基本的な考え方
私たちは、住まいの長寿命化や既存建物の利活用や事業活動で発生する産業廃棄物のゼロエミッション化に向けた3R活動を行っています。また、限りある資源の有効活用や再生利用の推進、汚水の浄化処理などに取り組み、持続可能な資源利用を行うことで循環型社会の構築を目指します。
新築産廃ゼロエミッション
旭化成ホームズでは、施工現場で発生した産業廃棄物(以下、産廃)を自社の資源循環センター(厚木・尼崎)にて分別し、単純焼却や埋立て処分をすることなく全量リサイクルする「ゼロエミッション」を達成しています。
施工現場で25種類に分別された産廃は、さらに資源循環センターにおいて60種類以上に細分別され、マテリアルリサイクルに適さない可燃物も発電や燃料としてサーマルリカバリーすることで再資源化率100%を継続しています。さらに、再資源化したマテリアルリサイクル材のうち25%(重量比)を占める金属スクラップや樹脂類は有価物として売却し、資源の有効活用に寄与しています。また、資源循環センターでは固形燃料(RPF)を製造しています。RPFは廃プラスティック類や紙くずなどを原料とし、製紙メーカーなどで活用されています。また容積を9分の1程度に減容することで輸送効率の向上とCO₂削減にも寄与しています。
自社の資源循環センターによる処理の対象は、新築工事のみではなく、旭化成リフォームの防水・吹付のリプレイス工事や旭化成不動産レジデンスの賃貸物件の入退出工事から発生する産廃にも拡大しています。今後はさらにリフォーム工事の内装改装工事や入退出工事の受け入れエリア拡大に取り組みます。旭化成ホームズは今後もグループ一丸となってリサイクルを推進していきます。
新築産廃再資源化率(2023年度)
使用済みユニフォームのガス化ケミカルリサイクル
旭化成ホームズグループは、使用済みプラスチック・衣類をガス化してケミカルリサイクルする「ARChemiaプロジェクト」に参画しています。これは、伊藤忠商事株式会社と株式会社レゾナックの共同事業です。まずはユニフォームの製造を行う株式会社ユニコ(伊藤忠商事グループ)にて、グループにおける使用済みユニフォームを回収します。その後のレゾナックのプラントにおけるガス化の工程では、燃焼工程を経ずにガス化することで、CO₂排出の大幅削減を実現しながら、アンモニア、アクリロニトリルや水素などの有用資源に再生し、循環型社会の形成を推進しています。
循環型社会に貢献する「ARChemia(アルケミア)プロジェクト」 | 伊藤忠商事
住宅における節水の取り組み
旭化成ホームズでは、水資源・水環境の保全を、廃棄物の削減やカーボンニュートラルに向けた脱炭素社会の構築と同様に、重要な環境課題と認識しています。ヘーベルハウス・ヘーベルメゾンでは住宅における水使用量削減に向けて、節水機能を搭載した水栓、シャワーヘッド、トイレ等を導入しています。節湯機能の採用率も浴室シャワー水栓で100%、洗面水栓で99%以上、キッチン水栓で98%以上となっており高い割合で採用されています。(2024年3月時点)。また、雨水を集水・貯留し、植栽への散水などの他、防災用水、災害時や渇水時の生活用水として利用できる「雨水利用タンク」も積極的に提案し、節水および水資源の有効活用を進めていきます。
建築部材の化学物質管理・低減
旭化成ホームズでは、住宅建築のバリューチェーン全体において適切な化学物質管理と汚染の防止に努めるために、独自のガイドラインによる化学物質管理を行っています。室内空気質管理に関する運用方法を「化学物質細則Ⅰ」、労務安全にかかわるリスクアセスメントを「化学物質細則Ⅱ」として、その内容および運用管理体系を更新し、住まいづくりの各段階で化学物質を適正に管理しています。リスクアセスメントでは、扱う部材の危険有害性を作業者に周知し、健康被害を防止することを目的としています。室内空気質管理では、重点とする化学物質ごとに管理目標値と評価する具体的方法を定め、資材メーカーを含め組織的に建築部材の化学物質リスクを管理できる体制としています。この体制で管理した化学物質の放散量が少ない部材と第1種換気(給気、排気とも機械換気の方式)を組み合わせた「エアクオリティ内装仕様」を採用した住宅では、性能表示制度の建設評価で定められる5つの化学物質(特定測定物質)の実測値が厚生労働省指針値の1/2以下となります※。住宅に残る化学物質を最小限にした健やかなくらしをお客様に提供するために、建築部材の化学物質管理・低減を継続します。
※エアクオリティ内装仕様を採用したすべての住宅で、厚生労働省指針値の1/2以下となることを保証するものではありません