振動診断基礎講座 第4回<4月>
第4回 センサの取り付け方法
センサの取り付け方法と特長をまとめてみました。
上記は、センサの取り付け方法による応答性の違いを比較したグラフです。0dBよりプラス側の領域では、加振力より大きな応答となり、0dBよりマイナス側の領域では加振力より小さな応答しか得られません。
プローブ(④の線)を例に取ると、2.2kHz付近にピークがありますが、この周波数で接触共振が起こっているということになります。
振動測定の際に、接触共振が起こる範囲は、実際の振動より測定値が大きく出てしまうため、正確に測定できません。
(プローブの例では、2.2kHz付近で、測定結果が実際の振動の約10倍(≒20dB)となります。)
センサをネジで固定して測定する方法だと、接触共振を高い周波数に持って行くことが出来るので、高い周波数範囲までを正確に測定できます。
また、マグネットにより振動センサを固定する場合は、測定箇所として、平らでなめらかな場所を選ぶことが必要です。
一般的には、人が近寄ることの出来ない設備や重要度の高い設備は、常設した固定センサにより振動を測定し、それ以外の設備は人が巡回して、簡易診断器で振動を測定します。
手による固定では周波数1~2kHzまでしか期待できない・・・と表にありますが・・・
当社MD-330に標準搭載の高感度プローブは、手による固定でありながら、独自の工夫を施すことによって、固定センサ並の安定した測定ができます。