イマドキの共働き家族とは?

洗濯物をたたむようになった夫たち:25年の変化 夫の家事編

1.昔は夫は「妻のお手伝い」。今は「家事を分担」。

共働き夫婦の家事分担は、調査を続けてきたこの25年間でどのように変わったのでしょうか。
家事の種類別に、調理・洗濯・掃除に関してそれぞれ夫・妻に、担当しているかどうか聞いた調査を見ると、ほぼ全ての項目について、夫が「やっている」と答えた割合が大きく伸びています。
それに対して、妻は1989年にはどの項目もほぼ100%担当していましたが、25年後の現在は8割前後にとどまるなど、ある程度手放すようになったことがわかります。
それぞれの家事について、詳しく見てみましょう。

2.夕食の後片付けは夫の半数が、朝食準備も3割の夫が担当

夫の家事・育児への関与:調理(1989年・2012年比較)

まず調理に関しては、グラフからわかるように、著しい変化が見られるのが夕食の後片付けです。25年前は1割強の夫しかやっていなかった後片付けを、現在は半数の夫がやっています。食器洗い機の普及も要因の一つでしょう。
さすがに夕食のしたくは昔も今もほとんどが妻の仕事ですが、朝食に関しては片付けは半数近くの夫が、したくも3分の1の夫が協力するようになったのは注目すべき変化といえます。

3.洗濯物をたたむようになった夫たち

夫の家事・育児への関与:洗濯(1989年・2012年比較)

分担する家事の項目で一番大きな変化が見られるのが、洗濯です。洗濯をする、干す、とりこむ、たたむ、のいずれも、現在では2人に1人の夫が協力しています。
アイロンがけについてあまり変化がないのは、そもそも近頃はアイロンをかける衣料品を昔ほど着なくなったからだと考えられます。

過去と最も違うのが、たたむ行為です。25年前は、洗濯物をたたむ夫は10人のうち1人に満たなかったのです。これには3つの理由が考えられます。


  1. 当時は「男は女性の下着に触れるべきではない」というカルチャーがあった。
  2. 妻にたたみ方のこだわりがあり、それが夫にはわからないし、難しかった。
  3. 料理や掃除と違って明らかな達成感や家族からの「感謝や褒め言葉」がない。

時代は移り、現在は、その時できる人、得意な人がやればいい、というカルチャーに変わってきました。

さらに洗濯物の干し方も変化しています。昔は朝洗濯して昼間の光の下、外で干すもの、という意識がありましたが、現在は共働きなら夜洗濯して干す人も増えています。
また、アレルギーやPM2.5など大気汚染物質の問題で、屋外干しでなく室内干しも一般的になってきました。
 
そして、妻が夫に「お気に入りの洗剤を買ってきてあげて、洗濯してもらう」などの声も聞かれるようになりました。
とくにこの10年位の間に結婚、家庭をもつようになったポスト団塊ジュニア世代は、妻の意識も「必ずしもカンペキを求めず、自分の流儀を強要しない」ようになったと考えられます。

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