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未来のあかり その1

ライティング・フェア2013 (主催/日本照明器具工業会、日本経済新聞社) 街路灯の展示もあります。これも照明器具です。

「夜のあかり」最前線「ライティング・フェア2013」へ

3月5日から8日まで、「東京ビッグサイト」(東京・有明)で「ライティング・フェア(国際照明総合展)2013」が開催されました。来場者数は7万7000人以上。国内外の照明関連企業230社以上が、最新の照明器具や開発中の照明の技術を発表する、国内最大のあかりの見本市です。建築家やデザイナーを始め、照明デザインや照明設備のプロフェッショナルのために隔年で行われています。ここで発表された新しいあかりの技術は、数年後、私たちの暮らしを照らす照明器具に採り入れられていくはずです。ここには未来のあかりがあるのです。
「手元を照らす『夜のあかり』カタログ」では、今回から3回にわたり、「ライティング・フェア2013」で見つけた「未来のあかり」を紹介します。今回は「有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)」。液晶に代わる超薄型ディスプレイとして、スマートフォンや有機ELテレビの画面に既に採用されているので、ご存じの方も多いと思います。また、2011年の震災後、被災地避難所向けに、東芝が持ち運びできる有機EL照明を提供したこともニュースになりました。有機ELは、照明の光源としても、LED照明に続く次世代照明と注目を集めています。LEDのような光の点ではなく「面」で発光し、さまざまな形状に加工できて、発熱も少なく、基板にプラスチックフィルムを使うと曲面をつくることも可能です。

有機EL照明器具の時代はすぐそこ

会場に展示されている光源のほとんどは、ソリッドステートライティングといわれるLEDや有機ELの「半導体のひかり」です。数年前まで、「ライティング・フェア」は、蛍光管や電球を製造する管球メーカーの技術展示が中心でした。しかし、LED照明の普及に伴い、半導体や電子部品メーカーの出展が目立つようになりました。LEDや有機ELは、電球や放電灯の技術でつくられているのではなく、半導体の技術でつくられる「あかり」だからです。もちろん電球を手がけてきたあかり本業のメーカーも、新技術の有機ELの開発に積極的に乗り出しています。有機ELの照明への実用化に向けては、光の色むらの解消や発光効率の向上、長寿命化などの課題がありました。こうした課題も着実に解決されてきて、不自然だった光の質も、現在では既存の光源とほぼ同等の自然な色味を実現しています。今後の課題は価格でしょうか。昨年4月に発表された富士経済の調査では、有機EL照明の国内市場は2020年には1085億円(2011年は1.7億円でした)まで拡大すると予測しています。出展各社の担当者の話をまとめると、有機EL照明器具が店頭に並ぶのは3~5年後になりそうです。

日立製作所は新しい製造技術による「高効率塗布型有機EL」を発表。明るい有機ELを低コストで製造することができます。 パナソニックの有機EL展示コーナー。 コニカミノルタのフレキシブル有機ELパネルを使った「Habataki」 紙と同じくらいの薄さで、曲げることもできる

光学機器メーカーのコニカミノルタは、次世代照明ブランド「Symfos」のフレキシブル有機ELパネルを使い、光の羽根が羽ばたくような「Habataki」を参考出品。プラスチックフィルムを基板とした同社の有機ELは、薄さも軽さもガラスパネルの約1/10(コニカミノルタ製品比)です。

この軽くて薄くて曲げられる光源を使い、未来の暮らしのために何ができるのか。同社の「未来のあかりアワード」で最優秀賞を受賞した、山本由子さんの「雲灯」は、超軽量の有機ELを風船に入れて、コードを手紐代わりにふわふわ持ち運べる「未来のあかり」です。風船に色をつけたり、コードを長くしたり、たくさんの風船を束ねたり、ちょっとしたアイデアでさまざまな使い方や楽しみ方が考えられるユニークな「未来のあかり」です。
コニカミノルタの「未来のあかりプロジェクト」

風船の中に光源を収めた「雲灯」。 コニカミノルタ「未来のあかりアワード」で最優秀賞を受賞した山本由子さんのデザイン提案。
DLライティングの「イーエルパレット」を使ったタスク照明の提案。

有機EL技術を使いタスク照明器具を提案している企業もありました。スリム蛍光管のメーカーとして知られるDLライティングは、有機ELパネルを組み込んだスタンドの試作品を展示。有機ELパネル「イーエルパレット」を器具の下部に据えて、側板と天板に反射させた間接光で照らす器具です(デザイン/ミントデザイン、玉井俊二)。同社は5年以内には家庭向けに、実用的な有機EL照明器具を実現したいと考えているそうです。

山形県内には有機ELの先端研究機関や製造拠点が数多く立地しています。そうした企業や研究機関の成果物を山形県産業技術振興機構の「有機ELといえば山形」ブースで見ることができます。展示品の光源のほとんどは、山形県米沢市を拠点とするLumiotec(三菱重工業、ローム、凸版印刷、三井物産などの合弁企業)の有機ELパネルが使われています。同社は昨年9月に、世界で初めて有機EL照明器具の商用販売をスタートさせました(今回の「あかりカタログ」紹介製品参照)。

「有機ELといえば山形」より。ベッドサイドライトORIGAMI(石澤製作所+タムス・ファームウェアー+タンジェントデザイン)。発光面の薄さをいかしたデザインです。 「有機ELといえば山形」より。オーガニックライト・美麗(オーガニックライティング+タンジェントデザイン)。有機ELの光は紫外線を含まないので肌にも安心。太陽光に近い自然な拡散光です。

山形県内では、有機EL技術が手探りだった頃から、商品化に向けた取り組みが行われていました。県内の日本旅館や和食店などで採用が進んでいます。未来のひかり「有機EL」が、なぜ伝統的な日本空間にいち早く採り入れられたのでしょうか。西欧のあかりの環境は、ロウソクの灯火のような「点」光源でつくられてきたのに対して、日本のあかりの文化は「面」発光がベースになっていると言われています。例えば日本の住まいの障子は、昼間は光を和紙が柔らかく拡散させ、光りの面となって和室を光で満たし、夜はインテリアの照明を反射させて明るさをもたらす照明装置でもあるのです。室内で過ごす私たちの視界の背景には、壁面や天井面があります。この視線の先にある「面」が明るいと、足元が暗くても「明るさ」を感じることができます。障子は室内外の光がわずかでも、拡散や反射によって、和室に「明るさ」感をもたらしてくれます。有機ELの柔らかな面発光は、私たちにとっては障子のような親和性の高い「あかり」と見ることもできます。「未来のあかり」有機ELは、障子越しの穏やかな光のように、自然に心地よく、私たちの未来を照らし始めています。

HANGER  Lumiotec
HANGER  Lumiotec

昨年4月にミラノで発表された薄さ3mmの照明器具。世界で初めて一般向けに商品化を果たした量産型有機EL照明で、昨年秋に発売がスタートした。デザインを手がけたのは三井直彦氏。光に紫外線を含まない目にも優しい面発光、カラーは8色から選ぶことができる。2012年のドイツ・レッドドットデザイン賞を受賞。

ハンガー
幅15.2×高さ26.7×奥行き0.3cm。
光源は昼白色有機ELパネル。
¥36,750 朝日新聞デジタルショッピング

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