新規P2X7受容体拮抗薬に関するライセンス契約締結について

2018年3月26日
旭化成ファーマ株式会社
ラクオリア創薬株式会社

 旭化成ファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:柴田 豊、以下「旭化成ファーマ」)とラクオリア創薬株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:谷 直樹、以下「ラクオリア創薬」)は、この度、両社の共同研究の成果として見いだされた新規P2X7受容体拮抗薬に関するライセンス契約を締結しましたのでお知らせいたします。

 旭化成ファーマとラクオリア創薬は、「オープン・イノベーションを積極的に推進することによって存在感のある研究開発型スペシャリティファーマ/創薬企業を目指す」という両社の経営理念が一致したことから、2013年11月に共同研究を開始し、開発候補化合物の創出に取り組んでまいりました。豊富な医薬品研究開発のノウハウを持つ旭化成ファーマと、イオンチャネル創薬の技術に強みを持つラクオリア創薬との協働により、この度、共同研究の成果として、新規神経障害性疼痛治療薬候補であるP2X7受容体拮抗薬AKP-23494954/RQ-00466479を取得することに成功し、2018年3月に前臨床開発段階に移行することが認定されました。

 P2X7受容体は、中枢神経系のグリア細胞に多く発現しているイオンチャネルの一種であり、慢性疼痛の形成や維持過程に深く関与していることが知られています。慢性疼痛の中でも神経障害性疼痛は、既存の鎮痛薬が十分に奏効せず、副作用の問題もあることから、医療ニーズの高い疾患とされています。選択的なP2X7受容体拮抗薬であるAKP-23494954/RQ-00466479は、既存薬とは異なる作用機序で鎮痛効果を発揮し、難治性の神経障害性疼痛の革新的な新薬になることが期待されます。

 今回のライセンス契約に基づき、旭化成ファーマは、P2X7受容体拮抗薬の全世界を対象とした独占的な開発・製造・販売権を取得します。ラクオリア創薬は、その対価として契約一時金を受領すると共に、開発段階に応じたマイルストン、並びに販売後は販売額に応じたロイヤルティを受け取る権利を得ます。今後は、旭化成ファーマがAKP-23494954/RQ-00466479を有効成分とした新規治療薬の開発を前臨床試験より開始します。

 旭化成ファーマ代表取締役社長の柴田 豊は「当社は疼痛領域を重点領域と捉え、これまでラクオリア創薬と共同研究を行ってまいりました。両社のこの共同研究の成果として、今回本ライセンス契約を締結できたことを大変喜ばしく思います。今後は両社の協力体制の下、P2X7受容体拮抗薬の開発をさらに推し進め近い将来に医療ニーズを満たす新しい疼痛治療薬を患者さんにお届けできることを期待しています。」とコメントしております。

 ラクオリア創薬代表取締役社長の谷 直樹は「当社と旭化成ファーマ株式会社との共同研究が結実し、ライセンス契約締結に至ったことを心から嬉しく思います。両社の創薬研究者の緊密な連携により素晴らしい成果が創出されました。創薬技術の多様化や医療ニーズの高い疾患への注力といった創薬のパラダイムシフトが起きている中、日本における製薬企業とバイオベンチャーのオープン・イノベーション(協創)の一つの形を示すことができたものと考えています。」とコメントしております。

 旭化成ファーマ及びラクオリア創薬は、今回のライセンス契約を通じて、両社ともに重点領域の一つと位置づけている疼痛領域におけるパイプラインのより一層の充実を図ると共に、患者さんに新たな治療の選択肢を提供することで、患者さんのQOLの向上に一層貢献できるよう努めてまいります。

ラクオリア創薬について

  1. ラクオリア創薬は、名古屋市に研究拠点を有し、最先端の生命科学技術を活用し、医療分野においてニーズの高い疾患領域での新たな医薬品を生み出す「グローバル創薬イノベーター」を目指す、研究開発型のベンチャー企業です。独自のオープン・イノベーションから革新的な新薬の種となる低分子化合物医薬を創り出し、製薬会社等と共同研究あるいはライセンスアウト(知的財産権の使用許諾契約)により、真に価値ある新たな治療薬を患者さんに届けることをその使命としています。詳細はホームページwww.raqualia.co.jpをご覧ください。

旭化成ファーマ株式会社について

  1. 旭化成ファーマ株式会社は、「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献する」というグループ理念のもと、旭化成グループのヘルスケア領域の事業会社として医療用医薬品、診断薬の分野で事業を展開しています。詳細はホームページwww.asahikasei-pharma.co.jpをご覧ください。
以上