どのくらいの断熱性?
「断熱」とは、物質間での熱移動が行われない事です。素材によって熱を伝える性質に違いがありますが、特に熱を伝えにくい物は「断熱材」として住宅・建造物、電子機器、自動車ほか幅広い用途にその特徴を活かして使用されています。
発泡体だから高い「断熱性」
そもそも熱が伝わるメカニズムには、「伝導」「対流」「輻射」の3要素があります
- 「伝導」
- 物は移動せず物質間で高温から低温側に熱が伝わること。
- 「対流」
- 物が流れて熱量を伝達させること。
- 「輻射」
- 熱エネルギー自体が電磁波として移動すること。
サンフォースは発泡させている分、樹脂の使用量が少ないため樹脂部を伝わる「伝導」が小さく、素材内部に独立型の気泡が空気をホールドしているため気体の流れによる「対流」を防ぎ、その気泡径が非常に小さいため多くの泡膜が内部に存在する事で「輻射」も少なく、これら3要素全てを抑える事で高い断熱性を持たせることが出来ています。
逆に「金属」は「伝熱」しやすく、「水」は「対流」しやすく、「澄んだ大気」などは「輻射」させやすい性質を持ちます。断熱する事は、高温部・熱源または低温環境からの影響を減らしたり、放熱を防ぐことにより一定温度に保温したり熱効率を高めたり、内外での急な温度差をなくすことで結露を防止したり、と様々なメリットに繋がります。
断熱性(伝導)の指標としてよく使用される、熱伝導率(W/m・K)について、さまざまな素材で下記の通り比較します。
素材名 | 熱伝導率
(W/m・K) |
素材名 | 熱伝導率
(W/m・K) |
素材名 | 熱伝導率
(W/m・K) |
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カーボンナノチューブ | 5500 | LCP(液晶ポリマー) | 0.56 | サンフォース®5倍 | 0.041 |
ダイヤモンド | 2000 | FRP(繊維強化プラスチック) | 0.26 | セルロースファイバー | 0.040 |
銅 | 370 | PPS(ポリフェニレンサルファイド) | 0.26 | ロックウール | 0.038 |
アルミニウム | 200 | ポリカーボネート | 0.19 | サンフォース®7倍 | 0.038 |
グラファイト | 120 | ABS | 0.19 | グラスウール32K | 0.036 |
鉄 | 80 | ポリ塩化ビニル | 0.17 | メラミン発泡体 | 0.035 |
炭素銅 | 41 | 合板 | 0.16 | サンフォース®10倍 | 0.034 |
アルミナ | 32 | パーティクルボード | 0.15 | 押出ポリスチレンフォーム(3種) | 0.028 |
ステンレス | 16 | 変性PPE | 0.15 | 硬質ウレタンフォーム(1種1号) | 0.024 |
カーボン繊維強化プラスチック | 4.7 | ポリスチレン | 0.15 | 空気 | 0.022 |
ジルコニア | 3.0 | ひのき | 0.095 | シリカエアロゲル | 0.017 |
コンクリート | 1.6 | すぎ | 0.087 | 二酸化炭素 | 0.015 |
硝子 | 1.0 | コルク | 0.043 | 真空断熱材 | 0.002 |
水 | 0.58 |
<常温での参考値>
金属や樹脂に比べると発泡体は熱伝導率の数値が非常に小さい値になっています。熱伝導率が小さい優れた断熱性能を持っていると言えます。
その中でサンフォースの熱伝導率は一般的な断熱材と同等レベルの熱伝導率ですが、他の断熱素材にはない特徴の「付形性」や「難燃性」と組み合わせて考える事で、「複雑な形状を付与した、難燃断熱シャーシ」のような新しい使い方が可能になります。
また断熱材には、下記のような内容で影響を受けるものも多いですが、
- 水分による性能変化(吸水、加水分解)
- 継時的な断熱ガスの拡散
- 高温使用での形状変化
- 強度不足
耐水性や高温特性に優れたサンフォースであれば、このような影響を受ける事も少なく「安定した断熱性能」でお使い頂けます。