本サイトは日本国内の全身性エリテマトーデス患者さんおよびそのご家族を対象としています。
全身性エリテマトーデス(SLE)は紫外線にさらされることで、皮膚症状が現れたり悪化したりします。症状が落ち着いているときでも、天候や季節に関係なく、紫外線対策をしましょう。特に、紫外線に当たったことでSLEを発症した患者さんは紫外線対策を念入りに行う必要があります。
日光には、SLEの症状を引き起こす紫外線が含まれています。曇りや雨の日は、日光の光は雲にさえぎられますが、紫外線は雲をすり抜け、地上に届いています。 薄い雲に覆われているときの紫外線量は、快晴時の9割ほどになりますが、雨天のときでも、晴天時の3割ほどの紫外線が地上に届いているといわれています(図1)。
#快晴時のUVインデックスを100%とした場合の天気毎のUVインデックスの割合を示している 国土交通省 気象庁ホームページ(http://www.data.jma.go.jp/)
また、季節によっても紫外線量は異なり、5月から8月は特に紫外線量が多い時期です(図2)。
国土交通省 気象庁ホームページ(http://www.data.jma.go.jp/) 日最大UVインデックス(解析値)月別累年平均値グラフ
紫外線量の違いはありますが、紫外線は年中降り注いでいるため、天候や季節によらず、対策をしましょう。
SLEは、紫外線にさらされることで症状が悪化することがあります。長袖や長ズボン、ロングスカートを着用することで、腕や足に当たる紫外線は防ぐことができますが、顔や手など、服装で防げない部分は、日焼け止め化粧品を使って紫外線からの影響を最小限に防ぎましょう。
紫外線は波長により、UV-A波(UV-A;波長320~400 nm)、UV-B波(UV-B;波長290~320 nm)、UV-C波(UV-C;波長190~290 nm)に分けられます。太陽から放射される紫外線は、そのほとんどがオゾン層で吸収されます。UV-A波は波長が長い紫外線で、日焼け後、黒くなる原因となります。オゾン層を通り抜け、皮膚の奥深くの真皮層まで達します。UV-B波は、UV-A波に比べるとオゾン層に吸収されやすい紫外線です。サンバーンといわれる炎症を起こしたりします。UV-C波は、エネルギーが強い紫外線ですが、オゾン層に吸収され、地上にはほとんど届かないといわれています。
日焼け止め化粧品には、UV-A波の予防の指標となるPA値、UV-B波の予防の指標となるSPF値が記されています。PA値はUV-A波による皮膚の黒化をどの程度防げるかを示しています。「+」の数が多いほど、皮膚の黒化を防ぎます。SPF値はUV-B波によってサンバーンができるまでの時間を何倍にのばせるかを示したものです。表示を確認し、UV-A波、UV-B波ともに防ぐものを使用しましょう。 また、外出前に一度塗っても一日中紫外線を防げるわけではありません。汗やこすれなど、時間の経過によって、日焼け止め化粧品の効果は下がります。汗などで落ちにくいものを選んだり、こまめに塗りなおすようにしましょう。
資生堂 キッズのためのキレイクラブ 「紫外線のこと」(https://corp.shiseido.com/kids/jp/uv/index.html)
屋内でも窓から紫外線は侵入してきます。光線過敏症が引き金となりSLEを発症した患者さんは、紫外線で症状が悪化しやすいため、屋内でも窓際を避け、カーテンやブラインドを活用しましょう。また、長袖の服や日焼け止め化粧品を塗り、紫外線による皮膚への影響を防ぎましょう。
夏は脱ぎ着しやすいカーディガンを着用すると、室内で体温調節がしやすいのでおすすめです。また、服装だけでなく、アームカバーやストール、外出時には日傘や帽子などのファッション小物を活用するとよいでしょう。
外出時にはなるべく日陰の場所を選びましょう。しかし、紫外線は地面に反射するため、たとえ日陰であっても、日差しが強い時間帯の外出は極力避け、屋外に長時間いないようにすることも大切です。
洗顔後、化粧水などで顔全体を整えます。乾燥しやすい肌の方は乳液やクリームを使って保湿しましょう。外用薬を塗るタイミングは医師に相談しましょう。自分の肌質にあった化粧品を選ぶことも大切です。サンプルやテスターなどを使い、刺激のあるものは避け、自分の肌質に合ったものを選んで使うようにしましょう。 また、SLEは紫外線による影響が病気の悪化につながるため、日中は、日焼け止め化粧品を必ず塗りましょう。顔だけでなく、首や耳なども忘れずにケアしましょう。
SLEによる皮膚症状がひどいときは、外用薬を塗ったり、皮膚を清潔に保つことが大切です。皮膚症状を改善させるためには、メイクは必要なときのみにして、肌を清潔に保つことが最優先です。
SLEによる皮膚症状である皮疹の赤みをカバーするためには、グリーンやイエローのコントロールカラーを使うことで目立ちにくくなります。そのあと、ファンデーションを顔全体に塗りましょう。
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#快晴時のUVインデックスを100%とした場合の天気毎のUVインデックスの割合を示している
国土交通省 気象庁ホームページ(http://www.data.jma.go.jp/)