油膜検知器 エポラーム®M (LMD-3000)
排水路や排水ピット、油水分離槽、浄水場取水口などの油膜を検知し警報を発報するレーザ式の油膜検知装置です。
従来機(LMD-2000)で定評があった検知性能を大幅に向上させ、メンテナンス性もアップしました。
漏油事故への早期対応と環境を脅かす河川や海への流出事故の防止にご活用ください。

特 長
- 1. 安定した検知性能(誤報がない)
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水面にレーザ光を照射して反射光を受光する方法において、従来のスポット光を用いた方式では水面の波立ちによりレーザ光が乱反射し、反射光が受光できない場合がありました。この為、水位変動が大きい場所、流れによる波立ちのある場所では使用できませんでした。(図1)
これに対しLMD-3000のレーザ照射方式は、レーザ光を中心と円周部を往復させることにより線を描き、360°回転させています。水面上で見ると直径150~500mmの円(前者が水面から1m、後者が4mの時)の全面を連続的にレーザスキャンする格好になります。この為、水面に波がある場合でも、円内のどこかの反射光が受光部へ戻ってくることにより、流れや波立ちに対しても安定した検知を実現しています。(図2)
これによって、水位変動がある場所でも無調整で0.3~4m(検知器と水面の距離)の検知が可能となりました。静水面では6mまでの水位変動に対応できます。また、外乱光に対しては、光学フィルタ、電子フィルタ及びソフトウエアを併用することにより、太陽光、蛍光灯などによる誤動作を防止しています。反射率が高いアルミ箔やビニールなどの浮遊物による誤作動は、連続判定時間(※)の設定により回避することができます。
※連続判定時間とは
警報を出す検出レベル状態が連続した時間を検知の判断基準に加えたもので、検知場所の流速や油膜の発生状況に合わせて設定します。例えば、連続判定時間を10秒に設定したとすると、油膜検知器の下を流れる油が10秒以内で途切れた場合、油無し判定、逆に、10秒以上継続して流れた場合、油有り判定となります。このように、検知したい時間を設定することにより、僅かな油による敏感な検知を避けることができます。連続判定時間は、1~999秒で任意に設定ができます。
- 2. 警報発報したい油膜の広さを設定可能(エリア検知機能)
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監視水面上の油膜が占める割合(%)で警報判定が可能です(2m以下の静水面)。漏油事故以外の原因(滞留油膜、鉄バクテリア、虫、魚など)による油警報の発報を防止します。
- 3. 設置が簡単
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一般的なレーザ方式では光軸を水面に対して鉛直にする必要があります。このため、設置時は正確な光軸調整が欠かせませんでした。これに対し、LMD-3000はケース内の光学部が釣鐘構造となっており、ケースがわずかに傾いてもレーザ光軸が常に鉛直方向を向くため、設置時の光軸調整が不要です。
- 4. 見やすいモニタ画面
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3.5インチ大型力ラーLCD(タッチパネル付き)の採用で、視認性と操作性が格段に向上しました。
力ラーグラフィ力ル表示で監視状態が一目瞭然です。
仕 様
LMD-3000
型 式 | LMD-3000(標準タイプ) |
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検知対象 | 水面上及び床面の浮遊油膜(ガソリン、灯油、軽油、重油、絶縁油、潤滑油等) |
検知方法 | レーザ光走査反射光受光方式 |
光 源 | 半導体レーザ 出力1mW以下(クラス2) |
設定・判定 | 油膜レベル、油膜エリア、油膜継続時間、警報判定(設定レベルを越えた状態が油膜継続時間以上経過した時に警報) |
出 力 | 電流出力 1点(受光レベルに応じ4~20mA)、接点出力 2点(油膜警報、機器・レベル異常) |
表 示 | 受光レベル(4~20mA)、油膜エリア(0~100%)、設定レベル、動作表示 |
電 源 | AC100V ±10% 50/60Hz 100VA以下 |
付属ケーブル | 電源ケーブル(1.25sq 3芯 5m)、信号ケーブル(0.5sq 8芯シールド付き 5m) |
設置条件 | 取付傾き(±3°以下)、検知水面の凍結無きこと、直射日光・雨除け対策要、 検知距離0.3~4m(静水面max6m) |
周囲環境 | 温度-10~+50℃ |
構 造 | 密閉構造、屋外設置可 IP66相当 |
外形寸法 | φ185x547(H)mm |
重 量 | 約11kg |
オプション | 接点出力追加(油膜注意)、アイソレーション機能、遮光フード、蒸気対策フード、外部モニタ、取付スタンド |
外形図・システム構成
LMD-3000(標準タイプ)

