基本的な考え方
私たちの事業は、お客様をはじめとした多様なステークホルダーとの関わりの上で成り立っています。企業の存続には社会的な意義のある存在として認知されることが必要であり、そのためにはステークホルダーの皆様からの信頼を獲得することが重要です。私たちは、事業活動を通じて、また事業活動で得られた知見や技術を活かして、地域や社会の発展に貢献する取り組みでさまざまなステークホルダーの皆様との信頼関係を強化します。
「緑の会」の活動
持続可能で強い施工体制の構築
“旭化成ホーム「緑の会」”は、HEBEL HAUS建築に携わる工事店・施工者と、旭化成ホームズの関係者を会員として、住宅事業本部ごとに運営されています。緑の会では住宅事業本部ごとに、各エリアの特性を活かした、工事店・施工者とのエンゲージメント強化につながる取り組みを行っており、持続可能で強い施工体制の構築に向けて活動しています。また、「社会に良質な建物を長期的かつ安定的に供給する」方針の実現を目指して、工事店代表者と旭化成ホームズ各エリアの技術部長をメンバーとした「緑の会」連合会も組織されています。各エリアを横断して、「会員相互の親睦」「施工の研究改良の場を育む」「自然災害発生時の相互応援体制の構築」などを目的として活動を続けています。
施工人財の定着・育成
2023年度は、5月に「緑の会」総会で意見交換を行い、8月には建設技能者の継続的な確保と育成を目的とした研修施設である旭化成ホームズ建設技術教育センターを総会の参加会員で訪問し、施設および実際の実習の視察を行いました。こちらの施設では、11月7日~12月8日の日程で、「プレハブ建築科内装施工初級訓練」を実施しました。各エリアから経験2,3年目の大工3名が受講し、知識や技能の習得に取り組みました。来年度も引き続き開催を計画しています。
工事店・施工者との結束力の強化
2023年度は、1月に「第2回自然災害初期対応訓練」を実施しました。初回の「風水災害後の、初動対応の必要人員数を確保する」という内容に加えて、情報集約後の災害対策本部と施工現場等との連携をテーマに実施しました。この訓練では実際の災害時での情報連携フローの課題が明確になり、より実効性のあるものにするための良い機会となりました。この活動も継続して実施していきます。
2024年度は、5月に「緑の会」連合会総会の開催、7月には集合研修会と親睦のイベントの実施、1月には3回目の災害対応訓練を計画しています。
凛とした現場づくり
2016年以降、HEBEL HAUSの施工現場では「凛とした現場づくり」をスローガンに取り組みを進めています。「凛」という言葉にはピシッと隙がない、「ひきしまった」態度・状態の意味があり、逆は「ゆるんだ」になります。事故が生じる現場には、どこかゆるみがあり、不注意・不安全が入り込む「すき」が現場に生じていると考え、すべての現場が「凛とした現場」になるべく活動を進めています。
「凛とした現場づくり」の3つのキーワード
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1.整然
整理整頓している、安全な通路の確保、ガードフェンスなどが真っ直ぐ設置されている
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2.気遣い
ご高齢者・ご近隣さらに仲間への安全配慮
清潔な環境の維持(音・汚れを出さない努力、仮設物の見栄え) -
3.マナー
積極的な挨拶、清潔な身だしなみを心掛ける
「凛とした現場づくり」では、各エリアでテーマを定めて活動をしています。2023年度は全エリアでの監査を行い、監査の結果を各工事課および各工事店へフィードバックしました。また、それぞれの現場での意識を高め合う目的で、「凛とした現場」の好事例となる写真をKY活動※の共通ツールに掲載し、全エリアに展開しました。この活動により、「常に安全な通路が確保できている」「現場について、お客様やご近隣様より高評価をいただいた」等の声があがっています。今後も「凛とした現場づくり」活動を継続し、安全で快適な働きやすい環境を持続していきます。
※現場作業前に潜在的な危険を洗い出すことで、事故を未然に防ぐための活動
豪州事業会社に拡がる現場美化活動
豪州事業会社NEX Building Group経営陣は2022,2023年に訪日した際に、日本で取り組んでいる「凛とした現場」の見学を行いました。施工中の現場が整理整頓され、日本の施工現場がお客様へのリスペクトで成り立っていることに大きな刺激を受け、その後自ら豪州でのClean site(現場美化)活動を2023年に開始しました。室内を土足で過ごす文化の豪州で、躯体完了後は土足禁止とし、文化を変えようと取り組んでいます。また活動の一つとして、現場産廃状況の把握・廃材削減への取り組みも開始しました。
この活動を通してお客様の満足、ご近隣様への配慮、作業者の安全の確保、廃材削減を進めていきます。現在はNSW州を中心に活動をしていますが、今後は各州へ活動を広げていく予定です。
「BORIKI 絵本リユースプロジェクト」
「BORIKI絵本リユースプロジェクト」は、子育て世代をターゲットに展開する「子育て共感賃貸住宅『ヘーベルメゾンBORIKI』」の入居者様へ、社員の自宅に眠っていた絵本を「BORIKIえほん箱」と一緒にお届けする取り組みです。使われなくなった資源を有効活用するとともに子どもたちの学びや絵本を通じた交流の機会を創出する効果も得られます。
本プロジェクトは2023年10月から開始し、旭化成グループ社員に呼び掛けて集めた600冊を、社員サポーター、BORIKIの入居者有志で選別とカバーリングを行い、寄付者からのメッセージと共にBORIKIに住む子どもたちに今後届ける予定です。将来的にはBORIKI周辺地域のイベント等にも有効活用することで、グループ社員と共にBORIKIを中心とした「地域」での子育て応援に展開していきます。
理工系分野の学生を支援する理工チャレンジのイベント開催
旭化成グループは、2015年から内閣府が推進する理工系人財育成イベント「理工チャレンジ」に賛同し、イベントを開催してきました。7度目の開催となる2023年度は、理工系分野に興味を持つ20名の高校生を首都圏から受け入れました。旭化成ホームズ住宅総合技術研究所では、HEBEL HAUSの特長の説明とモデルハウスの見学、研究開発棟の紹介を行いました。地震の多い日本で「いのち」を守る強靭な躯体、日々の「くらし」を豊かなものにする遮音・断熱性、住まい手と共に「人生」を歩む高耐久・高寿命な部材等の「世代を超えて住み継がれる住宅」を目指すHEBEL HAUSの性能や特長を説明した後に、モデルハウスと実験を体感することで、より理解が深まりました。また質疑応答では、高校生からの進学や就職に関する相談へ、理工系従業員が自身の体験談やアドバイスを交えて回答しました。今後も「理工チャレンジ」への参画を通じて、理工系分野に進学・就職する学生を支援するだけでなく、理工系従業員が一層活躍したいと思える機会として、学生との交流を継続していきます。