イマドキの共働き家族とは?

共働きは少数派から多数派へ。

1.DEWKS(Double Enployed With Kids)が時代を先行する予感が的中

研究活動の軌跡

子育て・共働き家族研究は、1988年に始まりました。
当初、旭化成ホームズが呼びかけ、異業種合同の「共働き家族研究会」を発足。参加したのはTOTO、東京ガス、松下電器産業(当時)、ヤマハと、当社の各企業でした。 当時は男女雇用機会均等法が施行された2年後とはいえ、努力義務のみが課せられる有名無実ともいえる法制度の下、世間ではまだ専業主婦のいる世帯が共働き世帯を大きく上回っていました。
そうした早いタイミングで研究会を発足させたことが、この研究の一つの特徴といえます。
 
共働き家族研究を始めた理由は、彼らが時代を先取りしている「先行層」だと考えたからです。彼らのライフスタイルを追うことで、今後のトレンド、新しい家族形態が見えてくるのではないか。共働き家族というのは、それぐらい珍しい存在だったのです。
当時は、結婚して子育てもしながらフルタイムで働ける女性は、公務員と学校の先生などの専門職の他にはあまりない世の中でしたから、無理もありません。
今思えば、家族が多様化していく始まりだったのかもしれません。

2.2006年頃をポイントに共働きが急に増える

関連法や施策の整備

研究の始まりが早く、25年以上の歴史があるとはいえ、実は発足後15年以上、あまり大きな変化が見られないのが実態でした。就業形態や社会的価値観、夫の家事協力などの意識にも大きな変化は見られませんでした。
この状況を変えたのは2005年、史上最低の出生率1.25という数字でした。これを契機に、国が関係法令を強化、改善に本腰を入れ始めたのです。
その年には次世代育児支援対策推進法で男性の育児休業取得を奨励、翌06年の改正男女雇用機会均等法では禁止範囲が拡大されました。
こうして06年頃から出産後も離職せずにフルタイムで働き続ける女性が増え始め、専業主婦世帯を大きく上回るようになったのです。
この大きな変化をキャッチできたのも、25年研究を続けてきたからこそといえます。

3.経済的安定を夫婦で目指す時代へ

近年では育児休暇明けの女性を積極的に活用したり、出産を機に退職した女性の復職を可能にしたりという、いわゆる「ママ活用」も増えてきました。
2010年には厚生労働省に「イクメンプロジェクト」が発足、子育て・共働きをする男性の意識も変わってきました。昔は家事については「妻の手伝い」だったのが、今では「家事」として分担する意識に変わっています。
イマドキの子育て世代は、性別による役割分担の意識が薄く、「どちらか得意な方が得意なことをやればよい」という、フラットな意識を持っています。 共働きの調査というと、女性にばかり意見を聞く傾向がありますが、男性の話も聞かないと全体像や変化は見えてきません。わたしたちは2012年から「パパさん社員モニター」の調査活動も実施しています。

また、イマドキ子育て世代は、不景気な世の中しか知らないため、堅実なことも特徴です。昔は共働きをする理由として、「生活のゆとり」や「社会との関わりを持ちたいから」と答えた人が多かったですが、現在はそれに加え、経済的安定をあげる人が増えています。
1人で稼ぐより2人で稼いだ方がリスクヘッジになるし、豊かになる。夫婦で経済的安定を目指す時代になったといえるでしょう。

共働きで働く理由

子育てサポートしています

ちなみに、旭化成グループでは、ワーク・ライフ・バランスの観点から社員一人ひとりが現在の働き方を見直し、今以上に仕事の生産性を高め、よりメリハリある働き方を実現することを目指しています。特に子育ての分野では、「次世代育成支援に積極的な企業」として、厚生労働省から次世代認定マーク「くるみん※」を取得しています。

※ 仕事と育児の両立支援施策の拡充・周知や、年次有給休暇取得促進、長時間労働削減等について積極的に取り組んでいることを厚生労働省から認められた企業や法人に対して付与されるマーク。

※本レポート中のグラフ等で特に出典明記の無いものは、旭化成ホームズ株式会社 共働き家族研究所 調べ

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