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どのくらいの耐熱性?

素材が高温におかれた際にどれだけ機能を保つことが出来るかは、素材を使用する上で非常に重要な項目です。温度が上昇する環境でも安全に使用する為には素材自体に高い「耐熱性」が求められます。サンフォースの原料は元々プラスチックの中でも耐熱性に優れたエンジニアリングプラスチックですので、その特徴を引き継ぎ、従来の発泡プラスチックに比べ優れた耐熱性を持っています。「耐熱性」の指標は幾つかありますが、サンフォースの特徴が分かりやすい指標で、次に説明いたします。

発泡体だけど、高い「耐熱性」

発泡体だけど、高い「耐熱性」

1荷重たわみ温度(HDT:Heat Deflection Temperature)

素材に一定荷重をかけた場合に、一定量のたわみ量に達する温度です。サンフォースを右下図のような両端支持の荷重条件で測定した場合、各倍率で下記の数値になります。短期的加熱条件下での使用の一般的な参考値になります。

荷重たわみ温度 (HDT:Heat Deflection Temperature)

2熱時剛性

温度による、たわみ量の変化です。素材を実使用する上では温度による強度変化は重要な項目です。サンフォースは非晶性樹脂のため、結晶性樹脂に比べガラス転移点が高く、サンフォースは高温条件下でも比較的高い割合で強度を維持します。荷重たわみ温度同様に、高温かつ応力が掛かる使用の参考となります。

熱時剛性

高温側ではありませんが、寒冷地や低温での使用を前提とする場合、低温時の剛性維持も実使用時には重要になります。氷点下に置かれても常温時の剛性から大きく低下することなく、サンフォースはお使い頂けます。

熱時剛性

3加熱寸法収縮率

素材に特に負荷をかけずに、高温条件で発泡体がどの程度収縮や体積変化するかを表しています。サンフォース(7倍発泡品)を100℃下に22hr置いた場合の体積変化は1%以下です。特に応力が掛からずに設置・使用するような場合の参考値となります。

測定法 加熱寸法変化率:JIS K 6767準拠
所定の温度に、22時間加熱を行った後取り出し、標準状態の試験場所に1時間放置し、加熱前後の寸法変化を測定。

加熱寸法収縮率

4長期安定性

長期的に熱が掛かり続けた場合に素材として強度がどの程度変化するかを測定した温度です。経時使用を想定した場合に、どのような変化が予想されるかの指標となります。プラスチックも経年により物性変化を起こしますが、高い温度で使用されるほど、物性保持率も下がります。長期間の使用を前提とした製品や部品を設計される際の参考となります。(物性のページにも記載しております)

サンフォース®7倍成形品 曲げ弾性率
サンフォース<sup>®</sup>7倍成形品 曲げ弾性率