注文住宅の
お役立ち情報まとめ
素敵な間取りを見ていると、「こんな家に住んでみたい」と家づくりへの期待が膨らみますよね。
でも、“人生のなかでも大きな買い物”と言われるだけあって、注文住宅には多額の費用がかかります。自分が出せる「予算」と、どのくらいのお金がかかるかという「相場」を比べながら、費用感をイメージしていくことが大事です。
ただ、費用相場は家の規模や建てる地域、間取りプラン、どんな設備を選ぶかなどによって実際の建築費には大きな幅があります。家の購入には土地や建物以外にもさまざまなお金がかかるため、諸費用に関してもイメージしておきましょう。
今回は、注文住宅の全国的な平均から見る相場や建築するための費用、そして予算別に建てられる住宅のイメージを詳しくお伝えしていきます。
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注文住宅で予算を立てるとき、「何にどんなお金がかかるか分からない」という状態ではイメージはできませんよね。そこで、どんな費用がかかるか、注文住宅で必要な費用の内訳をご紹介していきます。
大きく分けると、「土地購入に関連する費用」と「建築に関連する費用」、そして「そのほかの諸費用」です。
また、場合によってほかの費用もかかるのでおさえておきましょう。
土地を購入して家を建てる場合、土地代のほかに、購入にともなう諸費用が必要になってきます。
不動産業者の仲介で土地を買うときにかかるのが、仲介手数料と印紙税です。
仲介手数料の金額は土地代に応じて異なりますが、法律で「土地価格(税抜)×3%+6万円+消費税」と上限が定められているので、おおよその費用感をイメージすることができます。
また、印紙税は、土地の売買契約書に課税されるために払うための税。契約時の書類に相当分の印紙を貼ることで「納税」したという証となります。税額は土地価格によって異なります。
家の建築に関する費用は、「本体工事費(建物の建築費)」や「付帯工事費」に分けられます。
本体工事費は、注文住宅を建てるときにかかる総費用のうち、7割以上ほどを占めるものです。
・足場の組む建て、仮設トイレなどの仮設工事費用
・家の構造の要となる基礎工事費用
・外壁、屋根などの外装工事費用
・天井や内壁、床などの内装工事費用
・キッチンや浴室、トイレなどの水回りの設備機器の設置費用
・電気配線や水道配管などの工事費用
などが主な本体工事費用の内訳です。
そして、注文住宅ならではの「設計料」も建築に関連する費用です。
法令をきちんと精査したうえで建築図面を作成することはもちろん、役所などの関係機関と打ち合わせをすることや、確認申請業務なども主な内容です。ただ、設計料の取り扱いは建築会社によって異なり、本体工事費用に含めていることもあれば、別途「設計料」として記載されていることもあります。
また、付帯工事には、
・電線や水道、ガスなどの引き込み工事
・地盤改良工事
・外構工事
・解体工事
などがあります。
付帯工事は、それぞれの状況によって「費用の有無」「費用の金額」など詳細は異なる部分です。
たとえば、地盤改良工事は地盤調査の結果次第で発生する費用で、かからないケースもあります。
解体費用は、建て替えの場合にかかる費用です。解体費用は建物の規模や立地などによっても違いますが、結構大きな額です。依頼する業者によっても費用は異なるでしょう。
諸費用は、注文住宅で支払う総額の1割ほどの金額と言われています。
注文住宅で家を建てると、
・住宅ローン関連の費用
・登記関連の費用
・税金関連の費用
がかかります。
住宅ローンで家を建てる場合、借入金額や金融機関によって違いますが、事務手数料やローン保証料、火災保険料なども必要です。
登記関連の費用では、土地を買ったときの所有権移転登記や、新築したときの所有権保存登記の費用、そしてその登記を依頼した司法書士への報酬もかかります。
後からかかる費用として、不動産取得税や固定資産税・都市計画税といった税金も考えておく必要があるでしょう。
税金に関しては、注文住宅を建てたときに納付するわけではなく、数か月後も先になってから納税通知書が来るので「こんなにかかるなんて知らなかった」と驚くケースもあるかもしれません。ただ、不動産取得後の税金に関しては、軽減措置を利用すれば負担をおさえられるものもあります。
「どんな手続きをいつまでにするか」もしっかりと把握しておくことが大事です。
そして、そのほかケースバイケースで必要となる費用もあります。
たとえば、建て替えのときは仮住まい費用が必要。仮住まいに関しての費用は、借りる期間の家賃はもちろん、入居するときの初期費用も計画しておかなければなりません。
また、新居に住むときに引っ越し業者に依頼すれば費用はかかりますが、
建て替えなら2回分考えておく必要があるでしょう。
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多くの人にとって、注文住宅での家づくりは一生に一度とも言える大イベントです。
「みんなはどのくらいの費用で家を建てているの?」「相場を知りたい」という疑問もあるのではないでしょうか。
家の規模や土地の広さ、地域も異なるので金額は違って当然ですが、平均的な数値を知っておきたいものですよね。
住宅金融支援機構の2021年度調査によると、
・注文住宅の所要資金の全国平均が3,572万円
・注文住宅の住宅面積平均が123.8㎡(約37坪)
となっていました。
このことから、全国平均で見れば、37坪ほどの家が3600万円から4000万円ほどの金額で建てているというイメージが沸いてきます。ただし、地域によっても費用平均はバラバラですし、首都圏であるほどに価格は高い傾向となります。
また、土地を持っていない人は、こちらに土地代もプラスされることになります。
あくまでも費用の相場ですが、注文住宅で新築する際のだいたいの費用感としてご参考ください。
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注文住宅は、さまざまな背景により費用は異なります。
たとえば、同じ面積の家だとしても、叶えたい要望が多ければ費用は高く、逆にほとんどこだわりがなければ費用はおさえられるでしょう。
そこで、注文住宅の費用を左右する背景にどんなものがあるか見ていきましょう。
注文住宅は、間取りや設備の違いが費用に影響します。
広い間取りにしたければ費用は高くなりますが、その分、ゆとりを持った暮らしができます。
住まいの設備は機能やデザインなどグレードによる違いがあります。もちろん、高いグレードと言われるものほど費用は高いものの、「耐久性が高い・日々を快適にする機能」で費用に見合った満足度が得られるでしょう。
注文住宅の費用はこだわりが強いほど高額になることから、少しでも予算を削られるように何かを諦める方もいます。しかし、満足な家づくりのためには“妥協ばかりすること”はおすすめしません。
最低限の機能の設備でいい、シンプルな間取りでいいというように、目先の費用を優先すると、実際に暮らしてみて不便や後悔を感じてしまったという人もいます。
そこで、自分や家族が理想とする家づくりのイメージを明確にし、まずは優先順位を決めましょう。
どうしても予算に合わせなければならないときは、「優先するところ・妥協してもよいところ」をはっきりさせておくといいかもしれません。
注文住宅は、建物の形状によっても費用を左右します。
凹凸の少ない箱型の外観、屋根の形や建物の形状もシンプルになれば、面積も減ってコストをおさえられるでしょう。
依頼する建築会社によっても費用は変わります。
注文住宅を作るうえで何を重視するかによって選ぶべき先も変わってくるため、一概に良し悪しが決められるわけでもありません。
とにかくコストをおさえたシンプルな家づくりを得意としている建築会社に依頼する場合、予算をおさえられる点がメリットと言う方もいます。
確かに、家づくりに安さを求める人にとってはメリットですが、こだわりを反映させたい人には「シンプルで物足りない」というデメリットの方が際立って感じてしまうでしょう。
また、コストよりも性能重視という人は、平均よりも高い家づくりとなっても、費用が高くなったことはデメリットと感じないかもしれません。費用をかけた分だけ住み心地や耐久性の満足度が深まるからです。
建築会社の特徴をきちんと理解したうえで、自分に合った家づくりをしましょう。
注文住宅のなかでも、パッケージ化されたセレクトタイプのプランなら、予算と費用を掴みやすい家づくりが可能です。
ヘーベルハウスの「マイデッサン」の場合、家事をラクにする食器洗浄乾燥機や、雨の日や花粉の時期の洗濯干しに重宝する浴室乾燥暖房機、タッチひとつで玄関ドアの鍵の施解錠ができるリモコンWロックシステムなど、人気のインテリアや設備が標準装備されています。
また、キッチンやインテリア、外観もお好みに合わせたセレクトが可能。収納や動線にもこだわった数ある間取りからセレクトできるため、契約した後から急激な金額アップが起こりにくいのが特徴です。
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注文住宅は、ハウスメーカーによって価格帯がさまざまです。同じ費用でも建築面積やプランで費用は調整できるのが注文住宅のよいところです。
次に、価格帯別に、建てられる家のイメージをご紹介していきます。
家づくりへの想いやタイミングは人によってそれぞれ違います。
「間取りやデザインなどのこだわりがない」「年齢が若くて住宅ローンの借入額が期待できない」「家にはそれほどお金をかけたくない」と、とにかく費用をおさえたい人なら1,000万円台からでも注文住宅が建てられるローコスト住宅が選択肢となるでしょう。
「とにかくシンプルな見た目」という特徴があり、キッチンや浴室などの設備も最低限の機能だけを備えたものを選び、手ごろな価格を実現。大量仕入れによってコストをおさえた建材は、暮らしていく上で不便を感じることはないでしょう。
性能的にはローグレードとなってしまうため、満足度に欠けるポイントは少なからずあります。
ただ、建築基準法から外れるような建て方はしていないので、構造や耐震性が著しく劣っているわけではありません。日常的に住む分には住み心地に影響することはないでしょう。
しかし、耐用年数も長くはなく、メンテナンスや補修時期が早めにやってくる可能性があります。現時点での費用はおさえられますが、メンテナンス計画を立てながら、将来的に住まいの維持管理費用を考慮しておくことが重要になります。
家の耐久性やメンテナンスは、生活の安心感に影響をもたらします。建築時にしっかりと理解しておくことが大事です。
1,000万円台の注文住宅と比べると「こだわりポイント」を盛り込むことができる予算です。
たとえば、面積をコンパクト、そして形状もシンプルにする代わりに、設備や内装はちょっといいものを選ぶなど…。
「浴室は標準的でもいいがキッチンは最新機能搭載のグレードの高いものを設置したい」「リビングの床だけは無垢材を選びたい」「内装の一部にアクセントを加えたい」など、最小限におさえながらこだわりポイントを叶えられるケースもあります。
あれこれと理想を詰め込むことは難しいですが、こだわりを最低限におさえ、それでいてコストをおさえる予算配分が必要です。
また、照明器具やエアコンなどを自分たちで用意する「施主支給」などもコストをおさえられる工夫となるでしょう。別業者への見積もりや設置工事のスケジュールの段取りなど、施主自身で進めていくことになります。
ただ、建築会社によって、可能かどうかの対応は違うので事前に相談しておくことが大事です。
3,000万円台の予算があれば、お金をかけられるところが増えます。
前述したように、全国的な注文住宅の相場は3500万円ほどと言われています。つまり、だいたいこのくらいかければ、注文住宅でいろいろな希望を叶えた家づくりができるということになります。
1,000万円台、2,000万円台とは違って、間取りや設備にも自分の理想を反映できるのが3,000万円台の家づくりです。
設備のグレードも良いものにでき、機能的にも十分快適性が感じられるでしょう。それでいて、住宅性能にも満足できる家づくりができるでしょう。
デザイン的にもおしゃれな雰囲気が加わります。たとえば、1,000万円台や2,000万円台の場合、外観的にもかなりシンプルな形状と色味となることが多いでしょう。それに対し、3,000万円台ともなれば、スタイリッシュに仕上げることもできます。
部分的に装飾性を持たせたり、樹脂サッシなどで外装に耐久性を高めたりなども可能です。耐震性も高まり、デザインはもちろん、性能的にも満足の家づくりができるでしょう。
吹き抜けなどを作って、開放感のある間取りにできるのも3,000万台の予算だからこそ。「シンプルでなければならない」というコスト重視の枠から飛びだして、ちょっと遊び心やデザイン性をも叶えた間取りが叶う予算感です。
ただし、どのくらいの面積にどのくらいの規模の家を希望しているかによっても、この3,000万円台という予算が「希望を叶えられる充分な費用か」が異なるでしょう。
「どこにコストをかけるべきか」「こだわりのない箇所はどこか」などを明確にし、上手に予算を配分した家づくりすることが大事です。
4,000万円台の注文住宅は、コストにこだわらず、設備や内装のグレードアップが可能です。
1,000万円台や2,000万円台のように、多くを諦める必要はありません。予算的にもゆとりを感じられることから、土地面積にもよりますが、広さも反映した家づくりができるでしょう。
コストが低いときは選べなかった素材にもこだわることができます。3,000万円台の予算よりも、素材やデザインの選択肢が増えるでしょう。設備も最新機能が満載の高グレードのタイプを検討することも可能です。
また、建物の強度を左右する、構造にもこだわることができます。一戸建てと言えば木造のイメージがありますが、災害リスクから近年は鉄骨造や鉄筋コンクリート造も見られるようになってきました。
家の強度は、目に見えないため、コストをおさえるために軽視してしまうこともあるでしょう。ただ、万が一の災害のとき、被害に遭うことやリスクに怯えなければならない可能性があります。
木造と比べると鉄骨には、耐火性や耐震性、防水性といった「災害に対する強さ」があります。家は建てたら終わりではなく、長く住み続けるものです。耐久性が高い鉄骨なら、住む人の安心感をも実現します。
予算をかけてでも構造の強さにこだわれば、これから長く安心が続く、本当の意味で「居心地の良い、快適な家」に住めるでしょう。
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今回は、注文住宅の全国的な平均費用の相場や、建築費以外にかかる費用などを詳しくお伝えしました。
注文住宅で必要な費用は、建物建築費だけでなく、土地代や付帯工事費、諸費用などさまざまあります。
また、予算をいくらかけられるかによって、建てられる住宅の内容も違ってきます。できるだけ低コストにしたいときは住宅の形状や外装もとてもシンプルなものになります。
一方、予算を多めに確保できれば、プランのバリエーションが広がり、こだわりを反映させられる家づくりが可能です。住まいの強度や設備の機能、素材などの選択肢が増えるでしょう。
家づくりの前に、全国の平均費用から相場を知り、ご自身の予算感をもとに、どんな家が建てられるかイメージしておくことが大事です。