治療期間が長く、高額な医療費負担が続く子供の慢性疾患について、患者さんやご家族の負担を軽減するため、医療費の自己負担に上限を設けた制度です。小児慢性特定疾病の対象疾病の患者さんで医療費の自己負担が上限額を超えた場合に、その超えた金額分が都道府県等から支給されることで、患者さんの自己負担は上限額までとなります。18歳未満の患者さんを対象としており、指定難病の医療費助成よりもさらに負担軽減に配慮されています。
SLE患者さんの4分の1は小児期(16歳未満)に発症するため、小児慢性特定疾病の対象疾病となっています。
<SLEにおける小児慢性特定疾病の医療費助成の認定基準>
・18歳未満
・小児SLEの「診断の手引き」の基準を満たす
・薬物療法、理学作業療法、血漿交換療法などの治療を受けている患者
指定医療機関※2で支払われるSLEに関連する医療費が助成の対象となります。
支給認定患者さんでは、各指定医療機関※2での自己負担の割合は2割に抑えられます。そのうえで、1ヵ月間(月初めから月末まで)の自己負担の累積額が、年齢や所得に応じた自己負担上限額に達した場合は、その月はそれ以上の費用徴収が行われません。
【小児慢性特定疾病の医療費助成における自己負担上限額(月額)】
年収の目安(夫婦2人子1人世帯) | 患者負担割合:2割 自己負担上限額(外来+入院) |
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一般 | 重症# | 人工呼吸器等装着者 | ||
生活保護等 | 0円 | |||
市区町村民税 非課税 |
低所得Ⅰ (~約80万円) |
1,250円 | 500円 | |
低所得Ⅱ (~約200万円) |
2,500円 | |||
一般所得Ⅰ (~市区町村民税7.1万円未満、~約430万円) |
5,000円 | 2,500円 | ||
一般所得Ⅱ (~市区町村民税25.1万円未満、~約850万円) |
10,000円 | 5,000円 | ||
上位所得 (~市区町村民税25.1万円~、約850万円~) |
15,000円 | 10,000円 | ||
入院時の食費 | 1/2自己負担 |
小児慢性特定疾病の医療費助成の支給認定を受けるには、SLEの診断がついた時点で診断書(医療意見書)などの必要書類を準備し、都道府県等の窓口または保健所などに提出します。書類は都道府県等により審査され、支給認定を受けた患者さんには小児慢性特定疾病の「医療受給者証」が交付されます。
【支給申請の流れ】
支給認定患者さんには「自己負担上限額管理票」も交付されます。医療受給者証を掲示し、指定医療機関※2を受診するたびに管理票に自己負担した金額を記入してもらうことで、月ごとの自己負担の累積額を把握、管理していきます。
医療受給者証の有効期間は、原則として1年以内です。引き続き支給を受けたい場合は、有効期間内に更新申請の手続きが必要です。
治療の継続が必要な患者さんでは18歳に達したあとも引き続き小児慢性特定疾病の医療費助成が受けられますが、20歳以降にも医療費助成を受けたい場合は、指定難病の医療費助成を申請します。
申請窓口は都道府県等によって異なりますので、詳しくはお住まいの市区町村の相談窓口(保健所や保健センター)にお問い合わせください。
お近くの相談窓口は、小児慢性特定疾病情報センターホームページで確認いただけます。
※1支給認定の新規申請に必要な診断書を作成することができるのは都道府県等から指定を受けた「小児慢性特定疾病指定医(指定医)」に限られます。
※2小児慢性特定疾病の医療費助成が受けられるのは、原則として都道府県等から指定を受けた「指定小児慢性特定疾病医療機関(指定医療機関)」(病院・診療所、薬局、訪問看護ステーション)における医療費に限られます。
小児慢性特定疾病情報センター/各自治体担当窓口
https://www.shouman.jp/support/prefecture/
【自己負担上限額管理票】#
平成29年度2月分自己負担上限額管理票 | |||||
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受診者名 | ○○△△ | 受診者番号 | 0012345 | ||
月間自己負担上限額 10,000円 | |||||
日付 | 指定医療機関名 | 医療費総額(10割分) | 自己負担額 | 自己負担の累積額(月額) | 徴収印 |
2月1日 | ○○○病院 | 30,000円 | 6,000円 | 6,000円 | 印 |
2月1日 | ××薬局 | 6,000円 | 1,200円 | 7,200円 | 印 |
2月20日 | ○○○病院 | 25,000円 | 2,800円 | 10,000円 | 印 |
2月20日 | ××薬局 | 4,000円 | - | - | - |
上記のとおり月間自己負担上限額に達しました。 | |||||
日付 | 指定医療機関名 | 確認印 | |||
2月20日 | ○○○病院 | 印 |
# 「自己負担上限額管理票」の様式は都道府県ごとに設定されています。
上記の記入例は、参考様式に基づき作成しています。
難病情報センターホームページ(2018年1月現在)より引用
# ①高額な医療費が長期的に継続する者(医療費総額が5万円/月(例えば医療保険の2割負担の場合、医療費の自己負担が1万円/月)を超える月が年間6回以上ある場合)、②現行の重症患者基準に適合するもの、のいずれかに該当