指定難病患者さんの負担を軽減するため、医療費等の自己負担に上限を設けた制度です。指定難病として一定の基準に該当すると認定された患者さんでは、医療費などの自己負担が上限額を超えた場合に、その超えた金額分が国・都道府県から特定医療費として支給されることで、患者さんの自己負担は上限額までとなります。
<SLEにおける指定難病の医療費助成の認定基準>
・SLEの診断基準を満たし、かつ
・重症度分類 SLEDAIスコア4点以上の患者
または
・高額な医療を継続することが必要な患者(軽度高額該当)
(SLEの医療費総額が33,330円を超える月が過去1年間に3回以上ある場合)
指定医療機関で支払われるSLE(指定難病)に関連する医療費と介護費用が、医療費助成の対象となります※1。
支給認定患者さんでは、各指定医療機関での自己負担の割合は2割に抑えられます。そのうえで、1ヵ月間(月初めから月末まで)の自己負担の累積額が、年齢や所得に応じた自己負担上限額に達した場合は、その月はそれ以上の費用徴収が行われません。
※1 病院・診療所や薬局での医療費(診察や治療、薬剤の費用)、訪問看護ステーションなどによる介護費用(訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、介護療養施設サービスの費用)が対象です(入院時の食事費用は除く)。
【指定難病の医療費助成における自己負担上限額(月額)】
階層区分 | 階層区分の基準 | 患者負担割合:2割または1割# 自己負担上限月額(外来+入院+薬代+介護給付費) |
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一般 | 高額かつ長期 | 人工呼吸 | ||||
A | 生活保護 | - | 0円 | 0円 | 0円 | |
B1 | 低所得Ⅰ | 市区町村民税の所得割・均等割ともに非課税 | 患者本人の収入 ~80万円 | 2,500円 | 2,500円 | 1,000円 |
B2 | 低所得Ⅱ | 患者本人の収入 80万円超 | 5,000円 | 5,000円 | ||
C1 | 一般所得Ⅰ | 市区町村民税課税以上 ~(所得割額)7.1万円未満 | 10,000円 | 5,000円 | ||
C2 | 一般所得Ⅱ | 市区町村民税(所得割額) 7.1万円~25.1万円未満 | 20,000円 | 10,000円 | ||
D | 上位所得 | 市区町村民税(所得割額) 25.1万円以上 | 30,000円 | 20,000円 |
指定難病の医療費助成(特定医療費)の支給認定を受けるには、SLEの診断がついた時点で診断書(臨床調査個人票)などの必要書類を準備し、都道府県・指定都市の窓口または保健所などに提出します。書類は都道府県・指定都市により審査され、支給認定を受けた患者さんには「特定医療費(指定難病)受給者証」が交付されます。
【支給申請の流れ】
支給認定患者さんには「自己負担上限額管理票」も交付されます。特定医療費(指定難病)受給者証を掲示し、指定医療機関を受診するたびに管理票に自己負担した金額を記入してもらうことで、月ごとの自己負担の累積額を把握、管理していきます。
特定医療費(指定難病)受給者証の有効期間は、原則として1年以内です。引き続き支給を受けたい場合は、有効期間内に更新申請の手続きが必要です。
申請窓口は都道府県・指定都市によって異なりますので、詳しくはお住まいの市区町村の窓口(保健所や保健センター)にお問い合わせください。
【自己負担上限額管理票】#
平成29年度2月分自己負担上限額管理票 | |||||
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受診者名 | ○○△△ | 受診者番号 | 0012345 | ||
月間自己負担上限額 10,000円 | |||||
日付 | 指定医療機関名 | 医療費総額(10割分) | 自己負担額 | 自己負担の累積額(月額) | 徴収印 |
2月1日 | ○○○病院 | 30,000円 | 6,000円 | 6,000円 | 印 |
2月1日 | ××薬局 | 6,000円 | 1,200円 | 7,200円 | 印 |
2月20日 | ○○○病院 | 25,000円 | 2,800円 | 10,000円 | 印 |
2月20日 | ××薬局 | 4,000円 | - | - | - |
上記のとおり月間自己負担上限額に達しました。 | |||||
日付 | 指定医療機関名 | 確認印 | |||
2月20日 | ○○○病院 | 印 |
# 「自己負担上限額管理票」の様式は都道府県ごとに設定されています。
上記の記入例は、参考様式に基づき作成しています。
難病情報センターホームページ(2018年1月現在)より引用
なお、支給認定の新規申請に必要な診断書を作成することができるのは都道府県または指定都市から指定を受けた「難病指定医」に限られます。
また、指定難病の医療費助成が受けられるのは、原則として都道府県または指定都市から指定を受けた「指定医療機関」(病院・診療所、薬局、訪問看護ステーション)における医療費・介護費用に限られます。
お近くの難病指定医や指定医療機関は、難病情報センターホームページで確認いただけます。
難病情報センター/ 都道府県別 指定医療機関一覧 http://www.nanbyou.or.jp/entry/5308
都道府県別 指定医一覧 http://www.nanbyou.or.jp/entry/5309
# 公的医療保険による患者負担割合が3割の方は、指定難病にかかる医療に限り2割となります。
なお、公的医療保険による患者負担割合が1割ないし2割の方は、そのまま変わりません。