問題が起きた際の対処法を事前に理解しておくことが非常に重要です。
ここでは、よくあるトラブルの実例と、防ぐためのポイント、実際に問題が起きたときに相談すべき窓口などを解説します。
よくあるトラブル事例
老人ホームで発生しやすいトラブルには、入居者同士の人間関係による衝突、スタッフの対応に対する不満、施設内の衛生や食事内容への不満などがあります。
また、契約内容に関する認識の違いによる金銭的トラブルや、提供されるサービスの質が事前説明と異なるといったケースも少なくありません。
さらに、認知症の入居者が他者に迷惑をかけた、被害を受けるなどの事例もあり、さらに家族がトラブルに気づけないことも問題となります。事前にこうした事例があるかどうかを把握しておくことで入居後の対応がスムーズになるでしょう。
トラブルを未然に防ぐための対策
トラブルを未然に防ぐためには、まず契約前の情報収集および十分な見学が不可欠です。パンフレットだけではわからない施設の雰囲気や職員の対応を実際に確認し、説明された内容と現場の様子が一致しているかチェックしましょう。
また、入居契約書や重要事項説明書の内容を細かく読み、曖昧な点があれば必ず質問して解消することが重要です。
加えて、家族との定期的な連絡や面会を通じて、入居者の変化を見守ることもトラブルの早期発見につながります。定期的に施設側とコミュニケーションを取ることも効果的です。
問題が発生した場合の相談先
万が一トラブルが発生した場合、まずは施設の相談窓口や担当職員に状況を伝えることが基本です。対応に納得できない場合や改善が見られない場合は、地域包括支援センターや市区町村の高齢者福祉課、消費生活センターなどの公的な相談窓口を活用しましょう。
また、第三者機関である介護サービス苦情相談窓口または高齢者虐待防止センターなども相談先として有効です。トラブルを放置せず、速やかに信頼できる機関に相談することで状況の改善や解決につながるでしょう。
老人ホームの最新動向と今後の展望
日本は急速な高齢化社会を迎えており、老人ホームのあり方や役割も時代とともに大きく変化しています。今後ますます多様化する高齢者のニーズに応えるためには、従来の介護機能に加え、予防・生活支援・地域連携といった新たな視点が不可欠です。
ここでは、現在注目されている老人ホームの社会的役割、新しいサービスおよび先進的な取り組み、そして今後の課題とその改善の方向性について考察します。
高齢化社会における老人ホームの役割
現代における老人ホームは、単に介護を受ける場所から生活の質を高める住まいへと進化を遂げています。核家族化が進み、高齢者が孤立しやすくなる中で、老人ホームは見守りや安心の拠点としての役割を果たすようになりました。
また、医療やリハビリとの連携、認知症ケア、看取り支援などを提供することによって、地域包括ケアシステムの中核的存在としての期待も高まっています。
近年では、地域住民との交流や子育て世代との連携を図る施設も増えており、単なる高齢者施設にとどまらず、地域共生社会の場としての機能も担うようになりました。これからの老人ホームには、福祉と生活の両立がより強く求められるでしょう。
新しいサービスや取り組み
老人ホームの中にはICT(情報通信技術)やロボット技術などを活用した介護の効率化が進められています。たとえば、見守りセンサーや自動記録システムを導入によって、スタッフの負担を軽減しつつ、入居者の安全を守る仕組みなどです。
リハビリ型の老人ホームでは、専門職の個別プログラム、バーチャルリアリティ(VR)を活用した認知症予防や回想法も導入され始めています。さらに、外国人介護士の積極的な採用、食の多様性への対応、オンライン面会の常設といった生活面でも新しいサービスが浸透しています。
これらの取り組みは、質の高いケアを維持しながら、自分らしい暮らしを実現できるように支えていく重要な要素といえるでしょう。
今後の課題と改善点
今後の最大の課題として、深刻な人手不足と財政的な持続可能性の確保が挙げられます。介護職員の高齢化や人材流出の状況下で、サービスの質を維持することは不可能です。働きやすい職場環境の整備、待遇の改善、教育体制の強化が急務となっています。
また、介護保険制度の財源問題も大きな懸念材料であり、費用負担の公平性やサービスの標準化を図る必要があります。さらに高齢者のニーズがますます多様化する中、画一的なサービスでは対応しきれません。そのため、より柔軟なケアの提供が求められます。
民間と公的施設の連携強化、地域全体で支える仕組みの構築も必要です。こうした課題に対して、官民が連携して持続可能な介護社会を築くことが今後の課題解決への大きな鍵となります。
まとめ
高齢化の進行で人口に占める高齢者の割合が増えました。老後に不安を抱える方や介護を必要とする方も増えており、さらに老人ホームの需要が高まることが予想されます。
老人ホームの種類は多く、施設によって入居対象者や提供されているサービス、料金設定に違いがあります。自分に合った施設を選ぶためにも、各施設の違いをしっかり把握してから契約しましょう。
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高齢者(シニア)向け賃貸マンションは、適度な生活支援や暮らしの見守りサポートを備えた、元気なシニアのための自立型賃貸住宅です。介護が前提となる施設と異なり、60歳以上の介護を必要としない元気な方を対象としています。バリアフリー構造や緊急時の連絡体制など、入居者の安全・安心を守る設備が整えられていることが魅力です。詳しくは下記記事も参照してください。
→ 老人ホームの費用相場|施設の種類別・都道府県別の料金や内訳について詳しく解説
→ 特別養護老人ホームとは?費用・入居条件・生活のすべてを解説
→ 住宅型有料老人ホームとは?費用やメリット・デメリット、入所条件などを詳しく解説
