都市の高齢化が始まり、老人ホームなどの施設を増やすのではなく、在宅で介護していく方向が打ち出されてきています。
同居の理由を子世帯へのアンケートでたずねたとき、最も多いのは決まって「親の老後を考えて」です。しかし、昔と違って同居の子世帯だけが親世帯を介護するのではありません。
二世帯住宅でお話を伺うと、子世帯は介護保険のサービスを活用し、デイケアセンター等の施設と連携しながら、介護をうまくマネージメントしています。
これからの二世帯住宅には在宅介護への配慮が求められているのです。
加齢配慮・4つの移動ルートを確保する
加齢配慮の提案として、介護期の寝室を中心とした4つの移動ルートの確保を提案しています。
その4つとは、①トイレ、②リビング、③道路、④庭です。
①自立ルート 一人でトイレに行ける トイレに一人で行けるのは自立の基本です。できれば車椅子になっても自分で行けるように、寝室に専用のトイレがあるのが理想です。 |
②リビングルート 家族との交流 家族との交流を積極的にはかるために、寝室からリビングへの移動は重要です。 |
③お出かけルート道路への移動・デイサービスとの連携 デイサービスなどを利用するとき、送迎の車までスムーズに行けない点が問題となることがあります。家の中の段差はなくせても、道路とは必ず段差があるからです。その段差をどのように通過するかが、配慮が必要なポイントです。 |
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④ガーデンルート 庭・ベランダへの移動
室内に閉じこもらず自然に触れあう機会をつくることも重要です。
外部のデッキとの段差をなくしたり、フラットなサッシ枠を使うことで、車椅子でも庭に出られるようになります。