「二世帯住宅」40年とこれから

親子間の甘え、干渉に注意。「親しいお隣の人」感覚が同居成功のコツ

7つの原則

1982年、二世帯住宅研究所において、同居している主婦を含めた委員会を12回に渡って行い、「7つの原則」が生まれました。
住宅や社会学の専門家ではなく、実生活から生まれた同居論は時代に左右されない普遍的な重みをもっています。

7つの原則

 

同居の原則1:選択の原則

同居相手が息子夫婦か娘夫婦か、住まいの形態は生活を独立させた“分離系”かそれとも共にする“融合系”かなど、いくつかの選択があります。家庭の状況に合わせてもっともふさわしいかたちを選びましょう。

同居の原則2:相互尊重の原則

親子両世帯を同一の世帯とは考えずに、まったく異なる価値観と文化を持つ別個の世帯と認識することが同居の原点です。お互いのライフスタイルやプライバシーを尊重し合い、相互不干渉を原則とした協力関係を築きましょう。

同居の原則3:自立の原則

両世帯のどちらか一方が他方に依存する親子関係は望ましくありません。お互いの条件が許す限り依存せず、身体的、精神的、経済的にそれぞれの世帯が自立しましょう。

同居の原則4:世帯間ルール確立の原則

両世帯間の家事の役割分担、交流の仕方、連絡方法など独自のルールを確立し、あいまいな関係を続けて不満が蓄積しないように配慮しましょう。

同居の原則5:家族協力の原則

子世帯だけのときは家事に協力的だったご主人が、同居してからは妻と母親まかせになったり、世帯間の問題に無関心になったりすることがあります。独立した世帯だということを前提に、親も子も、
世代、性別に関係なく家族全員の理解と協力関係を築きましょう。

同居の原則6:扶養分担の原則

高齢化した両親を同居している子世帯だけが面倒をみて、他の兄弟姉妹が無関心ということがないように、すべての兄弟姉妹間で公平に分担する工夫をしましょう。親の扶養問題と遺産相続の問題は密接に関係しています。民法に添って、扶養の公平な分担方法を決定してください。

同居の原則7:社会連帯の原則

家族全員が協力しても、介護は高齢者にも介護する家族にも、心身共に大きな負担になります。
しかし、もし親が近所で迷子になったとしても、日頃から地域社会との交流があれば手助けしてもらうことが可能です。地域の介護サービスを十分に活用しつつ、家族からご近所へ地域へと広がる協力関係をつくりましょう。

同居のための配慮とコツ

配慮とコツ1:ライフスタイルの配慮

配慮とコツ1:ライフスタイルの配慮

① 両家それぞれの文化がある

とくに息子夫婦同居の場合、両世帯の主婦が育った環境や生活文化が異なるために問題が生
じることがあります。そのため、新しく家族に加わる人の持つ文化を尊重することが大切で
す。

② 世代によって価値観が違う

親世帯も子世帯も成長してきた時代背景や社会感覚などが異なれば、価値観や美意識、ライ
フスタイルにかなりの開きが生まれます。こうした価値観のずれは育児・男女観・経済観念・
人付き合いなどにも表れるため、お互いの価値観を認めることが必要です。

③ 生活リズムが合わない

働き盛りの子世帯と熟年を迎えた親世帯とでは、生活リズムが異なります。起床・就寝・食
事という1日の基本の生活時間や休日の過ごし方といった1か月単位のスケジュールも世代
によって違ってきます。
また、歳とともに、孫の成長とともに生活リズムは変わっていくことを理解しておく必要が
あります。

入居者の声

配慮とコツ2:人間関係の配慮

配慮とコツ1:ライフスタイルの配慮

① 親子関係と夫婦関係は違う

親子は血でつながっていますが、夫婦は元々他人同士です。親子は共有体験が多いのに比べ、
夫婦は新たに積み上げていかなくてはなりません。このように親子と夫婦の関係はそもそも
違うものと認めることが大切です。

② 親子間の甘えやわがままが危ない

親子間には遠慮がないため、甘えやわがままが無意識のうちに重なって大きなしこりとなる
ことがあります。特に娘夫婦同居の場合は、母と娘がお互いに依存しすぎない配慮が必要で
す。配慮の無い行為が相手を傷つけていることがあるので注意が必要です。

③ 相互の思い違いの積み重なり

息子夫婦同居の子世帯妻、娘夫婦同居の子世帯夫は、血縁関係が無いだけに遠慮が裏目に出
たり、認識不足などで小さな誤解や感情の行き違いが起こることがあります。無意識のうち
にそれが積み重なって不満に感じることがあります。

④ 微妙に食い違うプライバシー

スペース上のプライバシーは間取りの工夫で解決できますが、問題なのは精神面のプライバ
シー確保です。外出時に行先を聞かれたり、良かれと思って掃除したら専用スペースに入ら
れたということがストレスになります。
プライバシーの問題は微妙なのでお互いの感じ方の違いを知ることが大切です。

入居者の声

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