国連開発計画が主導する「ビジネス行動要請(BCtA)」に参加
~インドでの「ベンベルグ」の企業活動による繊維産業の発展を目指して~
旭化成株式会社
旭化成株式会社(東京都千代田区、社長:小堀 秀毅)は、再生セルロース繊維(キュプラ繊維)「ベンベルグ」※1のインドでの原料調達から最終製品までの現地の生産者、若者等への能力向上、育成に向けた取り組みで、国連開発計画(以下「UNDP」)※2が主導する「ビジネス行動要請(Business Call to Action: BCtA)※3」に参加することとなりましたので、お知らせします。
当社は、インドでの繊維産業での新たな労働機会の創出、ファッション業界の発展に向けた若者の育成を進めていく計画です。
「ベンベルグ」は、コットンリンター(綿実の周りの産毛)を原料とする再生繊維で、さわやかな着心地や優しい肌触り、天然原料由来ならではの環境適合性などを活かして、現在、高級スーツなどの裏地から、アウター・インナー・寝装・スポーツなど幅広い用途で展開されています。近年では、インドの民族衣装(サリー、スカーフ等)向けの需要が拡大しており、インドへの供給量を増やすために2014年には生産設備の増設を実施しました。
当社の「ベンベルグ」事業のインドでの活動は、1976年に「ベンベルグ」原糸をインド向けに輸出を開始し今年で40年を迎えます。インドでは「ベンベルグ」を使用して民族衣装が生産され多くの女性が着用しています。現在はインド向け原糸の輸出が毎年4,000tを超える数量まで拡大してきており、「ベンベルグ」事業の中心となっています。
インドでは、「ベンベルグ」の原料調達から最終製品までの企業活動(バリューチェーン)に直接・間接に関与し、技術の向上、安定した収入の確保や新たな仕事の創出など技術開発や人財育成に貢献しています。当社では、原料であるコットンリンターの約1/3をインドから購入しており、数社の原料メーカーにコットンリンター採取の設備を無償貸与し、インド駐在の技術者が生産性を上げる教育や技術指導サポートをしています。日本へ輸出されたコットンリンターは、「ベンベルグ」原糸に加工された後インドに輸出され、機屋へ販売されています。また、生地生産段階での製織や染色などの技術指導も継続して行っています。
また、将来インドの繊維業界、ファッション業界を担う若者・学生への教育にも力を入れており、能力の向上を目的に数校の大学に教育サポートを行い人財育成にも貢献しています。
原料のコットンリンターの採取チェックと、染色の技術指導