血縁のない「元他人」に配慮する工夫がカギ
伝統的に日本の家で親子同居と言えば、長男が家督を相続するのが多かったこともあり、息子夫婦同居が一般的と考えられていました。
しかし二世帯住宅では、80年代でも3割近くは娘夫婦同居でした。息子夫婦同居なら元々の血縁関係にお嫁さんが加わり、娘夫婦同居なら子世帯の主人が加わることになります。その違いで、家づくりの方針も異なってきます。
息子夫婦同居では、社会に向けてのオモテの顔は一つの家とし、家の中の家事空間は、元他人のお嫁さんに配慮して分離する「オモテ融合・家事分離」スタイルに。
逆に娘夫婦同居では、元他人のマスオさん(娘の夫)に配慮し、表札を別々の門に掲げられるような設計とし、家事空間はつなげて元々母娘の交流をしやすくする「オモテ分離・家事融合」というスタイルを提案しています。
後者では、食事空間が共用の場合でもマスオさんの居場所を確保するという配慮も必要になります。