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フリクションカッター®

フリクションカッター®とは

コンバック®とは

仮設土留め鋼材の撤去工事による地盤変状・沈下を低減する土木用摩擦低減材です。 
国土交通省新技術提供システム
NETIS登録番号KK120044-VE(掲載期間終了)


基本的な特長

摩擦低減材としての役割地盤変状の
低減


地盤トラブルの軽減

地盤トラブルは、仮設土留めの不適切取扱いに起因することが多く、従来は、土層と土留め周面との摩擦力・粘着力の制御が困難でした。フリクションカッター®は、摩擦力・粘着力を低減し、地盤保全上から残置しがちな開削土留めの鋼矢板を安全に撤去・回収する、また、近接する埋設物・家屋・堤体などを沈下や破壊から守る技術です。

フリクションカッター®製品仕様

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摩擦低減性能高性能

多用途


土層の付着防止用途

  1. 通常の1/30~50(内部摩擦角:1°)
  2. 粘土層・砂層でも同性能
  3. 使用年数での性能差無し(長期耐久性)
  4. 大深度・大土圧でも有効(50G下でも有効)
  5. 海水・セメント水でも有効(二価金属イオン耐久性)

フリクションカッター®塗布比較動画


フリクションカッター<sup>®</sup>製品仕様

※フリクションカッター®【概要】の動画は、(株)ゴウダホームページで再生されます。


用途とメリット

①地盤の緩み防止(隣接物対策)・土付防止(共上がり防止)

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メリット

  1. 土留め鋼材やケーソン周面と土層との付着力や摩擦力を切り、地盤の変状・沈下を抑制。
  2. 根固めモルタル等と杭鋼材を固着させない。

②土留め心材(鋼矢板)の型枠利用

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メリット

  1. 土留め壁の鋼矢板周面にフリクションカッター®を形成させることで外型枠を不要にできる。(土留壁→型枠利用→鋼矢板撤去)
  2. 工期短縮、工事スペースの最小化を実現。

③遮断工(道路、鉄道、堤防、住宅造成などの盛土対策)

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メリット

  1. 摩擦力を減少させることにより、盛土がスムーズに動きやすくなったり、力が均等に分布したりする。盛土の変形を抑制でき、安定性を確保できる。
  2. 盛土や地盤にかかるストレスを低減することができる。

④ケーソンの周面摩擦低減

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メリット

  1. 摩擦力を減少させることにより、ケーソンと地盤が滑りやすくなり、構造物や基礎が地盤に引っ張られず、沈下を緩和することができる。地盤の沈下が急激に起こるリスクを減少させ、構造物の安定性が向上する。     
  2. 摩擦低減材は、荷重が偏らないように均等に分散させる助けになる。これにより、地盤の不均等な沈下を防ぎ、沈下による変形を抑制する。

選定の際に重要なポイント

適応素材の確認

  1. フリクションカッター®は、被覆材シート・塗布剤の2種類がある。
  2. 被覆材シートは主としてH型鋼に接着剤で貼り付ける。
  3. 塗布剤は主として鋼矢板・鋼管杭等に直接塗布する。

用途に応じた塗布

  1. 地盤のゆるみ防止・土砂付着防止用途、セメント改良体との付着防止用途、ネガティブフリクション対策、等の用途に応じて所定の塗装基準に従い塗り重ね方を決定する。

設計図書への明記

  1. フリクションカッター®を設計採用にする場合は、実際の施工時に付随する施工対処(開削埋め戻しの締固め転圧・鋼材引き抜き後の空隙グラウト閉塞)を徹底することとの併用が必須である。不十分な施工対処による地盤事故発生事例が散見される。適切に現場で使用されるよう、埋め戻し締固め転圧・空隙へのグラウト充填を含めた設計図書への明記(指定仮設化)が必要である。

塗布作業の留意点

  1. 塗布作業が行われる環境(例えば雨天、塗布対象の表面のサビや汚れなど)によって、摩擦低減材の性能が左右されることがある。(塗布作業中、塗布完了後の雨濡れ防止・養生が必要)
  2. 塗布対象鋼材が乾燥状態である事を確認する。濡れた対象物には塗装できない。(塗布タイプは,乾燥後は雨天下のくい打ち可能)
  3. 塗布剤は,塗布後養生乾燥に1週間を要す。

周辺環境への地盤緩み影響低減

  1. 鋼矢板・H型鋼と周辺地盤の摩擦を低減することで地盤内土砂の共上がりを抑制し、地盤内の空隙体積を最小限にする。周辺地盤の間隙密度の乱れ(ダイレイタンシー)を抑制することが重要である。また、地盤と鋼材が接触している周面全てに塗布・装着することが必要である。

塗布作業時の安全対策

  1. フリクションカッター®塗布剤は指定有機溶剤を含むため、法定管理(労安法・消防法など)による取扱いが必要である。(1週間の乾燥後は有機溶剤が揮発しているので安全)

コストパフォーマンス

  1. 土留め鋼材の撤去による地盤事故の恐れによる高額な鋼矢板等の残地(放棄・全損)を回避できる.安全な鉄鋼材の引き抜き回収が可能となる。リース鋼矢板等の回収で鋼材の全損費用を回避することができる。

製品品質

  1. フリクションカッター®と土の内部摩擦角は1°程度(通常の1/30~1/50)
  2. 50G遠心模型実験における土圧下でも効果を発揮する。
  3. 数十年にわたり効力を持続する。
  4. 海水・真水を問わず効果を発揮する。
  5. 透水係数10-7㎝/sec以上の遮水能力を発揮する。

化学的な性質と挙動

  1. フリクションカッター®は、安全性が高いポリアクリル酸系の化学物質である。塗装後の塗装膜は水と反応して含水ゲル状に変化する。この含水ゲルは地盤と埋設鋼材との摩擦力を低減するとともにCaとFeとのイオン結合を遮断する機能も有する。

使用方法と管理

塗布剤-刷毛塗り


被覆材シート貼り付け


安全性

フリクションカッター®の主成分は、① 摩擦力低減機能を持つ機能性樹脂と② バインダー樹脂との混合物からなる塗料である。


① 機能性樹脂は,親水性であるが、② 混合するバインダー樹脂は、水に対して難水溶性の物質である。
よって、地下水などへの溶出・移流・拡散による懸念はない。また①②いずれも以下の様々な環境基準や生体安全性に関する試験で確認している。


含有物質である重金属・ハロゲンやハロゲン化有機化合物等を製造段階で使用しておらず、土壌汚染対策法上の指定基準による基準値以下(検出が出来ない)であることが実際の溶出試験においても確認済みである。
「要監視項目(クロロホルム、アンチモン等)」についても、製造段階から使用しておらず検出されない。「地下水環境基準(項目)」についても同様である。


フリクションカッター®に使用している機能性樹脂は急性毒性(経口 ラット LD50>2,000mg/kg)が低く安全性の高い材料である。バインダー樹脂は、水不溶性であるが、アルカリ性の水に接触した場合にのみ可溶性となるので念のためにその場合の魚毒性試験も行っている。その場合でも魚毒性が低く(LC50>1,000mg/L)安全性の高い材料であることを確認している。


※フリクションカッター®は(株)ゴウダの登録商標です。

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