二世帯住宅研究所とは

1980年の設立以来、二世帯の調査研究35年の実績

1.設立趣旨

二世帯住宅研究所所長 松本 吉彦

1975年に発売された最初の二世帯住宅から4年後の1979年、二世帯住宅における住まい方の実態を調査するため、二世帯住宅研究会が設立されます。翌1980年には二世帯住宅研究所に改組され、旭化成の住ソフト研究機関の祖として現在まで活動を継続しています。

当時は大家族の「べったり同居」が核家族へと分かれていく途上の時期であり、都市の既存市街地では宅地が分割され住宅が密集し、一方で郊外にニュータウンが建設され都市が拡大していく時代でした。その中で二世帯住宅は親世帯、子世帯が独立した核家族として敷地を細分化せず一つの建物に住まうという新しい都市住宅の形態の提案でした。

二世帯住宅研究所はこのような二世帯住宅という新しい住宅形態の普及啓蒙活動や、その住まい方の実態調査に基づいた、より進化した二世帯住宅の提案を行うために設立されました。

2.活動内容

最初の「二世帯住宅」カタログ

二世帯住宅研究所の伝統として第一にあげられるのが「生活現場主義」です。机上の発想ではなく、生活者の声を常に聞き、生活者の家で起こっている実態を観察することで、ニーズを発見し、新しい提案へとつなげていくという考え方です。累計5万棟を超える二世帯住宅のストックを中心に家族構成の変遷やプランの分析、アンケート調査や訪問調査といった研究活動を行い、その成果を調査報告書や学会、さらには出版やカタログなどにより発表しています。また研究に基づき、家族や社会の変化を反映した新しい二世帯住宅商品や設計手法の提案を行っています。

3.研究実績

(1)世帯別空間の組合せ方によるタイプ分け

1979年、業界に先駆けて二世帯住宅の空間構成による分類を確立しました。キッチンが2つあるものを二世帯住宅と定義した上で、1階に親世帯、2階に子世帯を設け外階段でアプローチする「外階段型」、2階の子世帯の玄関を1階に設け内階段で上る「内階段型」、親世帯、子世帯を連棟として壁で仕切る「連棟型」両世帯共用の玄関を1階に設け、1階を親世帯、2階を子世帯とする「共用型」の4つの基本型を提案したもので、これは現在も二世帯住宅の分類として広く使われています。

独立二世帯(外階段型)|独立二世帯(内階段型)|独立二世帯(連棟型)|共用二世帯

オモテ融合・家事分担/オモテ分離・家事融合

(2)息子夫婦同居、娘夫婦同居による違い

1987年、息子夫婦同居における嫁、娘夫婦同居における婿といった「元他人」の家族の気持ちを反映し、息子夫婦同居は社会的には苗字の同じ一つの顔を持ち、内部は嫁姑関係に配慮して家事空間を分ける「オモテ融合・家事分離」を原則とし、娘夫婦同居にあっては社会的には苗字の違う別の家とし、実の母娘が家事空間で協力し合う「オモテ分離・家事融合」とする提案を行いました。

NICE SEPARATION

(3)Nice Separation-「生活を離すと、気持ちがくっつく」

研究所設立当初より、独立した生活を志向する層においては、共用部分がなく生活空間を分けている方が交流における満足度が高いことが注目されていました。つまり日常生活を分けた方が、両世帯の関係を良好に保ち、同居メリットを最大限享受することにつながるということです。このコンセプトを言葉にしたのがナイス・セパレーションというフレーズです。1988年、この言葉を冠したカタログが発刊され、好評を博しました。

タイプ分け

(4)夕食の場所によるタイプ分け

2007年、夕食の場所が両世帯で別々の場合を、完全に世帯別の空間を持つ「独立二世帯」と、独立したLDKを持ちながら玄関あるいは浴室を共用する「共用二世帯」に分け、さらに夕食の場所が一緒で共用のLDKがあるが、どちらかの世帯専用のサブキッチンを備える「融合二世帯」を加えた3タイプに分類しました。夕食が一緒でキッチンが一つの場合は二世帯住宅ではない「一体世帯住宅」としています。

外観写真

(5)最近の提案

近年は、2010年子育て期家族の目線で”孫共育”という発想の二世帯提案、2012年単身の兄弟姉妹も共にくらす”2.5世帯”といった商品提案を実施しました。さらに2013年には、同居家族間の関係を超えた幅広い関係性に着目しています。これからも新しい視点から二世帯住宅を見直し、そのあり方を考えることで、今後の二世帯住宅の新しい展開とともに社会的意義を広めるように研究に邁進してまいります。

詳細は「二世帯住宅40年とこれから」をご覧ください

4.活動実績

ページのトップへ戻る