「気密材」とは?気密材の種類・隙間がある場所・気密性能を向上させる施工方法を解説

快適で温熱環境の良い住宅をつくるには、『「気密性能」が大切な理由とは? メリットやC値の基準を解説』の記事でお伝えしたように、気密性能も高いことが重要です。
気密性能を左右する気密材や施工方法についてきちんと知り、設計時や建設時に施工業者さんなどに確認することができるよう、詳しく解説していきます。また、古い住宅の気密性能向上にも役立つので参考にしてください 。

 

1.家の隙間(すきま)はどこにある?

気密を低下させる隙間は、屋根や壁などの構造体にできるものと、窓などの開口部にできるものとに大きく分けられます。

1)屋根や壁などの構造体

屋根や壁などは屋根板や壁パネルなど面状の材料で造られますので、隙間は、

①壁板や壁内の断熱材などの合わせ目(継ぎ目)
②壁材と天井や床、柱、梁との接合部など
③コンセントや照明器具などの取り付け部

にできます。


これらの隙間の怖いところは、壁などの内部に水蒸気が入り込んでしまうことです。入り込んだ水蒸気が壁体内部で結露(壁体内結露)すると、カビが生えたり、壁体内部が腐食して強度が落ちたり、ときには断熱性能が低下することもあります。

2)開口部

窓(出入口扉を含む)には、下記のように、非常に多くの隙間があります。

①窓枠と壁や床などとの間
②窓枠と窓障子(ガラス戸など)やドアとの間 (上下左右にあります)
③窓障子と窓障子の合わせ目

最近の高性能住宅では、気密性能の高い窓が使用されるようになってきましたが、それでも注意が必要です。窓の気密性が悪いと、熱的な性能が落ちるだけではなく、外部騒音の遮蔽性も悪くなります。

2.気密材とは?

気密材には、壁面などの広い面積をカバーする、気密シートなどの気密材本体(面材)と、接合部の気密性を高める気密補助材(接合材)があります。

1)気密材本体(面材)

これは、空気や湿気を通さない(通しにくい)面状のもので、下記のようなものがあります。

①合板、せっこうボード、構造用パネル、乾燥木材
②気密シート(住宅用プラスチック系防湿フィルム)
③プラスチック系断熱材、吹付け硬質ウレタンフォーム
④金属部材
⑤コンクリート(壁や床など)

2)気密補助材(接合材)

これには、パネルの継ぎ目などを貼り合わせる気密テープと、ドアや窓サッシと窓枠の間などに設置する気密パッキン、そして壁材と柱などの接合部の隙間を埋めるシーリング材があります。

①気密テープ
気密テープは、ウレタン系とゴム系に大別されます。ウレタン系は柔らかくて曲面にも密着しやすく、ゴム系は硬くて耐久性が高いのが特徴です。

②気密パッキン
気密パッキンには、ゴム系とシリコン系があります。ゴム系は比較的安価で耐久性があり、シリコン系は高価ですが耐候性に優れています。

③シーリング材(コーキング材とも呼ばれます)
シーリング材は、シリコン系やウレタン系など様々なものがあり、用途に合わせて使用することが重要です。

なお、どれも日射による劣化に注意する必要があります*。
また、施工にあたってはどれも接合する表面を綺麗にしておく必要があります。

*パッキン材などに使われているEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)は、優れた耐候性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、低温柔軟性を持つころが知られており、さまざまな産業分野で使用されています。

3.気密性能を高める施工方法

1)壁材や断熱材の接合部

①断熱材の合わせ目に気密テープ(薄紫色のテープ)

②シーリング材の施工状況

2)コンセントや照明器具などの取り付け部

4.気密性能を高める開口部(窓)の例

『「気密性能」が大切な理由とは?メリットやC値の基準を解説』でお伝えしたように、固定(FIX)窓→片開きやすべり出し窓→引き違い窓の順に気密性能は落ちますが、最近の樹脂サッシ窓の性能は上がっています。

1)樹脂サッシ引き違い窓(内窓)の例

2)パッキンの例

まとめ

ここでは、高性能住宅に必須である気密材について、気密材の種類や施工例など概要をお伝えしました。高気密住宅では住宅内の隙間を最大限まで減らせるので、室内温度が適切に保たれ、上下温度差も小さくなります。気密性能を高め、快適な生活を実現しましょう。

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快適な室内環境を保つためには、気密性能とともに断熱性能を高めることも重要なポイントになります。下の関連記事では、断熱性能が生活の質をどのように向上させるのか、断熱性能のメリットや性能の高め方、方法について解説しています。ぜひ参考にしてください。

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