column

暮らしのコツ

ホノルルの「朝のひかり」

規則正しい暮らし

 ホノルルはハワイ諸島の中で開発が極めて進み、高層ビルも建ち並ぶ都市ですが、それでも人々はいたってナチュラルに暮らしています。大自然と共存共栄し、自分自身をその一部と考えるマナ(心)が根付いているので、太陽が昇ると目覚め、太陽が沈むと眠りにつくといっても過言ではありません。朝日は健康の源とされ、太陽とともに暮らしているから、生活は規則正しく早起きです。現実的には、ビジネスマンは東部時間に合わせて二部交代制で勤務すること、観光業がメインビジネスであるため自ずと朝が早いということもあります。早朝、美しい朝日に包まれながらダイヤモンドヘッドの周りをジョギング、サイクリングしたり、ビーチでビーチヨガを楽しむハワイアンはとても多いです。
 もしハワイに来て時差ボケになったら、膝の裏に太陽の光を当て、海に浸かれば治ると言われます。太陽と海という二つの自然の力が、身体の疲れをクレンジングしてくれるのでしょうか。

太陽を崇める

 日本と同じように、ハワイには深い自然崇拝、太陽信仰があります。カウアイ島に伝わる「エ・アラ・エ・カヒキ・エの儀式(朝日を崇める儀式)」は荘厳で、夜明け前からフラ(舞踏)やオリ(詠唱)で感謝を捧げます。太陽が現れると、朝日に向かって柏手を打つのです。こうした伝統的な儀式の場以外にも、ハワイ諸島には日常的に太陽を礼讃して心身を目覚めさせられるスポットが点在します。ホノルルの近くなら、マカプウ・ビーチやその先のラビット・アイランドからの日の出は素晴らしいものです。どんなに生活が近代化しても、ハワイアン・スピリットは今も大自然との神聖な関係で結ばれているのだと、朝日への感謝から感じます。

オアフ島:ダイヤモンドヘッドの朝日/オアフ島:マカプウ・ビーチとラビット・アイランド/オアフ島:マカプウの初日の出/カウアイ島:ヒキナオカラ ヘイアウの朝日

「アロハ」の由来

出会いにも別れにも使われるハワイの合い言葉「ALOHA(アロハ)」。諸説があり、ひとつの解釈として、5つのハワイ語の頭文字を繋げたものと言われています。

A= Akahai=Gentle=優しさ
L= Lōkahi=Unity=調和
O= Oluʻolu=To rest=心地よく、穏やかに
H= Haʻa Haʻa=Humble=謙虚さ
A= Ahonui=Patience=忍耐

「ALOHA」の一言にハワイアンがめざす思いが凝縮されて、万能な合い言葉になったようです。

アメリカ合衆国  United States of America

人口

3億139万人(世界3位、2010年、米国国勢局)

面積

約962.8万㎢(日本の約25倍)

首都

ワシントンD.C.

言語

主に英語(法律上の定めはない)

宗教

主にキリスト教(信教の自由を憲法で保障)

時間帯〈ハワイ州〉

UTC-10(日本との時差-19時間)

大小の島々からなるハワイ諸島は1959年、アメリカ合衆国50番目の州となった。ハワイ王国の首都だったオアフ島ホノルル(注:1810~1845年の首都はマウイ島ラハイナ)が立州後も州都として政治やビジネス、交通の中心を担っている。一年を通して温暖な気候で、第一次産業と観光が経済の基盤。ホノルル市の人口は約95万人(2013年)。19世紀以降、海外からの移民を多く受け入れたこともあり、ネイティブ・ハワイアン、ポリネシア系、アジア系、白人など多数の人種で人口が構成される。ちなみにバラック・オバマ第44代アメリカ合衆国大統領はホノルル出身で、名門プナホウ・スクールを卒業している。

プロフィール

あおき・ともこ ● ハワイアンカルチャー・コーディネイター。東京都世田谷区出身。サーフカルチャーに魅了され、高校卒業後、ハワイ大学に留学。1997年より本格的に移住。テレビ、広告、雑誌等のコーディネイトを手がけるほか、フラのインストラクターとして国内外へハワイアンカルチャーを発信している。http://www.myhkl.com

Latest Column