バイオプロセス事業(バイオプロセス事業)

バイオプロセス事業(バイオプロセス事業)について

海外進出のリーディング事業として

バイオプロセス事業は、旭化成グループが独自に洗練させてきた世界最先端の技術プラットフォームを活かし「血液」の分野での豊富なノウハウと膜分離技術を高度に融合させて開発した、世界初・唯一のセルロース膜によるウイルス除去用フィルター「プラノバ」の製造・販売事業を起点としています。

血漿分画製剤バイオ医薬品などの製造工程におけるウイルス除去フィルターとして実用化された「プラノバ」は、当初は事業採算性の困難もあったものの、顧客などからの要請により事業存続に。その後、国内外の血漿分画製剤/バイオ医薬品メーカーに採用され、現在では世界中から高い評価を得ております。その後「バイオプロセス事業」へとビジネス拡張をはかり、メディカル事業の成長戦略における飛躍的成長のエンジンとして期待されています。

私たちの思い

医薬の「安全」と「普及」による価値創出

80年代半ばに起こった薬害エイズやC型肝炎などの、血液由来の血漿分画製剤によるウイルス感染事故は、安全な医薬品供給への要求と、製造段階におけるウイルス対策の重要性に対する社会的コンセンサスを形成しました。そうした社会背景も踏まえて、私たちは生物学的製剤の製造工程で効率的にウイルス除去ができる「プラノバ」を主軸に、バイオプロセスの安全性を確保・向上させてきました。

現代医療において、病気治療の第一次選択とされることが多い医薬品は、患者さまにとっては、ある意味で最も心理障壁の少ない治療法のひとつです。そしてその安全性は、「いのち」を預ける医療への根源的な信頼に通じています。

同時に、「良質で安価」な医薬品が困難なく手に入ることも、医療水準を判断する重要な指標であると考えます。厳正かつ効率的な品質管理を実現する製薬工程は、安全で高品質、リーズナブルな医薬品の量産・普及にとって不可欠な条件であり、公平で充実した医療機会を支えることでもあるからです。

私たちはウイルス除去フィルター「プラノバ」を主軸に、医薬品の「安全」と「普及」を両立させることで、患者さまには安全と安心を、医薬品メーカーの方々には製品への評価と支持を、そして社会に対しては「医療」への期待と信頼という価値を届けたいと願っています。

私たちの取り組み

徹底した現場主義による提案型ビジネスへ

バイオプロセス事業では、主力製品であるウイルス除去フィルター「プラノバ」への高い評価と支持によって海外売上げ比率90%超の実績を得るなど、旭化成グループが志向するグローバルビジネス・モデルを先行して実現しています。同時に、製品単体での市場競争力をもつ消費材を軸にしながらも、装置とセットにしたシステム提供へのシフトを目指しており、2010年に買収したTechnikrom社(米)を皮切りに、事業名も「バイオプロセス事業」として、医薬品メーカーの生産ライン構築への提案力を高めるべく取り組んでいます。特に、開発段階からマスタープランや要件を伺って整理し、技術サービスとともに提案していくソリューションビジネスへの転換を図るため、積極的な展開を行っていきます。

提案型モデルへの転換が実現可能であるのは、私たちがこれまで、ダイレクトコミュニケーションによるビジネスを大切にしてきたことが大きく影響しています。最前線の課題意識を共有し、きめ細やかなサポートで即応するスタイルを守ってきたことで、現場のニーズを的確に掴み、具体的なアクションへと結ぶことができるのです。それと同時に、現場対応力に優れた現地スタッフ育成のために、研修・サポート体制も充実させ、顧客対応においても高い評価をいただいています。こうした取り組みを通して体感した市場動向をもとに、M&Aやグループ資産を活用したダイナミックな事業拡張・強化を進めていきたいと考えています。

私たちが果たしたいこと

生物学的製剤の品質向上を通して医療に貢献する

現在バイオプロセス事業では、プラノバを軸に欧米のオリジナル医薬市場を中心として事業展開しています。より広範で高度な技術による品質管理が必要とされる生物学的製剤の製造工程では、膜の孔径サイズによってウイルスを高精度に分離するという私たちの斬新な技術は高い評価と信頼を得ています。ユニークかつ代替困難な仕様であるがゆえに、ひとたび導入されると最低でも数年間は安定供給を保障しなければならない義務と責任を負いますが、それこそ私たちが誇りとするところです。

精製・ウイルス除去・最終製品化といった一連の製薬プロセスにおいて、ウイルス除去による安全性向上を担う私たちの事業では、求められる除去性能の精度は究極的に高く、日本国内で厳正に品質管理されて初めて実現できる水準のものです。今後は、プラノバによる高精度なウイルス除去システムの普及をめざして、新興国市場での血漿分画製剤およびバイオシミラー(バイオ医薬品のジェネリック)分野へも積極的に事業を展開していきたいと考えていますが、たとえ市場が変わっても安全品質の基準が揺らぐことはありません。「プラノバ」の製品性能をより向上させ、きめ細やかな技術サポートなどの付加価値を高めることでさらに競争優位性を追求していきます。

世界経済の成長がスローダウンするなかで、生物学的製剤は右肩上がりの進展を見せています。なかでもモノクローナル抗体を中心としたバイオ医薬品の製造プロセス関連製品市場は拡大の一途にあります。バイオプロセス事業は、こうした大きなうねりと事業の方向性を同調させながら、旭化成グループ、そして医療事業の飛躍的成長をリードする先鋒として躍進しつづけます。

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