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暮らしのコツ

楽園写真家が語る「楽園のあかり2」vol.1写真家:三好和義

リゾートホテルでは心身ともにリラックスできて、ぐっすりと眠ることができた。
そんな経験をした方は多いのでは。それは、リゾートホテルの「夜のあかり」と関係があるのかもしれません。世界のリゾートを写真に収めてきた「楽園写真家」の三好和義さんに、「楽園」の印象深い「夜のあかり」を語っていただくコラム「楽園のあかり」の第2弾がスタートします。美しい写真と三好さんの言葉から、快適な暮らしの照明のヒントを見つけてください。第1回は珊瑚礁に囲まれた離島「星のや 竹富島」の灯りのお話です。

星のや 竹富島

満点の星空と釣り合う理想の集落の灯り。星のや 竹富島(沖縄県)石垣島から高速フェリーで10分ほど。沖縄県・八重山諸島にある竹富島は外周9キロの小さな島です。年間の平均気温は約24℃。南風が心地よい温暖な環境に、2012年の初夏に開業した「星のや 竹富島」の灯りを、今回は紹介しましょう。「ここはどこなんだろう」。そんな不思議な気持ちになる、心の中の理想の村の景観が、琉球赤瓦の屋根の連なりと白い石塀、白砂が敷き詰められた小径でつくりだされていました。初めて見るのに懐かしい、心安らぐ風景に、日没とともに小さなあかりがぽつぽつと灯り始めます。遠くから聞こえてくる三線の調べ。やがて心地よい暗闇が満点の星空を引き立てます。

懐かしい風景に灯るあかり

竹富島の伝統的な建築様式に敬意を払い、地元の民家に倣って建てられた、独立した小さな家屋。それが「星のや 竹富島」の客室です。白い石塀で囲まれているので、自分だけの空間が保たれ、窓の外には空だけが広がっています。建物にはこしらえ物のような貧相さはなくて、祖父母の家に来たような落ち着きが感じられました。施設内に築かれた小さな丘に上ると、このリゾートの全貌はもちろん、遠く石垣島まで望むことができます。日没後、部屋の照明が灯り始めると、それぞれの「家」で生活が営まれているような、安心感のある光景が広がります。これも光の効果と言えるでしょう。太陽が沈んだ後に八重山のホタルが光を漂わせ、やがて夜が訪れると集落は自然な暗闇に覆われます。しかし、石塀も道に敷かれた砂も真っ白なので、わずかな光を反射させて柔らかな明るさで施設全体を包み込んでいました。

大切なのはバランス

部屋の天井高や間口などは、日本人の身体に合った絶妙なバランスで、居心地がとても良いのです。大きな木製サッシは開放できて、室内に自然の海風が採り入れられる仕様になっています。照明は美しい星空を邪魔しないよう、上向きの光をなくし、地元の織物をシェードに使ったスタンドなどの小さな光で仄暗くまとめられています。しかし、この暗さが不便に感じることはありませんでした。室内はもちろん、施設内に明るすぎる場所がないので、目が自然と暗さに慣れてくるのでしょう。暗さに馴染んだ目で空を見上げると、星はこんなに明るいのかと驚かされます。バランスが良いのは建物の寸法だけではなく灯りにも言えることで、夜目が効いた状態ならば、強く大きな光は必要ないのです。撮影時も、撮影用の補助ライトを加えることなく、お宿の灯りだけで撮影することができました。照度は低くてもバランスがとれた光があれば追加のライトは不要で、しかも星空も同時に写真に収めることができたのです。「星のや 竹富島」にあるのは、どこにでもある普通の灯りだけですが、奇抜さを抑えバランスを整えることで、満点の星空を満喫できる心地よい光環境を実現していました。

「楽園のあかり」が、みなさんの暮らしの灯りを考え直すきっかけになりますように。

Kazuyoshi Miyoshi
Kazuyoshi Miyoshi

三好和義

みよし・かずよし ● 1958年徳島生まれ。85年初めての写真集「RAKUEN」で木村伊兵衛賞を受賞。以降「楽園」をテーマにタヒチ、モルディブ、ハワイをはじめ世界各地で撮影。その後も南国だけでなくサハラ、ヒマラヤ、チベットなどにも「楽園」を求めて撮影。その多くは写真集として発表。近年は伊勢神宮、屋久島、仏像など日本での撮影も多い。近著は『死ぬまでに絶対行きたい楽園リゾート』(PHP)。日本の世界遺産を撮った作品は国際交流基金により世界中を巡回中。

ご紹介頂いた宿 : 星のや 竹富島

沖縄県八重山郡竹富町竹富 tel. 0980-84-5888 http://www.hoshinoyataketomijima.com/

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