基本的な考え方
私たちは、国内のオフィスだけではなく施工現場や工場さらには、海外の拠点などさまざまな場所で事業活動を行っています。あらゆる事業活動において、社員が最大限能力を発揮できるよう、安全で快適な職場環境の整備と心身の健康保持増進へ積極的に取り組みます。
健康経営に対する考え方
私たちは、事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献し、企業価値を向上させていくためには、「人財」がすべてであるという考えに基づき、従業員が心身ともに健康で活躍できる環境づくりを進めています。2020年には旭化成グループで「健康経営宣言」が発表されたことを受け、旭化成ホームズグループでも従業員の健康に関する取り組みを全社的な経営課題と位置づけた「健康経営」を展開しています。
※「健康経営」はNPO法人健康経営研究会の登録商標です。
旭化成ホームズグループの健康経営
旭化成ホームズグループでは、健康経営推進のために健康管理室と人事部が一体となって健康経営※を推進しています。健康管理室では、「フィジカルPJ」「メンタルPJ」「一次予防PJ」といった活動を通じて、生活習慣病関連疾患、メンタルヘルス不調、がん、喫煙、睡眠などのテーマに関して、健康改善につながる取り組みを進めています。また、高ストレス者に対しての面談勧奨なども積極的に行っています。
2024年度は、主にストレスチェックの組織診断結果を元に、産業医、保健師、人事担当者が連携し、部署長と共に職場環境改善活動に取り組みました。ストレスチェックは全国平均100(厚労省の健康リスクの基準値より)に対して2割程度低く推移しており、取り組みは一定の成果をあげています。また2025年度は旭化成ホームズグループ全社で敷地内全面禁煙に取り組んでいます。
※「健康経営」はNPO法人健康経営研究会の登録商標です。

健康経営KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)
目標項目 | 業績値 | 目標値(旭化成G) | ||
---|---|---|---|---|
2022 | 2023 | 2024 | 2025 | |
1.メンタル休業率 | 1.38% | 1.25% | 1.48% | 1.10% |
2.生活習慣病重症化率 | 10.8% | 10.2% | 10.7% | 8.2% |
3.メタボ該当者率 | 10.9% | 11.4% | 12.1% | 10.8% |
4.休業日数/がん1件 | 120.5日 | 89.8日 | 95.9日 | がん検診受診率60% |
5.喫煙率 | 24.8% | 24.2% | 23.5% | 18.6% |
6.睡眠 | 29.8% | 30.5% | 31.2% | 29.0% |
※睡眠で十分に休養が取れていない者
ライフセービング・アクション(LSA)
ライフセービング・アクション(LSA)とは、旭化成グループで働くすべての人の「命を守る(Life Saving)」ことを最優先に考え、グループ全体における安全文化の構築を目指した取り組みです。安全に関する複数のルールを定め、各エリアの安全パトロールや、本社による安全監査を通じて、積極的な指導と啓発活動を実施しています。特に高所からの転落災害は重大事故につながる危険性が高いため、「安全帯なしでの高所作業は禁止」というルールをより徹底しています。
旭化成ホームズグループは、今年でLSA開始から5年目を迎えます。今までの取り組みの成果もあり、昨年度は、高所(2m以上)からの墜転落災害ゼロを達成することができました。今後も安全会議やSafety Summit(安全大会)で、作業者に直接、そして繰り返し教育を実施することで、国内外における現場安全の徹底を図ります。



高所作業は禁止

運転中の携帯・スマホ禁止
シートベルトせずの乗車禁止
新規入場者教育の徹底
施工現場では、慣れない仕事や環境が不安全行動につながるため、経験の浅い作業者に労働災害が発生する割合が高いと言われています。そのため、現場に入る前の安全教育「新規入場者教育」が非常に重要です。旭化成ホームズでは、作業員へ教育を実施する工事店に対し、①講師資格の「インストラクターの育成」、②「安全教育資料の整備」、③安全教育後に現場入場を許可する「実施ルールの規定」の3点の支援を行っています。
2023年度には、事故の顕著な職種における経験1年未満の作業者を対象に「フォロー教育」資料を作成して再教育を実施し、安全知識のアップデートおよび意識の強化に努めました。その結果、高所からの転落災害はゼロとなり、事故の発生数も減少しました。2024年度は対象職種を広げてフォロー教育を実施しました。引き続き、導入時の教育内容の見直しを検討し、さらなる安全教育の環境整備に努めることで、災害のない安全で安心な施工現場を目指します。


化学物質リスクアセスメント
建築現場で取り扱う化学物質を含有する部材については、本社で化学物質リスクアセスメントを実施し、現場の作業者が安全に作業できる環境を整えています。具体的には、含有している化学物質の持つ危険性や有害性の特定、労働者(作業者)に対する健康障害等のリスクの見積もり、リスクの低減対策の検討を行い、これらを作業者に対して確実に周知しています。
加えて、現場では作業者が作業前に実施するKY(危険予知)活動の中で、使用する材料に対するリスク評価結果と、取扱説明書や部材梱包に表記されているラベルの内容を元に、危険性や有毒性を確認し、適切な保護具等でリスクを低減するようにしています。
また、各建築現場には「ラベルでアクション」をスローガンとしたポスターが掲載されています。ラベルの確認時に気を付ける点や着用する保護具などを分かりやすく図示し、現場の作業者へ周知しています。

旭化成住工における労働安全衛生の取り組み
旭化成住工では、従業員の健康に関する取り組みを全社的な経営課題と位置づけた旭化成グループ「健康経営宣言」(2020年10月)を受け、2022年度から次のような取り組みを開始しました。
① 「食」:食堂メニューにおける健康的なメニューや地産地消メニューの積極的な採用
②「運動」:旭化成健康保険組合開催の歩フェスへの積極的な参加
③「禁煙」:全面禁煙を目指す全社方針に向けた施策の積極的な推進
④「メンタルヘルス」:全社員を対象としたラインケア研修の毎年開催
こうした取り組みが評価され、2025年3月、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2025」の認定を受けました。今後も健康管理活動を基盤に、従業員の心身の健康保持増進をサポートし、個人の活力向上、組織の活性化に貢献します。

北米 Safety Councilの立ち上げ
2025年1月、北米のグループ会社であるSynergos社において、労働安全衛生について議論を行うための会議体であるSynergos Safety Council(SSC)が設立されました。SSCの設立は、Synergos社にとって将来を見据えた重要な取り組みであり、グループ全体で従業員の幸福を最優先するという方針のもとに進められています。SSCでは、各組織の安全責任者を一堂に集め、成功事例の共有を通じて、グループ共通のより安全な職場環境の構築を目指します。
特に、グループ内での労災分類の共通化により、異なる業種間でも同様の方法でデータ分析ができるようになり、これまで見落としていた可能性のある労災パターンや根本原因の特定に役立てることが可能になります。このようなデータ主導のアプローチは、労災防止のみならず各人の責任感向上や互いへの配慮といった安全文化の促進につながります。労災リスクの高い建設業界で事業を行うSynergos社にとって労働安全に向き合い続けることは会社の使命です。

健康診断と健康管理システム導入
旭化成ホームズでは社員の健康増進を図るため、健康診断に法定項目以外の検査も含めています。また人間ドックやがん検診、胃カメラ検査等を任意で受けた場合の費用についても助成を行っています。2023年度には、個人のスマホからも健診結果や産業医からのコメントなどを確認できる健康管理システム「Growbase」を導入しました。産業医が要受診と判断した場合は二次健診の要否および受診結果の入力を依頼する通知が届く等、DX化により利便性を向上し、社員の健康増進に取り組んでいます。
システムイメージ図
