振動診断基礎講座 第2回<2月>
第1回目の内容はいかがでしたか?
今月は、振動の基礎知識の話となります。
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第2回 振動の基礎知識 振幅、周波数、位相、変位、速度、加速度
- 1.振幅・周波数・位相
振動の単純な形は単振動で、振幅、周波数、位相の3つの要素から成り立っています。
- (1)振幅
振幅は、振動の激しさを示す上で非常に重要な役割をもっています。 - (2)周波数
1周期に要する時間を振動の周期と呼んでいますが、
機械の振動の場合、一般的には1秒間に何周期の振動があるかという周波数というパラメーターで表示されます。周波数は振動の原因を調べる上で非常に重要な役割を持っています。
周期(T)と周波数(f)の間には、次のような関係式が成立します。
周波数[Hz]=1/周期[sec]異常現象の周波数と人間の五感
- (3)位相(差)
位相とは、振動している部分が他の部分に対して、どのような位置関係にあるかを示す量であり、位相は不具合の位置を探る上で重要な役割を持ちます。
- 2.変位、速度、加速度
振動を測定するにあたっては、変位、速度、加速度の3つのパラメータがあります。周波数をfとすると以下の式で表せます。
振動の3種類の守備範囲
各振動パラメータ特徴
振動パラメーター | 異 常 の 種 類 | 適 用 例 |
---|---|---|
変 位 | 変位量または動きの大きさそのものが問題となる異常 | 回転機械の軸振れ |
速 度 | 動きの大きさと、その繰り返し回数(疲労度)が問題となる異常 | 回転機械の振動 |
加 速 度 | 衝撃力などの力の大きさが問題となる異常 | 軸受の損傷による振動歯車の損傷による振動 |
- 【用語集】 これから振動診断の際、良く出てくる言葉です。
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- (1)O/A値とPeak値
下図のような振動波形があった時、O/A値(rms値 平均値 Eq Peak値)は平均的な高さを示し、Peak値はその最高値を示します。Peak値は傷や欠損があると高くなる為、ギアやベアリング損傷の初期段階の発見に役立つ場合があります。O/A値は全体的な振動の上昇を示し、設備や部品全体の劣化を示します。また、軸受の潤滑不良、摩耗などはPeak値よりO/A値にでる傾向があります。 - (2)クレストファクタ(波高率)
インパクトインデックスとも呼ばれ、O/A値とPeak値との比により、状態の変化を捉えようとするもので、軸受の欠陥の判定等に使用します。
- (1)O/A値とPeak値