HOME > アパート経営・土地活用の知恵袋 > マンスリーレポート > 市場動向 > 2016年賃貸市場総決算!10大トピックスを振り返る
アパート経営・土地活用の知恵袋
マンスリーレポート 最新情報をレポートします

2016年賃貸市場総決算!10大トピックスを振り返る

市場動向

タグ :

2016年12月20日

2016年賃貸市場総決算!10大トピックスを振り返る

今年はリオ五輪で大いに盛り上がりましたが、国外では英国のEU離脱、トランプ次期大統領の当選など世界経済を揺るがす出来事もありました。国内ではマイナス金利導入をはじめ、消費税10%引き上げ延期などアパート経営や土地活用にも影響する大きな経済環境の変化がありました。今年、賃貸市場で話題となった10のトピックスを振り返りたいと思います。

2016年賃貸市場10大トピックス
 1-マイナンバー制度スタート 〜資産透明化の時代へ〜
 2-地価上昇トレンドに! 〜訪日外国人、東京五輪、リニア、マイナス金利〜
 3-賃貸市場はエリアによりまだら模様 〜家賃動向と入居率〜
 4-コミュニティ賃貸が人気 〜猫ブームでペット物件に注目〜
 5-民泊2泊3日解禁 〜業界最注目、民泊はどうなる〜
 6-熊本地震発生 〜建物の耐震・耐火性能に対する関心が再び高まる〜
 7-空き家問題 〜相続で実家が空き家になったら?〜
 8-老老相続問題 〜相続対策は認知症対策〜
 9-消費税引き上げ延期 〜土地活用・設備投資のタイミング〜
 10-世界経済の不透明感強まる!? 〜低金利はいつまで続く?〜

1-マイナンバー制度スタート 〜資産透明化の時代へ〜

マイナンバーの活用が本格化しています。すでに、不動産管理会社や税理士事務所からマイナンバーの提出を求められたアパート・マンションオーナーも多いと思います。平成28年分の確定申告用紙にはマイナンバー記載の欄が設けられ、本人確認の書類などと一緒に提出することになります。

行政サービスの利便性が高まる一方で懸念されているのが、マイナンバーのセキュリティ問題です。今後、マイナンバーは銀行口座との紐付け、さらには不動産との紐付けも計画されています。つまり、資産が透明化されるということです。もちろん、マイナンバーによる資産の透明化は「公平かつ公正な社会を実現する社会基盤」のためですが、マイナンバーから個人情報が漏洩してしまわないかと、不安に感じている方も多いと思います。

また、相続税や所得税の増税など資産に関する税制は、厳しくなっています。資産透明化時代における今後の資産運用は、これまで以上に計画的で確かなものが求められるでしょう。
マイナンバーに関しては、バックナンバー「マイナンバーと相続対策」でも解説しています。

2-地価上昇トレンドに! 〜訪日外国人、東京五輪、リニア、マイナス金利〜

平成28年1月1日時点の「公示地価」、その公示地価の8割を目安に設定される「路線価」、そして7月1日時点の「基準地価」、いずれも上昇傾向を示しました。特に三大都市圏の上昇率は大きいものがありました。東京都心の地価は、リーマン・ショック前の水準を超え、バブル期に迫るところも出ています。さらに地価上昇トレンドは、地方の中核都市にも広がりを見せました。

地価上昇のキーワードは「訪日外国人」、「東京五輪」、「リニア中央新幹線」、「マイナス金利」です。マイナス金利に関しては、国債の利回り低下などで投資マネーが不動産に向かったといわれ、それも地価上昇の一因となっているようです。

土地オーナーにとっては、地価上昇は資産価値の増大を意味しますので喜ばしいことですが、一方、相続税、固定資産税など税制面では負担が増加することを意味します。今後の動向に注目したいところです。

地価動向については、バックナンバーでも解説しています。
公示地価に関しては、「全用途で8年ぶりの上昇!『平成28年公示地価』
路線価に関しては、「平成28年路線価も全国平均8年ぶりに上昇!
基準地価に関しては、「平成28年『基準地価』、上昇トレンドは地方へ!?
をご覧ください。

3-賃貸市場はエリアによりまだら模様 〜家賃動向と入居率〜

今年の夏ごろ、ある調査会社の調査で相続対策による賃貸住宅建設が急増し空室率が上昇している、との報道がありました。そのデータの整合性はさておき、確かに貸家の着工戸数は持ち家や分譲住宅が伸び悩む中、堅調に伸びています。そうなると、少子化による人口減少で賃貸市場の需給バランスが崩れてしまうのでは、という懸念が広がります。しかし、三大都市圏などの都心部では、人口や世帯数はまだ増加しています。ライフスタイルの多様化から、幅広い年齢層が入居者層として台頭し、市場を賑わせている面もあります。

家賃相場や空室率のデータは、様々な会社・団体が調査し発表していますが、その調査方法は各社各様です。例えばとある不動産ポータルサイトでは、その地域の募集家賃を単純集計し平均化しています。仮に駅前に大型の新築物件の募集があると、一時的に平均家賃は上がる仕組みです。データは数字だけでなく、中身の理解が大切です。

賃貸住宅は個別性が高く、そのエリア内での優位性をいかに保つかがポイントになります。極端にいうと近隣の賃貸住宅より、付加価値の高い競争力のある物件であるかが勝負になります。広いエリアの平均家賃は、あくまで全体傾向を見る際の参考家賃です。平均家賃の変動に、過剰に反応する必要はないと思われます。

ちなみに、公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会が発表している賃貸住宅市場景況感調査「日管協短観」は、実際の賃貸市場動向をつかみやすいデータ集です。その「日管協短観」から今春の繁忙期を含む2015年度下期(2015.10〜2016.3)の入居率データを掲載します。このデータによると入居率は前年同期比で、上昇しています。首都圏のサブリース物件では95.3%と高い水準となっています。

■入居率の推移

「日管協短観」による賃貸市場動向については、バックナンバー「『日管協短観』に見る賃料と賃貸市場動向」で詳しく解説しています。

4-コミュニティ賃貸が人気 〜猫ブームでペット物件に注目〜

「日管協短観」のデータなどを見ると賃貸市場は活況を取り戻しているようですが、着工数の伸びなどから競争が激しくなっているのも事実です。これからのアパート・マンション経営においては、長期にわたって競争力が保てる物件づくりがポイントとなるでしょう。

今、人気を博している賃貸住宅のコンセプトに「コミュニティ」があります。これまでの賃貸住宅ではコミュニティなど形成されないのが当たり前、いやむしろ敬遠されていました。しかし、最近では居心地の良いゆるやかなコミュニティを好む層が増えて来ています。そしてコミュニティという付加価値が加わることで、他の物件にはない大きな競争力が生まれるのです。

例えば、「ペット共生型賃貸住宅」。始めから入居者がペットを飼う前提でプランニングされているので、入居者は他の入居者に対して理解があります。仮に隣の犬が吠えたとしても、同じペット愛好家としての理解があるので、他の入居者に気兼ねなく生活ができます。また、コミュニティを形成するしかけも用意されています。例えばペットのしつけ教室などの開催で、入居者同士は自然と顔見知りになり、ゆるやかなコミュニティが形成されるのです。中には、肩身の狭い思いをしてきた分譲マンションから移り住んでくる人もいるくらいです。
特に今年は、猫がブームとなりペット共生型賃貸住宅が話題になりました。

その他、「子育てコミュニティ賃貸住宅」、「都市で暮らす単身女性のためのあんしん共有賃貸住宅」、「アクティブシニアの生活をサポートするシニア向け安心賃貸住宅」などもコミュニティがコンセプトとなり、キャンセル待ちが出るほどの人気物件となっています。

コミュニティ賃貸住宅についてはバックナンバーでも解説しています。
ペット共生型賃貸住宅については、「猫ブーム到来!? ペット共生型賃貸住宅も人気
子育てコミュニティ賃貸住宅については、「キャンセル待ちが出る、子育てコミュニティ賃貸住宅
女性たちのあんしん共有賃貸住宅については、「設備+"あんしん"で防犯機能を強化する最新賃貸とは?
シニア向け安心賃貸住宅については、「アクティブシニアに人気の賃貸住宅とは?
をご覧ください。

5-民泊2泊3日解禁 〜業界最注目、民泊はどうなる〜

今、賃貸業界で最も注目しているテーマの一つが民泊です。
政府は、2020年に訪日外国人数を4,000万人とする目標を掲げました。しかし、今現在それだけの訪日外国人を受け入れるホテル・旅館等のキャパシティはありません。都心ではホテルの開発ラッシュが続き地価上昇の要因にもなっていますが、それでも東京・大阪を中心に4.4万室が不足するとみずほ総合研究所では推測しています。

そこで、その対策として民泊が注目されているのです。民泊とは、住宅(戸建住宅、共同住宅等)の全部または一部を活用して宿泊サービスを提供することを一般的に指します。そして現在、こうした行為を行うためには、旅館業法に基づく許可または、国家戦略特区として指定された地域で自治体が民泊条例を制定し、その認定を受けることが必要です。国家戦力特区として既に指定を受けたのは東京都大田区、大阪府など一部の限られた場所のみで、物件数はまだわずか。例えば、東京都大田区で26物件(12月1日現在)、大阪府で4物件(12月9日現在)です。
民泊仲介サイトを見るとたくさんの民泊物件が掲載されており、これらは全て旅館業法違反ということになります。時折、摘発のニュースが流れますが数が多すぎて今のところ全てを取り締まるのは無理と見られています。

注目されているのにも係わらず、特区でも民泊が進まない理由の一つが最低宿泊数6泊7日の規制でした。これについては2泊3日に規制が緩和されましたので、今後は物件数も増えることが予想されます。また、特区以外でも民泊ができるように「民泊新法」が2017年に制定される予定です。宿泊日数や年間の営業日数など、規制がどこまで緩和されるのか注目されています。規制緩和の内容によっては、爆発的に増える可能性もあります。

アパート・マンションオーナーとして気を付けたいのは、空き部屋が出たからといって、むやみに民泊ビジネスに参入しないことです。既存の入居者とのトラブルが懸念されるからです。民泊は、管理の面もしっかりと整っていることが必要になるでしょう。

6-熊本地震発生 〜建物の耐震・耐火性能に対する関心が再び高まる〜

今年の4月、熊本地震が発生しました。今回、想定外だったことが2つあります。一つは震度7の地震が2回続けて起こったということです。特に2回目の強い揺れで倒壊した建物も多くありました。もう一つが、今回の地域は地震発生確率が低かったということ。あらためて、地震予測の難しさ、日本は地震の多い国であることを思い知らされました。

南海トラフや首都直下型地震はいつ起きてもおかしくないといわれています。過度に警戒する必要はありませんが、アパート・マンションオーナーにとっては、地震への備えを十分にすることが求められています。建物の耐震性はもちろん、地震保険や日頃の管理も重要な防災対策となります。もし、災害で事故が起きるとオーナーの管理責任が問われることにもなります。

建物の耐震性については、ハウスメーカー等建設会社各社が様々な耐震実験を行っています。今回の地震を機会に、各社の耐震実験の加震回数・震度・地震波の種類など内容を確認して、建物の耐震性能の研究をしてみるのもよいかもしれません。

また都市部で怖いのが、地震による火災です。阪神・淡路大震災での例が今も思い起こされます。東京都心でも木造住宅密集地が点在していますが、同じことが起きる可能性は十分にあります。都市の防災については、この木造住宅密集地の不燃化促進が喫緊の課題となっています。耐震性と同時に燃えない建物であることが、都市の防災上は極めて大切になってくるのです。小池知事が力を入れている東京都の「木密地域不燃化10年プロジェクト」をはじめ、都市部の自治体では木造住宅の建て替えに助成をするなど不燃化対策を進めています。

アパート経営における防災については、バックナンバー「アパート経営の防災と減災ー大地震に備えて」でも解説しています。

7-空き家問題 〜相続で実家が空き家になったら?〜

空き家問題がクローズアップされて久しくなりますが、まだまだ解決には至りません。空き家状態が長期間続くと、防災・防犯上の問題、景観・衛生面などの問題が発生します。
空き家が増える大きな理由は、今と昔でライフスタイルが全く違うことです。つまり、家は戸建てにしろ、マンションにしろ、一世代限りが当たり前。子どもたちは、独立すると新しく住居を構えます。また相続発生時の分割協議がまとまらなかったり、相続人の共有になってしまって相続後の活用方針がまとまらないケースも増えています。これでは、空き家は増える一方です。

実家を空き家にしないためには、相続の発生や老親の施設への入居など将来空き家になることが予想された時点で、いかに実家を活用するかを考えることです。特に都市部では、相続税や固定資産税といった現実的な問題が浮上してきます。売却するか、賃貸にするか、土地活用をするか。いくつかの選択肢があると思いますが、空き家になってから考えるのではなく、家族が元気なうちに対策を講じないと手遅れになってしまうことがありますので、注意が必要です。

空き家問題に関しては、バックナンバー「空き家となった実家は、売却、活用 どちらが良いか?」で専門家による解説をしています。ご参照ください。

8-老老相続問題 〜相続対策は認知症対策〜

日本は2007年に高齢化率が21.5%となり、すでに超高齢社会に入っています。内閣府の高齢者白書によると2014年10月1日現在で、高齢化率は26.0%になりました。
超高齢社会では社会保障をはじめ様々な問題がありますが、相続においても「老老相続」という問題が浮上しています。被相続人が90歳以上だとすると相続する子ども世代は60〜70代です。高齢の子ども世代が資産を相続しても使い道が限られます。できれば早めに30〜40代の子どもに引き継いだほうが、資産は有効に活用され、ひいては日本経済の好転にも寄与するはずです。昨今、税制改正で生前贈与の優遇策がいくつも講じられているのは、それが大きな理由なのです。

そして、もう一つの問題が認知症です。厚生労働省の推計によれば、2025年には認知症患者数は700万人前後に達し、65歳以上の高齢者の約5人に1人を占める見込みです。つまり、親世代はもちろん子ども世代も認知症になっている可能性もあるということです。
認知症になると、その人の持っている資産は保全が優先されるため、事実上凍結され、相続対策はできないということになります。アパート・マンションの引き継ぎもままならないでしょう。
超高齢社会の相続対策は認知症対策も十分に考慮しなければならないということです。その対策として注目されているのが遺言書の作成、そして家族信託です。どれも専門性が高いので、専門家に相談されるのがよいでしょう。また、空き家問題同様、家族が元気なうちに対策に取り組むことが大切です。

老老相続問題については、バックナンバー「老老相続の問題点とは?」でも解説しています。

9-消費税引き上げ延期 〜土地活用・設備投資のタイミング〜

平成29年4月1日に消費税は8%から10%に上がる予定でしたが、日本経済の先行き不透明感が強まり、先送りになりました。この先送りは平成27年10月1日実施の予定を延ばしたことに続き2回目です。次の増税時期は平成31年10月1日です。
アパート・マンション経営においては、家賃は消費税が非課税ですので、あまり影響はないように思われますが、そうともいえません。例えば、修繕や設備投資の費用には消費税がかかりますし、新築の建物には消費税がかかります。これは、元の金額が大きいだけに非常に大きな額です。
例えば、建築費1億円の賃貸住宅を建てる場合、消費税8%なら800万円、消費税10%なら1,000万円で200万円もの差が生じます。

土地活用やリノベーションを行う際、消費増税前に駆け込むには、増税実施の半年前までに契約をしておく必要があります。消費税が5%から8%に上がる前に、このコーナーでも解説をしましたので、バックナンバー「消費税増税でアパート経営はこう変わる」をご覧ください。

10-世界経済の不透明感強まる!? 〜低金利はいつまで続く?〜

英国の国民投票によるEU離脱決定、そしてトランプ氏の米大統領選挙当選については、誰もがまさかと結果を疑ったのではないでしょうか。しかしこの結果を真摯に受け止めるならば両国の人々にとっては必然だったともいえます。行き過ぎたグローバリズムの揺り戻し、難民受け入れによる雇用機会の喪失など、日本人には実感のない理由もあるようです。

どちらも結果が出た瞬間は、世界経済の不透明感が増すと戦々恐々としていました。しかし、英国のEU離脱決定の影響は今のところ限定的です。トランプ次期大統領誕生の影響も、経済が好転すると市場は見ているようで、ニューヨークの株式市場は高値を更新し、円安が進行しました。これを受け日本の株式市場も好転しています。

まだまだ、来年になってみないと状況は分かりませんが、仮に経済が好転すれば長らく続いていた超低金利が大きく上昇するリスクが生じます。このことは、アパート・マンションオーナーにとっては消費税増税よりも大きな負担となる可能性があります。
例えば、1億円を借りて賃貸住宅を建てた場合、金利1.0%で総返済額は1億1,856万円、金利2.5%で1億5,015万円。その差額は3,159万円にも上ります(35年返済、全期間固定金利の場合)。そう考えると、超低金利の今は、土地活用による資産運用の絶好の機会ともいえます。とにかく、世界の変化のスピードは以前よりも増しています。しっかりとタイミングを見計らいたいものです。
低金利と土地活用については、バックナンバー「アパートローンは低金利の今が借り時!」でも解説しています。

アパート経営・相続対策の資料プレゼント

アパート経営・相続対策の資料プレゼント

マンスリーレポートの更新情報をメールで受け取る

セミナー・イベント情報を見る

▲ページトップへ

マンスリーレポートトップへ